畑の防草対策には、除草剤も使われますが、特に畑の通路には防草シートが効果的です。この記事では、畑の通路や使わない畑に防草シートを使う場合のおすすめの防草シートや、敷き方、注意点などをわかりやすく説明します。
防草シートを畑で使うメリット
畑の雑草は、野菜等の生育を悪くするだけでなく、病害虫などの被害にあうリスクも増えます。畝にはマルチシートを使って、地熱の調整や、雑草の抑制をしている人も多いのではないでしょうか。
防草シートは、雑草の生える場所に敷くだけで、紫外線を遮断し植物の成長を止めます。手で草刈りをしている人は、草刈の手間が大幅に減ります。除草剤を使っている場合は、使用回数や使用量を減らすことができます。
また、通路に防草シートを敷くことで歩きやすくなり、作業が楽になるというメリットもあります。
防草シートの使い方
防草シートは畑では一般的に、畑の通路に使われます。防草シートは、紫外線にさらされると劣化していきます。そのため農家では、栽培の時期が雑草の生える時期と重なることがおおいため、春から秋に防草シートを敷いておき、収穫後にははがすという方も多くいます。
通年敷く場合には、冬は霜が降りる地域では、霜と一緒にピンが浮き上がってしまいます。防草シートの間に隙間が空いてしまうので、マメにピンを押し込む必要があります。
畑におすすめの防草シート
防草シートは通常、①紫外線遮断率②透水性③耐用年数を考えて選びます。畑の場合は、特に透水性や通気性が高いことが大切です。また通路に使うことから引張強度が高く、すべりにくいものがおすすめ。耐久性が高いものは、コストがかかるので畑で使う場合には、なるべく耐用年数の高いものというよりはコストパフォーマンスのよいものを選びましょう。
農業でよくつかわれるのは、アグリシートやクロスシートともよばれる織物タイプの防草シート。織物タイプは、素材を織り込んでいるので透水性や通気性が良く、縦と横に引っ張られても破けない引張強度が高いといわれます。値段が手ごろなのも魅力です。
防草シートには不織布タイプもあり、スギナなどの先のとがった草の突き抜けに強いのが特徴ですが、耐用年数の高いものは値段が高くなります。
日本ワイドクロス 防草アグリシート
日本ワイドクロスの、織物タイプの防草アグリシートは種類・サイズも豊富で、サイズ加工も可能な防草シートです。
特徴としては、独自の即効透水性加工。ビニールハウスの通路や、畦などでのぬかるみを防止し、泥生え防止としても使われます。素材は、ポリプロピレン・ポリエチレンを使い、耐候安定剤が入っているので耐久性が高くなります。また素材の織り方を工夫して滑りやすくさせています。耐用年数は5年で、1㎡あたり142.53g、厚さ0.5㎜、耐用年数約5年です。さらに2倍の強度がある、強力防草アグリシートもあります。価格は少し高いですが、機能、密度、耐久性ともに高く農家のためにつくられた防草シートといえます。
商品名 | 防草アグリシート | 強力防草アグリシート |
---|---|---|
不織布or織布 | 織布 | 織布 |
サイズ(横幅×長さ) | 0.5m×100m 0.75m×100m 1m×100m 1.5m×100m 2m×100m 3m×100m 4m×100m | 1m×100m 2m×100m 1.5m×100m 3m×50m |
素材 | ポリプロプレン | ポリプロプレン |
カラー | 黒・シルバーグレー・グリーン | 黒 |
耐用年数 | 5年以上 | 5年以上 |
価格(1㎡あたり) | 約180円~218円 | 約187~290円 |
日本農業システム nouオリジナル 国産防草シート
日本農業システムは、農業資材・農業用品専門のインターネットホームセンターで、さまざまな防草シートを取り扱っています。その中でも高コスパで人気があるのはオリジナル製品の「nouオリジナル 国産防草シート」です。
素材はポリオレフィン。ポリオレフィンは内部に炭化水素の2重結合を持った樹脂の総称で、ポリプロピレン・ポリエチレンもポリオレフィンの一種です。1㎡あたり、約120g、厚さは0.4㎜です。耐用年数は約4年です。小さいサイズでも価格が安いので、価格重視の方におすすめ
商品名 | 防草アグリシート |
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不織布or織布 | 織布 |
サイズ(横幅×長さ) | 0.5m×100m 0.75m×100m 1m×100m 1.5m×100m 1.8m×100m 2m×100m |
素材 | ポリオレフィン |
カラー | 黒 |
耐用年数 | 4年 |
価格(1㎡あたり) | 約110円~129円 |
ホームセンターのオリジナル 防草シート
