ナスは、含まれている栄養素は他の野菜と比べると少ないですが、ビタミンB2やビタミンC、カリウム、カルシウムなどを万遍なく含んでいる野菜です。実は、果実内の水分量が多く、果実の93%以上は水分と言われています。また、果実の表皮の紫色はポリフェノールの一種で、アントシアニン系の色素である「ナスニン」によるものです(ナス – Wikipedia)。
「ナスは紫色」というのが常識ですが、実は紫色以外のナスも実在します。その中でもひときわ目立つものとして、白いナス「白ナス」があります。白ナスは、その見た目の奇抜さだけではなく、熱を入れるとトロトロになる食感も人気の理由です。
この記事では、通常のナスと白ナスの基礎知識、栽培方法のポイントについて解説します。
まずはナスの基礎知識から
作物名 | 科目 | 原産地 | 育てやすさ | 種の価格の価格(円/1粒) | 苗の価格の価格(円/1苗) | 収穫までの日(目安) | 栽培できる地域 | 作型 | 栽培方法 | 土壌酸度(pH) | 連作障害 | 発芽適温 | 生育適温 | 日当たり | 光飽和点 |
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ナス | ナス科 | インド東部 | ★★★★☆ | 5円〜20円程度 | 50円〜1,000円程度 | 開花から15日〜20日 | 全国 | 促成栽培 半促成栽培 抑制栽培 など | 露地栽培 プランター・鉢植え栽培 雨よけ栽培 施設栽培 養液土耕栽培 | 6.0〜6.5 | あり(3〜4年) | 25〜30℃ | 15〜30℃ | 日なた | 70klx |
ナスは、インド東部原産の作物です。日本の夏のように、高温多湿の環境を好みます。高温性の野菜のため、夏の暑さにもよく耐えるだけではなく、雨にも比較的強いため、露地栽培に向いている作物です。
ナスは、土壌の水分と肥料をよく吸収します。植え付け(定植)後は、土壌水分と肥料分を切らさないようにすることで長期間、多くの果実を収穫することができます。また、更新剪定をすることによって株を若返らせ、秋ナスの収穫をすることもできます。
品種や作型、気候によって異なりますが、播種から120日前後、開花から15〜20日前後で果実を収穫することができます。
白ナスも基本的な植生は同じと考えて良いと思います。
白ナスの基礎知識
白ナスは、その名の通り、果皮色が淡白色のナスのことを指します。果形は丸ナス、長ナスがあり、丸ナスは縦長の巾着型と、米ナスに似た系統があります。
白ナスはヘタの部分が緑色で果実全体が白いというのが一番の特徴です。紫色のナスと異なりポリフェノール(ナスニン)が含まれないため、白くなります。
本来、ナスはナスニンによって紫外線の対策をしていますが、白ナスの場合は果皮(果実の皮)を厚くすることによって守っています。そのため、皮が厚く美味しくないと思われがちですが、加熱をするとトロトロになるので加熱調理する料理にはもってこいの食材です。
東南アジアでは、白ナスが一般的に栽培、販売されています。播種(種まき)・植え付けの時期や収穫時期は、紫色のナスと大きく異なることはないので、一般的なナスの育て方を参考にして問題ありません。
白ナスの代表的な品種
白ナスにも複数の品種があり、それぞれ果形などが異なります。その中でも代表的な品種を3つ紹介します。
ホワイトベル
ホワイトベルは、ヨーロッパ系の品種で、米ナスに近い形をしています。
果実の直径は8~9cm、長さ15cm前後に成長します。ヘタの部分は緑色、果実はオフホワイトに近い白色となります。
たまごナス
たまごナスは、ヘタが緑色果実が白色で、鶏卵よりやや小さくウズラの卵より少し大きいくらいの卵型です。その名の通り、見た目が卵によく似ています。
