雑草対策で、庭に敷いた防草シート。花や木を植えたい、花壇を作りたいと思った時には、すでに敷いてある防草シートはどのようにしたらよいのでしょうか。ここでは防草シートの上に花壇は作れるのか、また花を植えたいときにはどうすればよいのか説明します。
防草シートの上に花壇は作れるのか
答えは、作ることはできるがおすすめはしないです。防草シートの上に花壇を作るということは、防草シートの上に土を盛り、レンガなどで囲い花を植えるということになるかと思います。
植物の根は、縦や横に伸びて、土から栄養や水分を吸い上げる役割があります。成長にしたがって根が伸びて窮屈になった場合、植木鉢などであれば成長すれば大きな鉢に移せばよいですが、防草シートの上に作った花壇では、シートを突き破ることができなければ、行き場がなくなってしまい栄養を吸い上げることができません。また花壇の周りに土止めとしてレンガやブロックなどを積むときも、土に埋めたり打ち込んだりする必要があります。積んだだけでは、崩れたり土が流れ出てしまう可能性もあります。
防草シートの上に花を植えるときには、防草シートの下に植えてあげるのがおすすめです。はがすのが大変であれば切り取って植えてあげる必要があります。
防草シートを切り取らずに花壇を作るには、レンガなどをモルタルで固めたり土を高く盛ったりと、別の手間がかかります。防草シートを剥がしたくないのであれば、透水性のある防草シートを選んでいるのであれば、防草シートの上にプランターや、植木鉢を置いて育てることもできます。
花壇の作り方
では、防草シートが敷いてある場所に花壇を作る手順について、説明します。
花壇の場所を決めて、防草シートを切り取る
花壇にする場所を決めましょう。育てる植物によりますが、日当たりの良い風通しの良い場所がおすすめです。場所が決まったら、防草シートの上に砂利などが敷いてある場合は、取り除いてから防草シートを切り取り剥がします。
防草シートを花壇の位置に合わせてピン止めする
切り取った防草シートの端は、固定されていません。きっちり固定して、花壇の脇の隙間から雑草が生えないようにする必要があります。
花壇の周りの防草シートは、10㎝ほど余らせてピンで止めます。余った分は花壇の囲いを作るときに処理します。
土を耕す
花壇にする場所は、土をふかふかにする必要があります。防草シートを敷いてある場所は、整地して固めてあるため、30㎝ほど掘り起こし、石や草の根などがあれば取り除いておきます。培養土をいれてならします。必要に応じて、土壌を改良する必要があります。
囲いをつくる
花壇にする場所に土止めとして、レンガや石、ブロック等をつかって囲いを作ります。レンガやブロック等は土止めの役割もするため、倒れないよう半分ほど土に埋めましょう。このときに、防草シートを一緒に埋めておくと、花壇のヘリから雑草が生えるのを防ぐことができます。防草シートが破れたり、隙間が空いてしまう時には、粘着テープでなるべく隙間がないようにすることが大切です。
囲いは、レンガなどはモルタルなどで固定したりする必要があるものもあります。置くだけのレンガや、ガーデンフェンス、フリーデザインエッジなどを使って自分のイメージに合った花壇の囲いをつくりましょう。
置くだけレンガ | ガーデンフェンス | フリーデザインエッジ |
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花を植える
好みの花を植えましょう。
木や花を直接植える場合
大きな木を植える場合などは、いったんはがして土を掘る必要があります。また土壌が植物の生育に合っていない場合も土壌改良が必要ですので、剥がして植えます。その後防草シートは木の部分に切り込みを入れて敷きなおします。
小さなものでしたら、直接防草シートに縦もしくは十字に切り込みをいれて土を掘り起こし、苗を植えつけます。丸く穴をあけると木の周りに、草が生えやすいので切込みがよいでしょう。
グランドカバープランツを植える
農家の法面や畦畔などでは、防草シートで雑草の生長を止めると、斜面が崩れてしまう恐れがあるため、防草シートと併用しグランドカバープランツを植えて、他の雑草の繁殖を抑えるという防除方法があります。
グランドカバープランツとは、地面を覆う(カバーする)植物の総称です。芝生は美しいですが管理が大変なので、それに代わるグランドカバープランツが人気があります。グラウンドカバーには、基本的にはツル植物や匍匐茎(ほふく茎)を持つ匍匐性(ほふく性)の宿根草や低木で、生長が早く手入れの手間がかからない植物が適しています。
グランドカバープランツは多くありますが、代表的なものは「クラピア」で、芝生の10倍の速さで成長し、人に踏まれても問題がなく、被覆密度が高いので、雑草の侵入を抑えることができます。また可愛らしい花も咲かせます。
グランドカバープランツは、防草シートを使わずとも防草効果はありますが、一面を覆うまでに雑草も生えますので、被うまでは草刈りをして雑草を取り除く必要があります。できるだけ早く一面を覆いたいので、多くの株を植えつける必要があります。
防草シートを併用すると、雑草の生長を止めながらグランドカバープランツだけを育てることができるので、植え付けの株も少なく手間も少なく済みます。防草シートの下を根が張って成長するので、防草効果は続きます。
グランドカバープランツを植える場合には、1㎡あたり4~5株程度を防草シートの上から、切込みをいれ植えていきます。浅植えにならないように、しっかり根を土に入れて乾燥させないようにしましょう。根が広がるまでの2~3週間程度は、適度な水やりが必要です。
クラピアと併用するのでしたら、クラピア専用の防草シートもあります。