雑草の発生を防いでくれる防草シートは、砂利と組み合わせて使うことで、耐久性を伸ばすだけでなく、庭をおしゃれにすることもできます。
しかし、どのような防草シートや砂利を使ったらいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。この記事では、防草シートや砂利の選び方やおすすめの製品についてわかりやすく説明します。
防草シートの選び方
防草シートを選ぶポイントは、遮光率・強度と耐久性・透水性の3つです。ホームセンターやダイソーなどの100円ショップでも購入できる防草シートはこの3つの特徴を踏まえ選ぶとよいでしょう。
遮光率
防草シートは、植物から光を奪い、光合成を行えなくさせることにより、草が育たない環境をつくりだしています。
そのため、第一には、遮光性が高いことが重要です。真夏の強い日光で、光合成を完全に阻害するまでの遮光率は、99.5%以上と言われています。
強度と耐久性
雑草は、地面の下から、上に向かってはえるため、防草シートには、光を通さないことに加えて、土壌から生えてくる雑草を貫通させない、物理的な強度と耐久力が必要になります。
オオバコやナズナ、ドクダミなどの雑草は薄い防草シートだと、シートを突き破り繁殖してしまうこともあります。よってシートの厚みと強度が必要です。強度が強いのは「不織布」で厚みがあるものがよいでしょう。
繊維の方向がランダムになった不織布は、織布のものより高密度になると経年変化しても隙間を生みにくく、突き破られにくくなります。また不織布は厚手にし易く、メジャーな防草シートは高密度で厚手なものがほとんどです。
透水性
透水性(水を透すかどうか)も重要です。防草シートは野外で使用するため、水にさらされ続けることで加水分解する材質は劣化も早く、また透水性が低いと水はけが悪くなり、雨が降ると水たまりを作ってしまいます。さらに酸性、アルカリ性に弱い材質も、そうでない材質のものより劣化が早くなります。
素材は、「ポリプロピレン製」のものを選ぶとよいでしょう。ビニール袋などに使われるポリエチレンより透水性が高く、酸性、アルカリ性に強く、ハサミやカッターなどで切断しやすく加工しやすいのも特徴です。
おすすめの防草シート
ここでは、数多くある防草シートの中でも、不織布のもので、とりわけ耐久性、強度、遮光率、透水性に優れたおすすめできるシートをご紹介します。
デュポン プランテックス防草シート(旧名称ザバーン防草シート)
プランテックス防草シートは米国デュポン社(dupont)が開発したポリプロピレン製の特殊不織布です。ザバーン(xavan)という旧名でも呼ばれ、最も有名な防草シート(除草シート)の名称です。
モスグリーン、ブラック色、ポリプロピレン製資材なので、水の浸透率(透水性)は十分で、シートの上から、液体肥料や液剤の除草剤も使用することが可能です。
もちろん不織布かつ多層構造により厚みがあり、雑草の突き抜けや貫通、破れを防止して、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが出来ます。240Gは遮光率は驚きの99.7%!トップレベルの遮光性を誇ります。
商品名 | ザバーン350G | ザバーン240G (プランテックス240BB) | ザバーン136 | ザバーン128 | プランテックス68 |
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概要 | |||||
坪量(g/㎡) | 350 | 240 | 136 | 128 | 68 |
厚さ(mm) | 0.8 | 0.64 | 0.4 | 0.4 | 0.27 |
お知らせ:防草シートの名称変更について|旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ ホームページ
ザバーン(プランテックス)は、上記のように非常に多くの種類があります。防草シートのみの場合は350Gがおすすめですが、砂利を敷く場合は遮光率が低い136、128でも砂利があるため使うことができますが、薄く遮光率も低いので予算が許せばできれば240Gがおすすめです。
プランテックス(ザバーン)はホームセンターにもよく置かれています。貼り方、敷き方は下記を参考にしてみてください。
アストロ 防草シート 1×10m グリーン