実には、種がたくさん詰まっています。この種が固くならない若いうちに収穫をします。また、他のナスに比べて皮が硬い印象があります。皮の固さと種の多さが気になるところですが、加熱調理をすると気にならなくなります。
味は米ナスに似ていて、イタリア料理などで使われることが多いです。
味しらかわ
白長ナスの仲間で、丸種の宇治交配で生まれた品種です。ヘタが緑で果実はオフホワイトの白色です。
特徴的なことはその長さとなります。通常、長さ(果長)は20~30cmほどになり、首から先まで同じ太さのまま、細長い形になります。果肉も白いのですがアクが強く、切ると断面が茶色に変色します。加熱すると柔らかくなり、ほんのり甘みが感じられる味が特徴です。
ナス栽培のスケジュール
発芽適温 | 生育適温(昼間) | 生育適温(夜間) |
---|---|---|
25〜30℃ | 25〜30℃ | 15〜20℃ |
一般的な露地栽培をベースに考えたナス栽培のスケジュールです。品種によっても違いがありますので、購入する種・苗のラベルを参考に年間スケジュールを想像すると良いでしょう。
露地栽培の場合は、施設栽培のように環境の制御が難しいため、生育適温に近い環境となるシーズンに栽培することが望ましいです。生育適温ですが、昼間(日中帯)の温度と夜間の温度で異なります。
昼間は、可能であれば25℃〜30℃前後で管理できると良いでしょう。30℃を超えてくると、節間(節と節の間)が間延びしたり、着果・肥大が悪くなります。
夜間は、可能であれば、15℃〜20℃前後で管理できると良いでしょう。夜温(夜間の温度)が高すぎると徒長しやすくなります。
上記はナス全般についての基本的な植生ですが、白ナスを栽培するときもほぼ同じ考え方で問題ありません。
白ナスの栽培方法・栽培の流れ
白ナスの栽培は、ナスの栽培とほぼ同じ栽培の流れとなります。畑・圃場など地植えでの露地栽培については、ナスの基本的な栽培方法をまとめた記事がありますので、そちらを参考にしてください。
また、白ナスはベランダでのプランター栽培でも人気の植物です。ベランダでの栽培は、手入れもしやすく、また時期を逃すことなく収穫できるので家庭菜園初心者の方でも気軽に挑戦できます。
今回は、ベランダでのプランター栽培の方法について、詳しく解説します。
- 2月〜4月
- 植え付けの2〜3週間前
- 4月下旬〜5月
- 5月〜10月
- 6月下旬〜10月頃
- 7月下旬〜8月上旬頃
- 9月〜11月頃片付け
白ナスの種まき(播種)
ナスの種まき(播種)方法は大きく2つあります。
- ポットに種をまく方法
- 育苗箱に種をまく方法
発芽適温は、25〜30℃です。ポットの場合も、育苗箱の場合も適温となるように工夫をしましょう。ポットや育苗箱に培養土を入れ、種まきをします。
種まきの時期を過ぎた場合や接ぎ木された病気に強い接木苗、健康な苗を手軽に手に入れたい場合は、ホームセンターや園芸店で購入して、育苗、栽培することをおすすめします。現在では、インターネットにて予約購入することもできます。
下の記事に、ナスの育苗期の管理方法について詳しく解説していますので、参考にしてください。
プランター栽培の場合は、プランターに直接種まき(播種)をすることも可能です。少ない株数であれば、直まきに挑戦してみても良いでしょう。
ただし、温度管理が難しくなります。プランターにトンネルなどをかけて適温になるように心がけましょう。
白ナスの育苗
播種から、60日〜80日ほどで、植え付け(定植)適期となります。本葉7枚〜8枚程度で1番花(1番最初に付けた花)が咲き始めている頃が定植の目安です。
育苗は栽培において、とても重要な時期となります。「苗半作」という言葉があるくらい重要です。植え付け(定植)適期になるまで大事に育苗しましょう。
