安全性が高く、キワ刈りにも便利なナイロンコードは初心者にも使いやすく、プロの農家の方にもよく使われています。
この記事では、ナイロンカッターを初めて使う人にもわかりやすく、ナイロンカッター・ナイロンコードの基本から選び方、ナイロンコード式の草刈機や使い方のコツまで、まとめています。
ナイロンカッターの特徴
ナイロンカッターの仕組みは、草刈機(刈取機)にヘッドにチップソーなどの刃の代わりに、ナイロンカッター本体取付します。その部分に引っ掛けて使う消耗品のコード(ナイロンコード)が高速で回転することにより、雑草を粉砕する仕組みです。
チップソーなどの金属刃は、刃が障害物や地面にあたると、回転方向と反対側に刈刃がはねてしまうキックバックという現象が起き、とても危険です。キックバックが起こりにくい安全な刃として、紐状のナイロンコード開発されました。
ナイロンカッターは、安全性が高く、障害物の近くのキワ刈りにも使えるので初心者の人でも使いやすい刃です。しかし硬い草は苦手で、ヒモが高速回転するため小石や草が飛んできやすいというデメリットもあります。
ナイロンカッターの種類
ナイロンカッターには、コードの挿し込み方によって「差し込み式」と「繰り出し式」があります。
「差し込み式」はあらかじめ適当な長さき切られたナイコンコードを、ナイロンカッターのリールに差し込んで使います。それに対し繰り出し式は、ナイロンコードをボビン上のリールに巻き付けて、セットしておき、コードが消耗したらリールから繰り出して伸ばして使うことができます。
コードが摩耗して短くなったら、手で自分で出す「手動タイプ」や、遠心力で自動で繰り出され、常に最適な長さを維持してくれる「自動式タイプ(フルオート)」、本体の底にあるタップを床に叩くことでコードが伸びる「半自動タイプ(タップ式)」があります。
ナイロンカッターおすすめ
ナイロンカッターには、それぞれメリット、デメリットがあります。繰り出し式が便利という方もいますが、差し込み式の方がコードのトラブルがなくて楽というかたもいます。
種類 | メリット | デメリット | 商品 |
---|---|---|---|
差し込み式 | ・軽い ・コードを巻く手間がない | ・コードが消耗したら交換が必要 ・差し込み用コードは巻き型より割高 | |
繰り出し式(手動) | ・自分で長さが調整できる ・コスパがいい | ・草刈り中に、動力をとめて引っ張り出す必要あり ・事前にコードを巻いておく必要がある ・内部で癒着したり絡んだりすると途中できれるため、まき直しが必要 | |
繰り出し式(タップ式) | ・自動で長さが調整できる ・草刈り途中で手をとめることなく、 自分のタイミングでコードがだせる | ・タップ部分が壊れやすい ・タップ部分が厚みがあるため、地面 スレスレには切れない ・事前にコードを巻いておく必要がある ・内部で癒着したり絡んだりすると途中できれるため、まき直しが必要 | |
繰り出し式(フルオート) | ・自動でコードが、常に最適な長さで 作業中の処理が全く不要 | ・自動で長さが調整できない ・事前にコードを巻いておく必要がある ・内部で癒着したり絡んだりすると途中できれるため、まき直しが必要 ・価格は高め |
おすすめの商品については、詳しい記事もありますのでそちらも参考にしてください。
ナイロンコード
ナイロンコードの種類
ナイロンコードの切れ味は、形状に大きく影響します。コードの形状はスパイラル、丸型、角型(三角、四角)、スパイラル、ツイスト、スクリュー型、鋸(ノコギリ)、鮫牙型(ソーブレードナイロンコード)などがあります。
また耐久性を上げるために、素材に金属を含有したチタニウムナイロンコードや、メタリックコードなどもあります。
- 「丸型」は特に安全性が高く、耐久性に優れています。
- 「角形」は丸型よりも切れ味に優れています。
- 「スパイラル、ツイスト、スクリュー型」は螺旋状に紡糸されていて、耐久性、切れ味、静音性に優れます。
- 「鋸、鮫牙型」は、他の型と比較して耐久性や切れ味に非常に優れています。
ナイロンコード おすすめ
ナイロンコードはコード形状・素材によって切れ味・耐久性・静音性に差がでます。太いナイロンコードの方が、耐久性も切れ味もよいですが、エンジンに負荷がかかるため自分の草刈機にあったものを使いましょう。
耐久性を求めるのであれば、形状は丸形が負荷がかかりません。またチタンなどの金属がはいったものがおすすめです。
切れ味を求めるのであれば、ノコギリ型とよばれる刃にエッジがたくさんはいったものがよいでしょう。充電式草刈機など、庭先などで使う場合には近隣の迷惑にならないように、静音性があるものツイスト・スクリュー型になっているものは、切れ味や耐久性にも優れます。