こちらは、不織布専門店のアストロが作った防草シートです。ポリプロピレン製なので、透水性は高く、劣化にも強く、もちろん不織布のため、雑草の貫通に強く、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが出来ます。
遮光率が、96.7%と、ザバーン防草シート240Gよりは劣りますが、その分単価は、10㎡あたり約2000円弱と、ザバーン防草シート240G(10㎡あたり約4000円強)よりも半額以下で購入することができます。多年生の雑草が既に生い茂ってしまった場所や、隣が雑草だらけで種子が飛来するような場所でなければ、このアストロシートでしっかり防草できます。
また、1ロールのサイズが「1×2m」「1×3m」「1×5m」「1×10m」「1×20m」の中から選ぶことができるので、必要な量だけ購入することができ、限られたスペースで使用でき、コスト的にも魅力的な商品です。
キンボシ 超強力防草シート(黒)
創業149年の農業、園芸会社であるキンボシが販売する、日本製のハイクオリティな防草シートです。ポリプロピレン製なので、透水性は高く、劣化にも強く、高密度不織布のため、雑草の貫通に強く、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが出来ます。
また、驚くべきは、遮光率99.9%!耐久性、耐候性にも優れる最高レベルの防草シートです。
砂利の選び方
全ての防草シートは、むき出しで使用していると、紫外線で徐々に劣化していきます。防草シートを長期間使用するためには、防草シート下地にして、玉砂利や砕石、バークチップ、ウッドチップや人工芝を敷いて紫外線を防ぐことが重要になってきます。
砂利には他の素材に比べ、比較的安価で多くの種類があるので、自分の好みに合った砂利を選ぶこともできます。ここでは場所別に、砂利はどのように選んだらいいのか説明します。
庭(通路)
庭先でもよく人が通る場所では、歩きやすいことも重要です。1.3㎝~2㎝程度の小さめの石がおすすめ。厚みは最低3㎝、できれば5㎝ほど敷くとよいでしょう。石の種類は、玉砂利より石の種類としては砕石やクラッシャーランと呼ばれる、人工的に砕いた石がおすすめです。細かい石はザクザクと音がするので、防犯にも役立ちます。
庭(ほとんど歩行しない)
人や自転車などの出入りがない場所では、デザイン性を重視して選ぶことができます。厚みは石の大きさによって変わります。小さい砂利は、あまり厚みがなくても防草シート全体を覆うことができますが、大きな砂利では、隙間ができてしまうのである程度の厚みが必要です。小さめの砂利では3㎝程度、中くらいの砂利では5㎝ほどが目安です。
色や形によってイメージが変わります。砂利は白色・ピンク色・黒色・茶色系など豊富です。ネットでもリフォームや新築などで砂利をつかったお庭の紹介がありますので、自分の好みに合った砂利を探してみてください。
駐車場
駐車場は車の出入りがあるため、石が飛びやすく移動しやすい場所です。そのため石は小さいと飛びやすくなりますし、厚みがないと防草シートが砂利からでてしまいます。
駐車場の砂利には、サイズは2㎝~4㎝ほどの中ぐらい、厚みは、10㎝程度、最低でも7㎝は必要です。石の種類としては砕石やクラッシャーランと呼ばれる、人工的に砕いた石がおすすめです。石が角ばっており、車の移動などで力が加わり踏み固まっていくため、石が飛びにくくなります。
花壇
庭の花壇にはウッドチップなどが使われることが多いですが、砂利も使うことができます。庭に花壇を作ったけど、植物を植えなくなってしまった。または近所の猫が粗相をしてしまうなどの時などにも、砂利はおすすめ。
すでに木などが植えられている場合は、防草シートに切り込みをいれて周りを囲いましょう。育てている植物がなければ、好みに合った砂利を敷き詰めます。植物がある場合には、あまり重い砂利は根を傷める原因ともなります。できれば軽量の砂利がおすすめ。防犯砂利なども人工的に作られた軽量の砂利のものが多いので、おすすめです。
まとめ
砂利は人工芝やウッドチップなどに比べ、安価で様々な色もあり和風や洋風など場所により自分のイメージに合わせたお庭にできます。きちんと手順を踏めば自分で設置も可能です。ぜひ防草シートと砂利を使って、めんどうな草むしりから解放されてください。
防草シートと砂利の設置方法は、下記の記事も参考にしてください
農家webには、このほかにも防草や除草についての記事が多くあります
防草シートと砂利のまとめ記事はこちら