白ナスの場合は、上記のイラストのように枝や茎がアントシアン(ナスニン)で紫色になることは少ないです。主に、淡い緑色になるでしょう。
プランターの準備・培養土の敷き詰め
プランター栽培で必要なものの準備
まず、栽培に必要なものを準備しましょう。プランター栽培で一般的に使用される道具は、下記のとおりです。
名前 | 用途 |
---|---|
プランター | 作物を栽培するための容器。袋や鉢などでも可能だが、プランターの場合、横長のため複数の株を育てることができる。 |
鉢底ネット | プランターの底に敷くネット。土が流れ出ないようにする。 |
鉢底石 | プランターの底に敷く石。土の流亡と水はけ(排水性)を上げるため、土壌環境が良くなる。 |
移植ゴテ | 長さ30cm程度のミニスコップ。苗を植えるときに掘る穴や土をかけたりするために使う。 |
ジョウロ | 水やりに使う。プランター栽培の場合、外部からの水(雨など)がないため、こまめに水やりが必要でありその際に重宝する。 |
園芸用ハサミ(剪定バサミ・収穫バサミなど) | 手入れ作業(剪定、整枝、摘葉、摘果、摘心など)や収穫作業に使用する。紐や資材なども切れる便利なグッズ。 |
支柱 | 上に伸びていく作物(トマトなど)の株を支えるために使用する。支柱の長さは、栽培する作物の大きさや場所によって選択すると良い。 |
紐(麻ひもやビニールひもなど) | 支柱の固定や誘引(支柱に枝をくくりつける作業)に使用する。 |
ネット | 蔓性の作物(キュウリなど)を育てるときに使用する。蔓(つる)をネットに這わせていくことで植物体を大きくしていく。 |
マルチトレイ | 培養土と堆肥・肥料を混ぜる作業や収穫など、トレイがいくつかあると便利。 |
ナス栽培の場合、プランターは深型(高さ30cm程度以上、容量20L以上)で大きめのものがおすすめです。深型プランターにすると、土壌の容量が多くなり、土壌水分を保ちやすく、根がしっかりと張りやすくなります。鉢を使用する場合も同様で、ある程度の深さと大きさのある鉢が良いでしょう。
長さ(大きさ)は、植えたい苗の数によって決めてください。目安は、30〜40cmに1苗です。もちろん、培養土の体積(長さ×幅×高さ)によっても変わります。
長さ60cmプランターであれば、まずは1〜2苗から栽培を始めることをおすすめします。
用土の準備
もちろん、上記の道具を用意しただけで終わりではありません。栽培において、いちばん大事なものは土(用土)です。プランター栽培では、手軽に始めるために培養土を使用することが一般的です。
ナスは、土壌酸度(pH)6.0〜7.0の土壌を好みます。肥料入りの野菜用培養土は、土壌酸度が予め調整されたものも多いので安心して使えます。肥料が含まれていない培養土もありますが、その場合はご自身で元肥(基肥)を混ぜ込んであげる必要があります。
ホームセンターやネット通販で販売されている肥料入りの野菜用培養土を使用すれば、手間もかからず安定して栽培を楽しむことができると思います。
培養土の敷き詰め
準備ができたら、培養土を敷き詰めていきましょう。培養土の敷き詰めの手順は、以下のとおりです。
- 手順1鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる
プランターを用意して、そこに鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れます。プランターの種類や使用する培養土によっては、鉢底石が不要であるものもあるので、商品のラベルをよく読みましょう。
編集さんあらかじめネットに入った鉢底石もあります!鉢底石がバラバラにならず、栽培が終わったあとも洗いやすいため、長く繰り返し使用することができます!
敷き詰めも楽でした!