ホームセンターのカインズ、コメリ、コーナン、ナフコなどもオリジナルの防草シートがあります。耐用年数5年程度のものが強度もあるため、おすすめです。
商品名 | ナフコ 高密着防草クロスシート | カインズ 高密度防草シート | コメリ 高密度防草シート ウィードガード | コーナン LIFELEX 高密度防草シート |
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不織布or織布 | 織布 | 織布 | 織布 | 織布 |
サイズ(横幅×長さ) | 0.5m×50m 1m×5m 1m×10m 1m×50m 2m×50m | 1m×5m 1m×10m 1m×50m 2m×25m | 0.5m×50m 1m×10m 1m×50m 1.5m×50m 2m×50m 3m×50m 4m×50m | 1m×10m 1m×50m |
素材 | ポリプロプレン | ポリプロプレン | ポリプロプレン | ポリプロプレン |
カラー | 黒 | 黒、ダークグリーン | 黒 | 黒 |
耐用年数 (ナフコは耐候年数) | 5年 | 4年~5年 | 6年 | 5年 |
価格(1㎡あたり) | 約138円~236円 | 約140円~196円 | 約129円~198円 | 約142円~218円 |
各社のオリジナルの防草シートについては、下記に詳しい記事があります。
畑通路 防草シートの貼り方
畑に防草シート敷くのは、雑草が生える前の冬から春がおすすめです。
手順①除草
草が生えている場合には、除草が必要です。冬などで草が生えていない場合でも、多年草といわれるしつこい雑草は、土中で根が生きています。除草剤をつかった除草がおすすめです。
除草剤には、生えている葉や茎に散布するだけで根まで枯らすものがあります。草が生えている場合には、グリホサート系と呼ばれる除草剤の散布がおすすめです。農耕地で使えるグリホサート系の除草剤を使いましょう。
夏には、多年草の雑草(スギナ・タンポポ・ドクダミなど)が生えていた場合には、土壌処理剤の散布しておくと、雑草の発芽を抑えることができます。畑の土壌処理剤には、ゴーゴーサン細粒剤Fや、トレファノサイド粒剤2.5などがあります。適用表で確認してから使いましょう。
ゴーゴーサン細粒剤F | トレファノサイド粒剤2.5 |
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方法② 整地
草の根や石などは取り除き、できるだけ表面を平らに整地してならしてください。通路はしっかり足で踏み固めましょう。凸凹があると、防草シートに隙間ができてそこから雑草の種が入り込んでしまいます。
方法③ 防草シートを設置する
整地が終わったら、防草シートを設置していきます。
- 防草シートを広げて、仮置きします。
- 専用のピンで、シートの端を1m置きに止めます。
- 一列で足りないときには、防草シートを重ねて並べていきます。防草シートと防草シートは隙間をつくらないために10㎝ほど重ねて並べます。
- 重ねた場所も1m置きに、専用のピンで打ち込んで固定させます。
- 3~4を繰り返し、防草シートを敷き詰めます。
- 防草シートの幅が1mの場合は端を止めるだけで1m間隔でピンが撃ち込まれていますが、2mでしたら真ん中にピンを打ち込んでいきます。
- 防草シートが重なっている部分は、ピンの上から粘着テープを張りさらに固定させます。
- ピンの穴の部分から、草が生えてくることもあるためピンの上も、粘着テープ被うのが基本ですが、冬に張り替えるのであれば手間がかかるので不要です。
ピンについて
防草シートは、ピンで固定して使います。畑などでは、土がやわらかいのでピンが抜けやすくなります。形状はU字型やコの字型のものが2本で固定するため、抜けやすくなります。また安価なピンは15㎝程度のものが多いのですが、できれば30㎝ほどあるものを選ぶとよいでしょう。
ワッシャー(押さえ板)があると、固定力が増します。しかし通路などでは引っかかることもあるので、場所に合わせて使い分けるとよいでしょう。
使わない畑 防草シート
畑の通路では、耐用年数5年程度のクロスシートをおすすめしましたが。使わない畑などに、防草シートを敷く場合には、耐久性の高いものがおすすめです。
毎年使わない畑の草刈りを行うのは重労働です。除草剤を撒くのも労力もコストもかかります。しっかり除草し、整備をした後に耐久性に高い防草シートを敷けば、露出して敷いたとしても10年ほど持ちます。織布タイプのクロスシートは、スギナやチガヤなどは、防草シートを突き破って成長してしまうこともあります。
できれば、不織布タイプの耐用性の高いものを選びましょう。おすすめは、デュポン社のザバーン350Gです。ザバーンの耐用年数は曝露状態で、10年~15年以上と長く、高密度で防草効果の高い防草シートです。