その他詳しい商品別の説明は、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
草刈機の排気量とナイロンコードの関係
切れ味や耐久性を求めるのであれば、太いコードを使いたいところですが、ナイロンコードはチップソーより、その特性上パワーが必要です。
ナイロンコードカッターは雑草に当たって引きちぎることで刈り取る仕組みなので、スパッと切れる金属刃と違って、パワーが要ります。この仕組みから、高い回転数を維持しないと草を引きちぎり続けることができず、回転数が落ちると絡まってしまいます。このため、金属刃よりも高い回転数を維持し続けるパワーが必要になるのです。
基本的にはナイロンコードの太さは、草刈機の排気量×1.0㎜が目安です。ナイロンコードの出す長さを短くすることで負荷が軽くすることもできます。草刈機(刈払機)の説明書などをよく読んで使いましょう。
ナイロンコード式 草刈機
エンジン式の草刈機(刈払機)はほとんどがチップソーの刃のかわりに、ナイロンカッターを取り付けることでナイロンコードが使えるようになります。
充電式草刈機や家庭用草刈機には、ナイロンコード専用のものやナイロンコードが基本のものもあります。ナイロンコードをメインに使う方には、こちらを選ぶとコードの太さやナイロンカッタ選びに悩むこともありません。その草刈機(刈取機)のパワーにあったナイロンコードがついているので、パワー不足で使えないということもないので、比較的安価なモデルも多いので庭先であれば充電式草刈機でも十分に使うことができます。
マキタ
マキタ(makita)は世界有数の電動式工具メーカで、さまざまな電気工具が販売されています。マキタの草刈機(刈取機)はほとんどが別売りのナイロンカッターをつけることでナイロンコードを使うことができます。
18Vのリチウムバッテリーをつかった充電草刈機は、家庭用の草刈機としてはパワーは十分でバッテリーに汎用性もあることから人気です。
工進
工進(koshin)はエンジンポンプ部門で世界1位を誇る、京都に本社を置く非常に優れたメーカーです。エンジンポンプ、水中ポンプなど様々なポンプを展開しているだけでなく、農業分野でも噴霧器や草刈機も取り扱っています。
工進には、ナイロンコードが元々の刃として使われているのは、手押し式の草刈機です。比較的値段もリーズナブルですので、手押し式の草刈り機でナイロンコードを使いたい人にはこちらの記事も一度お読みください。
ボッシュ
ドイツの電動工具メーカー「ボッシュ」の草刈り機は、DIY製品として家庭用の草刈りとして人気が高く、手軽で使いやすいのが魅力です。
充電式草刈機や電動草刈機があります。
ナイロンコードで草刈りをするコツ
ナイロンコードは遠心力出回ったコードの先端部分で草を粉砕します。また高さのある草が苦手。この特性を考えて草刈機を動かすのがコツです。
- 草刈機のヘッドは大きく振らずに先端3㎝~5㎝の部分に当てる
- 地面から少し浮かせて、少し斜め(30℃ほど)に角度をつけて左右に動かす
- 高さのある草には、一度で切ろうとせず、上部から粉砕していく
- 草が密集していると回転数が下がります。回転数が下がったら少し上に浮かせて上下に小さく上げ下げすると回転数が維持できます。
このほか、コードが絡まる、消耗が早いなどの問題もあります。それぞれの悩み別のコツについてはこちらの記事に細かく説明しています。
ナイロンコード交換方法・巻き方
ナイロンコードカッター自体の取り付け方は金属刃と同様に、草刈機(刈払機)にボルト、ワッシャー、カッターホルダーで挟み込むようにスプール本体を取り付け、しっかりボルトを固定することがほとんどです。
ナイロンコードが消耗し、なくなった場合は、取り替え用のナイロンコード(ナイロン製の紐)を購入し、スプールに巻いて取付けることになります。
スプールのボビンに巻いての取り付けはそんなに難しくはありません。ナイロンコードをそのカッターに適切な長さで切り(目安は1.3 〜1.5m)、コードの片方をU字型にして、ボビンの中央のくぼみに引っかけます。そして、引っかけたナイロンコード(紐)をボビンに強く巻きつけていきます。ナイロンコードは硬い上に弾力性があるため、U字部分を引っ掛けたり、その後巻きつけていく作業は少し経験が必要になります。巻いた後はロータを回転させ、きちんと動くかどうか確認しまょう。
メーカー別の交換方法については、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。