- 手順2培養土を用意する
培養土を用意します。すでに肥料入りの培養土を購入の場合は、特に実施することはありません。どうしても培養土に堆肥を混ぜたい場合には、培養土2〜3:堆肥1の割合で配合させてみてください。
用土からご自身で培養土を配合する場合には、赤玉土6:堆肥2:腐葉土1:バーミキュライト1くらいの割合で作ってみてください。
肥料入りの培養土の場合、元肥は必要ありません。含まれていない場合、もしくは自作した場合は、元肥を混ぜ込んでおきましょう。用土10Lあたりの目安量を下記に記載しておきます。肥料がなじむように、可能であれば、植え付けの1〜2週間前には終わらせておいてください。
肥料(全種類施用) 施用目安量(用土10Lあたり) 緩効性化成肥料 20g程度 石灰 10g程度 ナス栽培は、元肥だけでは生長に追いつかないので、追肥を重点的に行なっていきます。元肥はほどほどにして、生長を見ながら追肥で補っていくという考え方を持ちましょう。
- 手順3培養土を敷き詰める
培養土を敷き詰めます。このとき、赤玉土があれば鉢底石の上に2cm程度敷き詰めてから、培養土を入れると排水性が高まります。
土を入れる高さは、プランターの最上面から2〜3cmくらい下までにすると良いでしょう。
白ナスの植え付け(定植)と支柱立て
本葉7枚〜8枚程度で1番花(1番最初に付けた花)が咲き始めている頃が植え付けのタイミングです。
植え付けは、晴れて暖かい日の午前中に行いましょう。植え穴、苗にも予め十分に水やりをしてから植え付けます。早く植えたい気持ちは抑えて、十分暖かくなってから植え付けをしましょう。一つの目安として、GW(ゴールデンウィーク)明け頃に植え付け(定植)すると覚えておきましょう。
下の記事に植え付けに関する詳しいことを記載していますので、参考にしてください。
また、植え付けと同時に仮支柱、もしくは支柱を1本立てて誘引しておきます。3本仕立てなど複数本仕立てる場合でも、まずは1本の支柱を立てて、ある程度生長してきてから2本、3本と支柱を立てて誘引していきます。上記は地植え栽培の写真ですが、プランター栽培も同様の考え方でOKです。
植え付けたあとは、仮支柱を立てます。仮支柱は、苗を支えるために仮で立てる支柱です。仮支柱の立て方は、斜めでも縦でもどちらでもかまいません。仮支柱を立てたら、麻ひもなどで誘引します。
その後、株が大きくなるにつれて側枝が出てきますので誘引していきます。3本仕立ての場合は、このように逆ピラミッド式のような形で支柱を立てると良いでしょう。プランターの内側は葉が混みやすいので、外側に2本、内側に1本と整枝したほうが良いと思います。
また、あんどん式(リング式)にするのもの一つの手です。そうするとどこでも誘引ができるようになり、整枝作業が楽になります。
仕立て方、整枝の仕方については「仕立て(整枝)・誘引」の章もご覧ください。
白ナスの手入れ作業(管理作業)
植え付けがようやく終わると、ナスをしっかりと育てるために手入れ作業が必要です。手入れ作業は大きく6つあります。
- 仕立て(整枝)、誘引
- 受粉
- 追肥(肥料)
- 間引き剪定(間引きせん定)
- 摘果
- 除草・病害虫管理
仕立て(整枝)・誘引
仕立て(整枝)
植え付けられたナスは、光合成を活発に行い、どんどん生長します。生長に伴い、主枝(一番太い枝、茎のこと)から「側枝(わき芽)」と呼ばれるものが出てきます。この側枝を整理して、仕立てていくことを整枝作業、仕立て作業と呼んだりします。整枝、仕立て作業は、草丈が30cm程度になった頃から始めていきます。
「側枝」を主茎と同じくらい育てて、3本の枝に果実を収穫する生産方法を「3本仕立て」と言います。家庭菜園でのナス栽培は、一般的に3本仕立てで行われることが多いです。もちろん、2本仕立てでも十分に栽培、収穫することができます(営農している農家では、2本仕立てでV字整枝することも多いです)。
