田んぼの畔の草刈りは、重労働で足場の悪い法面の草刈りは、危険も伴います。この記事では、アゼの草刈りのポイントや、おすすめの畔草刈機についてまとめています。
畦畔の除草
畦畔(けいはん)の除草は、労力がかかり農家の悩みの一つでもあります。畦畔の雑草は、大きくなりすぎると景観を悪くするだけでなく、害虫(カメムシ)の発生にもつながります。しかし、畔は雑草の根が張ることにより、畔を維持しているため、安易な除草剤の利用は、畦畔や法面が崩れる原因ともなります。
そのため、畦畔の雑草は草刈りで行っている人が多いのではないでしょうか。鎌や刈払機での除草は、労力もかかるだけでなく危険も伴います。刈払機で斜面を草刈りする場合には、安全性に注意しましょう。下記に「刈り払機での草刈りの方法」を記載しておりますのでそちらも参考にしてください。
安全性や、労力の軽減には、畦畔草刈機(畦草刈機)がおすすめ。畔の上部や側面を同時に刈ることができる二面刈りタイプや、急で長い法面(斜面)を刈ることができるタイプがありますので、法面の高さなどに合わせて選ぶとよいでしょう。
また除草剤の種類を選び、適切につかうことで草刈りの手間を大幅に減らすことも可能です。またグランドカバーや、防草シートを使っての防除も効果があります。
畦畔の草刈りのポイント
高刈り
畦畔草刈りは、10㎝~15㎝ほどの高刈りがおすすめ。高刈りの一番のメリットは、カメムシの防除です。
刈払機などで地際で草刈りをすると、成長点が茎の先端にある広葉雑草は枯れ、生長点が株元にあるイネ科植物は、生長点が傷つかないためすぐに伸びてきて、イネ科植物ばかりが生えてしまうという現象がおきてしまい、カメムシの好きなイヌビエやメヒシバなどのイネ科の植物が増えてしまいカメムシが減らない、逆に増えてしまうこともあります。
高刈りをすると、広葉雑草が増えて斑点米カメムシが減るだけでなく、ウンカやヨコバイなどの害虫の天敵であるクモやカエルなども守ることもでき、イネを守ってくれます。また小石なども飛びにくいため、安全に草刈りをすることができ雑草の量も減るので、捨てるのも労力がかかりません。
畦草刈機では刈高が調整できるものがほとんどですので、そちらで調整しましょう。刈払機を使うばあいには、高刈り用の安定板などを使うと楽に行うことができます。
すでにイネ科雑草しか生えていないところには、効果がありません。冬に除草剤などをつかって一度イネ科雑草を駆除してから行うとよいでしょう。
時期
カメムシは、イネ科雑草の穂を好みます。雑草は穂の出る前に刈り取りましょう。またイネの出穂後、穂をつけたイネ科雑草を刈り取ってしまうと、カメムシが水田に追い込まれてしまうため、イネの出穂移行は、イネ科雑草が出穂前に行うことが大切です。
地域により、草刈り禁止区間(出穂期の14日~10日前 地方による)が決められているところもありますので、きちんと情報を収集しイネ科雑草の穂がでないように雑草を管理することが大切です。
服装・靴
草刈機を使う場合は、長袖長ズボンはもちろんのこと、足元はしっかりスパイクの付いた靴や地下足袋などを履き、ヘルメット、ゴーグル、フェイスガード、脛あてなど安全対策はしっかり行いましょう。特に刈払機をつかった、長い斜面の草刈りには注意が必要です。
畦畔におすすめの草刈機
二面刈りタイプ
二面刈りタイプは、一度にアゼの上部と側面を刈り取ることができる自走式草刈機です。側面(法面)が高い場合には、届かない場合もあるのでその場合は斜面草刈機がよいでしょう。
クボタのカルステージや、共立やオーレックのウイングモア―などがあります。
斜面草刈機
斜面の草刈機は、自走式斜面草刈機(スパイダーモア)の他、大型農家などが使うラジコン草刈機、最近では斜面で使える、まるでルンバのようなロボット草刈り機などもあります。