この記事では、スイレンに適したおすすめ肥料と施肥の時期・やり方など、網羅的に紹介します。
睡蓮肥料 元肥に適したおすすめ肥料
睡蓮の元肥には緩行性肥料、遅効性肥料がおすすめです。しっかりと用土に混ぜ込むことが重要です。この中でも初心者の方にも扱いやすいおすすめ肥料をご紹介します。
ハイポネックス マグァンプK (大粒・中粒)
ハイポネックスジャパンが販売する元肥用の定番の粒状肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていて、元肥に申し分ありません。土にしっかり混ぜて、大粒で約2年、中粒で約1年、生長効果が持続します。マグァンプK 小粒は追肥に有効です。
プロトリーフ 睡蓮の肥料
スイレンの生長に必要な栄養素である窒素(チッソ)、リン酸(リンサン)、カリ(カリウム)がバランス良く配合された肥料です(N-P-K:10-10-10)。カルシウム(Ca)も含まれており、睡蓮定番の肥料となっています。肥料の効果は約70日間続きます。
睡蓮肥料 追肥に適したおすすめ肥料
元肥と同じように、用土にしっかりと植え付けるようにしてください。手に入りやすくおすすめの肥料は、下記の商品です。
プロトリーフ 睡蓮の肥料(固形肥料)
元肥でも使える肥料として紹介した商品です。スイレンの生長に必要な栄養素である窒素(チッソ)、リン酸(リンサン)、カリ(カリウム)がバランス良く配合された肥料です(N-P-K:10-10-10)。カルシウム(Ca)も含まれており、睡蓮定番の肥料となっています。肥料の効果は約70日間続きますので、2〜3ヶ月に1回程度の追肥で良いでしょう。
ハイポネックス原液・ハイグレード原液(液体肥料)
液体肥料(液肥)国内トップシェアを誇るハイポネックスの定番液体肥料です。ハイポネックス原液は、「三大要素(窒素、リン酸、 カリ)」の他、マグネシウムやカルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素を最適のバランスで配合された液体肥料(液肥)で、水で薄めて使います。
ハイポネックス原液の他に、ハイポネックスハイグレード原液というシリーズもおすすめです。
睡蓮(スイレン)の施肥の時期、与え方
肥料のやり方のポイント
睡蓮は、用土から水位を株元から5~20cmほどに保って育てる水生植物です。このため、固形肥料を追肥する場合は、水に沈むタイプでければ睡蓮の株元に栄養を届けることができません。
植え付ける際には、用土に元肥として緩効性の固形肥料を混ぜ込みます。睡蓮の用土は、田んぼのような粘着性のある田土が最適です。赤玉土の小粒もしくは田んぼの土で植え込むのがいいでしょう。用土は良く練って、植え込む際に元肥用の固形肥料を混ぜ込みましょう。
追肥は、しっかりと水に沈むものを選んでください。池とかでなく、小さい鉢、水鉢、金魚を飼育するような鉢の場合は液体肥料(液肥)でも大丈夫です。
肥料を与える時期
温帯性スイレンは初夏と秋、熱帯性スイレンは初夏から秋まで緩効性肥料を施します。目安としては、元肥をしっかり行っている場合は、上記期間にで2〜3週間に1度、少量を追肥します。
肥料にまつわる注意点
肥料はやり過ぎない!
よくある失敗が、肥料のやり過ぎです。ついつい、元気に生長して欲しいと思い肥料をあげてしまうのですが、肥料のやり過ぎは肥料やけを起こして、しおれて枯れる原因になってしまいます。
休眠期には肥料をやらない!
休眠期は活動を止めるため、その時に肥料を与えると、肥料が過剰になり、肥料やけを起こしてしまいます。翌年の花芽の成長に大きな影響を及ぼすので、先述したスケジュールを確認し、くれぐれも休眠期に肥料は与えないようにしてください。
肥料は混ぜない!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
スイレンとメダカが一緒!肥料をやっても大丈夫?
本当はメダカ鑑賞用の水槽などでは肥料をやらないほうが良いでしょう。しかし、肥料をやらないと水槽のスイレンなどが養分不足となって枯れてしまいます。どうしても肥料をやりたいときにはどうすれば良いのでしょうか。
適量が土にしっかり埋め込まれている限りは、肥料の養分が少しずつ溶けてもメダカなど生き物に多大な影響を与えることは少ないと思います。ただし、使う肥料や肥料の成分、水槽の水量などによっては悪影響が出やすい場合があります。特に水量は重要で、水量が少ない場合には肥料が溶け出したときに水中の養分濃度が高まってしまうため、控えたほうがよいでしょう。
もし、メダカなどの生き物がいる環境で施肥をする場合、下記のことに注意しなければなりません。
- 生き物に影響が出づらい固形肥料(特にコーティングなどが施され、ゆっくりと溶け出す緩効性もの)を使用する。
- 肥料は少なめからやり始める。いきなり、多量の肥料をやらない。
- 肥料濃度が睡蓮に悪影響が出るくらい、肥料をやり過ぎない。
- 固形肥料が埋め込まれずに、水中に漂わないようにしっかり埋め込む。
メダカは、水中の害虫・ボウフラを駆除し、水質を綺麗に保ってくれる生き物なので、是非とも活用したいですね。生き物と睡蓮や蓮(ハス)といった水生植物、水草、藻などを融合させて庭にビオトープ を作る方も増えています。スイレン以外の動植物にも影響を与えないように肥料のやり方には気をつけましょう。
スイレンを育てる環境は?水について
睡蓮は水生植物なので、水に満たされた状態でないと枯れてしまいます。特に夏場は水が切れないようにし、水に浸る枯れた浮き草や花がらをこまめに摘み取り、水が腐らないように注意しましょう。
睡蓮の栽培作業を簡単に紹介!植え付け・株分けについて
植え付け
鉢底が開いている小さい鉢に田土と赤玉土を混ぜ、元肥をします。その後、スイレンの苗を土ごとポットや容器から外し、鉢に植え込んだあと、隙間を赤玉土で埋めます。
その鉢を大きな水鉢に沈め、用土から水位を株元から5cm~20cmに保ちます。
株分け
補足:睡蓮(スイレン)の種類
睡蓮は、「熱帯性スイレン」と「温帯性スイレン」の2つに分類されます。
熱帯性スイレンは、主に熱帯アフリカ、南米、オーストラリア、熱帯アジアなどの熱帯地域が原産です。紫など多彩な花色が特徴ですが、耐寒性がありません。
温帯性スイレンは、熱帯性スイレンほど多彩な花の色はないものの、花形は豊富で、晩春から花を咲かせます。耐寒性があるため、日本では野外で越冬することも可能な品種です。
熱帯性スイレンと温帯性スイレンの日本における栽培のスケジュールを簡単にまとめました。日本と言っても、気候が各地域で異なりますのでこれを参考にその地域に合った栽培のスケジュールを考える必要があります。基本的に熱帯性スイレンの場合は生長期(植物が活発に生育する時期)が短く、温帯性スイレンの場合は生長期が長いです。植え付けも温帯性スイレンは春頃からできますが、熱帯性スイレンは温帯性スイレンよりも1ヶ月くらい遅らせたほうが良いでしょう。