ナスの整枝作業は、いたってシンプルです。1番花のすぐ下とそのさらに下から出る側枝が勢いのあるものとなるので、それらを残し、ほかの側枝(脇芽)は摘み取ってしまいます。そのように2本の側枝を伸ばすことで、主枝と合わせて「3本仕立て」となります。
もちろん、3本仕立てにするには支柱もそれに合わせて準備する必要があります。ある程度、植物が生長し仕立て作業を始める段階で、支柱を立てて誘引していきましょう。支柱の立て方は、下記を参考にしてください。
仕立てた後、栽培をしていくとさらに側枝や孫枝が出てきます。側枝については放任して伸ばして、孫枝については1つの果実を残して摘心(摘芯)すると良いでしょう。葉が混んでいる場合には、摘葉しても良いでしょう。
プランターの場合は、2本仕立てもおすすめです。3本仕立てに比べて成り疲れもしづらく、また葉が混みにくいので病気や害虫による被害も比較的遭いづらくなります。2本仕立ての場合は、支柱の本数を減らして誘引します。
誘引
誘引は麻ひもや園芸用ワイヤーなどを使用して、茎と園芸用支柱を縛ります。縛り付ける位置は、ナスの成長に合わせて20cm程度の間隔を空けながら誘引すると良いでしょう。
受粉(授粉)・花の形の診断方法
トマトやミニトマトのように生育初期の花にホルモン剤(植物成長調整剤)を吹きかける場合もあります。特に生育初期に、トマトトーンなどの植物ホルモン剤を使用することで、着果、肥大、熟期を促進させることができます。また、石ナス防止にも高い効果があります。
しかし、家庭菜園ではそこまでの処理は不要でしょう。なぜなら、ナスは比較的着果しやすく収穫盛期になると多くの収穫量(収量)が見込めるからです。そのため、特に作業は必要ありませんが、花の咲き方を見極められるようになると、栽培の管理がしやすくなるため、その見極め方を紹介します。
花の形・大きさは、花芽の発育中の環境条件や栄養条件によって異なってきます。生育の条件が良く、株に勢いがある場合には、花梗が太く、花柱が長く大きい花が咲きます。この花を「長花柱花」といいます。このような花は、受粉(授粉)が正常におこなわれ結実する可能性が高いです。このとき、花の上方に4枚〜5枚程度の葉がついていることも一つの目安です。
反対に悪い条件で発育した花は、花柱が短くなります。この花を「短花柱花」といいます。花色が薄くて小さく、落花する可能性が高いです。花が生長点近くで咲いている場合は、株が弱っている証拠となります。
また、長花柱花と短花柱花の中間の花を「中花柱花」と呼びます。
短花柱花になど、花柱が短い場合には、植物自体がうまく生長できずに弱っている可能性が高いです。追肥をすることによって栄養分を与えるとともに、株への負担を減らすため、果実の早めの収穫、摘果を行うと良いでしょう。
白ナスの花は、通常のナスの花に比べてやや淡い(薄い)印象です。品種によっても花の色の違いがあるので、よく観察してみましょう。
追肥(肥料)
ナスは元肥だけでは栄養分が不足し、追肥で育つ植物です。そのため継続的な追肥が必要となります。下に追肥の一例を紹介します。
主に液体肥料を使う場合
- 元肥野菜用の培養土を購入する
野菜用の培養土を購入して、苗を定植(植え付け)しましょう。野菜用の培養土には、あらかじめ野菜類の栽培に適したバランスで緩効性肥料が含まれています。それらを使用することが最も簡単な用土の準備となります。
2作目や肥料が含まれていない用土を使用する場合には、元肥が必要です。用土の再生材とともに「マグァンプK」などの緩効性肥料を混ぜ込みましょう。
- 追肥
主に固形肥料を使う場合
- 第1回追肥定植3週間後くらいに株の周りに円状に施肥し、土を軽く混ぜ合わせます。株元から10cm程度離れたところに散布すると良いでしょう。
