ジャンボ剤は、畔から投げ込むだけで水田全体に広がる便利な除草剤です。この記事では、除草剤のジャンボ剤について、特徴、散布方法や商品、どんな水田にむいているかなどをまとめています。
ジャンボ剤の特徴
ジャンボ剤とは水田除草剤の投げ込み剤の総称で、粒剤・錠剤や豆つぶ剤を水溶性の袋にパック状になっているものです。このパックを灌水した田んぼに投げ入れると、外側のパックが水で溶けて、中の除草剤が表面張力によって水面を溶けながら広がります。
その後3日~4日ほどかけて、田んぼ全体に広がった後に、土に沈殿して、土壌表面に処理層をつくります。この処理層に雑草の芽が触れることで枯らす効果を発揮します。
散布機も不要で、高齢者や女性でも水田に直接入らずに畦から手軽に散布でき、ドリフトがなく周辺作物に対しても安全です。
ジャンボ剤に向いている田んぼ
ジャンボ剤は、水で広がり処理層ができるまでに3日~4日ほどかかります。それまで水深がしっかり持っている田んぼが理想的です。水持ちの悪い田んぼは、処理層ができる前に薬剤が流亡してしまうと、除草剤本来の効果が期待できません。
また平坦な田んぼであることも重要です。棚田などでは薬剤が上から下に流れていってしまうので、効果にむらが出る可能性があります。
ジャンボ剤のおすすめ
水稲の除草剤は、その散布する時期と効果により「初期剤」「中期剤」「後期剤」「一発処理剤」に区分されます。除草剤を効果的に使うためには、必要な時期に、その時期に合った除草剤を使うことが大切です。
区分 | 商品名 | 商品明細 |
---|---|---|
初期剤 | エリジャンジャンボ | |
一発剤 | イネキングジャンボ | |
中期剤 | アトカラSジャンボMX | |
中後期剤 | クリンチャージャンボ |
商品については詳しい記事がありますので、そちらも参考にしてください。
散布方法
ジャンボ剤の使い方はアゼからパックのまま、きれいな水面に均等に投げ込むだけです。圃場面積が30aほどまででしたら、畔からの散布で十分対応できます。畦畔の長さが30mを超える場合には、田んぼの中に入って散布したほうがよいでしょう。
水稲の除草剤を効果的に使うためには、丁寧な耕起・代かきを行って、凸凹をなくし平坦な田んぼにすること。また水の管理が大切です。水口・水尻をしっかり止め、散布後7日間は落水、掛け流しを行わないこと。ジャンボ剤は水深が浅いと薬害がおきたり、うまく移動できなかったりします。散布時には5~6㎝ほどの水深があるとよいでしょう。
水稲除草剤の剤型について
水稲の除草剤には、ジャンボ剤の他、粒剤・豆つぶ剤・フロアブル剤などの多くの剤型があります。剤型で効果に違いはありませんが、特性に合わせた使い方をしないと本来の効果を発揮できません。自分の田んぼの環境にあった剤型を選ぶために、剤型の特徴を説明します。
粒剤
粒剤は、手間がかかるが、棚田や・場所によって雑草の生え方に違いがある、水持ちの悪い田んぼにおすすめの剤型です。
粒剤は、昔からある剤型で薬剤は地面に定着してから処理層が広がり、水中であまり移動しません。そのため均一に聞かせるためには散粒機で、田んぼ全体に満遍なく散布する手間がかかります。
ただしその特性のため、散布後の雨で有効成分が流亡することもすくなく、棚田などでは薬剤が上から下に流されることもないため、効果にむらがでることもありません。また薬剤も自分で調整できるので雑草の多い場所に多めになどの調整も可能です。
豆つぶ剤
豆つぶ剤は、粒剤でアゼからひしゃくや手などで、直接散布するだけで、水面に浮かんで拡散。大きな田んぼでも簡単に遠くまでで飛ばせます。
豆つぶ剤と、ジャンボ剤と同様に、あぜ際から、ひしゃくなどを使って、水面にまくだけで水面を移動して拡散する便利な剤型です。計量する手間はかかりますが、大きな田んぼなどではジャンボ剤を田んぼの真ん中まで、投げ込めないため田んぼに入る必要があります。その点、豆つぶはひしゃくでまけば10m程度まで飛ぶため、1haほどの田んぼならアゼ際からの散布で中央まで薬液が届くでしょう。
水面に広がる性質上、藻やごみなどの障害物があると拡散が悪くなります。また剤が一度溶けてから3日~4日かけて沈殿するので、水持ちが悪い田んぼではうまく拡散しないこともあります。
フロアブル剤
フロアブル剤は、粘着のある液体で希釈せずにアゼ際から散布する、水口からの流し込みも可能な剤型です。
フロアブル剤は、散布後一度沈殿した後に水に溶けだして、広がり数日間かけて沈殿します。幅30mほどの畑であれば、アゼから散布するだけで全体に広がります。また水口から流し込みも可能なので、用水が豊富であれば簡単に散布が完了します。
水面に広がる性質上、藻やごみなどの障害物があると拡散が悪くなります。また剤が一度溶けてから3日~4日かけて沈殿するので、水持ちが悪い田んぼではうまく拡散しないこともあります。
この他農家webには水稲の除草剤の記事が多くありますので、そちらも参考にしてください。