肥料(全種類施用) 施用目安量(1株当たり) 化成肥料 約15g程度 - 第2回以降の追肥生育の様子を見ながら15日〜20日おきに1回程度、株元から離れたプランターの側面に施肥します。土と軽く混ぜ合わせると良いでしょう。栽培終了するまでの間、継続して追肥を行います。
肥料(全種類施用) 施用目安量(1株当たり) 化成肥料 約30g程度
プランター栽培・袋栽培では、液体肥料による追肥もおすすめです。ハイポネックス原液は、様々な作物に幅広く対応していますので、1本あると重宝します。液体肥料のやり方、ハイポネックスについては、以下の記事をご覧ください。
間引き剪定(間引きせん定)
長く栽培していると、葉が混み合ってくる場合があります。ナスは、他の果菜類に比べると過繁茂になりにくい作物ですが、葉が混み合ってくると病害虫による被害を受けやすくなります。風通しを良くするためにも、定期的に剪定して葉を落とすと良いでしょう。
落とす葉の基準は、以下のように考えてください。
- 葉緑素が落ちてきている古い葉(老葉)
- 病害虫に侵されてしまっている葉
摘果
適切な生長管理のため、摘果を行うことも有効です。先述したとおり、株が疲れてくると花がうまく結実せず、実ができづらくなります。そのようなときに、小さな果実でも摘果・収穫することで、株を早期に回復させることができます。
また、「石ナス」などの生理障害の果実は、大きくなってもそのままとなることが多いため、そうなった時点で摘果・収穫してしまうのも一つの手です。
摘果は、晴れた日に収穫バサミや剪定バサミなどで行いましょう。
小さい果実でも料理に使えますし、一石二鳥ですよ。
除草・病害虫管理
放っておくと畝の周りに雑草が生い茂ってきます。雑草は害虫生息の温床にもなるので、こまめに抜き取ることをおすすめします。小さい面積の場合は手や鎌で、広い面積の場合は背負式の草刈り機などで行うと良いでしょう。また、畝の通路に防草シートを敷くことや農耕地用の除草剤を使用することも有効です。
病害虫と聞くと少し怖いですよね。しかし、病害虫に対して適切に処理することでまん延を防ぐこともできます。「ナス栽培の生理障害・病害虫管理」にナス栽培の主な生理障害、病害虫をまとめました。症状などと照らし合わせながら、適切な対処を行いましょう。
白ナスの収穫作業
開花から15日〜20日ほどで収穫することができます。その品種の標準的なサイズや好みのサイズになったら、収穫しましょう。
ナスは、昼間に光合成で作った養分を夜間、実に蓄えるので、早朝に収穫すると良いです。果梗の部分を収穫バサミなどで切って収穫します。
白ナスについても同様の収穫方法で問題ありません。収穫したら、なるべく早く料理に使うとみずみずしさを残したまま美味しく食べることができます。
更新剪定(更新せん定)のやり方
ナスは更新剪定をすることによって、9月〜11月頃まで収穫することができます(いわゆる、秋ナスと呼ばれるものを収穫できます)。白ナスのプランター栽培の場合は、そこまで長く栽培することはないと思いますので、ここでは割愛しますが、更新剪定の方法など気になる方は下記の記事をご覧ください。
ナス栽培の生理障害・病害虫管理
ナスを栽培していると、いろいろなトラブルが発生します。しかし、適切な対処方法を知っていれば慌てる必要はありません。代表的な生理障害と病害虫を列挙しますので、参考にしてください。また、各病害虫の詳細については、リンク先の記事をご覧ください
主な病気
- 褐斑細菌病
- 茎えそ細菌病
- 茎腐細菌病
- 青枯病
- 褐斑病
- 黒枯病
- 輪紋病
- うどんこ病
- すすかび病
- 菌核病
- 褐色腐敗病
- 綿疫病
- 灰色かび病
- 褐紋病
- 半枯病
- 半身萎凋病
- 白絹病
- 根腐疫病
- 黒点根腐病
- 苗立枯病