グリホサート系除草剤は多くの製品が販売され、世界中で一番多く使われている除草剤です。この記事ではグリホサート系の除草剤について、グリホサートの効果や使い方、代表的な商品や安全性についてまとめています。
グリホサートの特性
除草剤のタイプ
除草剤は簡単に2パターンに分けられます。土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」です。茎葉処理剤には、薬液がかかった葉茎のみからすタイプと、葉や茎から吸収移行して根まで枯らすタイプがあります。
グリホサートの、除草剤のタイプは「茎葉処理剤」で、グリホサート成分は吸収移行して根まで枯らす効果があります。非選択性(どんな植物にも効く)のため、農業に使用する場合など、散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。
グリホサート系除草剤の商品
グリホサート系の除草剤はたくさん販売されています。代表的なグリホサート系の除草剤を農耕地用と農耕地で使えない非農耕地用・家庭用の除草剤について紹介します。
農耕地用
農耕地に散布できる除草剤は、農薬取締法に基づき国に農薬登録をされている除草剤でなければなりません。農薬として登録された除草剤のパッケージには[農林水産省登録第○○号]と表記されています。下記が農耕地用に使える代表的な製品です。ラウンドアップマックスロードは希釈済みのAL剤は農耕地では使えないので注意しましょう。
商品ごとの説明は、下記の記事に詳しく書いてありますので参考にしてください
非農耕地用・家庭用
非農耕地用や家庭用・農薬として使用できないとかかれているものは、農耕地では使えません。こちらは農薬登録自体されていないものや、農薬登録されていても適用作物が「農薬登録されているものも、適用作物名が「樹木等」となっている除草剤は、適用場所が「公園、庭園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地など」に限られており、農耕地では使えません。
一方で農薬登録されていない登録外除草剤も販売されています。農薬登録の手続きをとっていないため、作物等の影響を調査していない可能性もあります。これらの除草剤は2019年3月に「農薬として使用できない」旨の表記が義務付けされています。
商品名 | ネコソギロングシャワーV8 | アースカマイラズ | アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 | 早く効いて根まで枯らす除草剤 |
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概要 | ||||
販売元 | レインボー薬品(株) | アース製薬(株) | アイリスオーヤマ | トムソンコーポレーション(株) |
有効成分 | グリホサート イソプロピルアミン塩 | グリホサート イソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 + MCPA | グリホサート イソプロピルアミン塩 + MCPA |
農耕地使用 | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
グリホサートの欠点
グリホサート系の除草剤は、世界中で使われている便利な除草剤ですが、万能ではありません。下記のような欠点もあります。
- 葉茎処理剤なので、葉や茎にしっかりかからないと効果が出ません。
- バスタなどのグルホシネート家に比べ「遅効性」で効果の発現に3 ~ 7日、そして完全な効果に10日~ 2カ月ほどを要します。
- スギナなど、グリホサートが効きにくい雑草が存在します。
- 散布後すぐに降雨があると効果が弱くなります。
欠点や欠点を克服する対策については、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください
グリホサート除草剤の使い方
ラウンドアップマックスロードは、通常茎葉散布して使います。ほとんどの雑草は、生長した雑草の茎葉にジョウロや、噴霧器で散布して使います。希釈して使うタイプは水で希釈して使います。すでに希釈してあるものも多く販売されていますが、大抵注ぎ口がシャワータイプになっているので、そのまま散布することができます。
原液はこのほか、雑草や木に直接薬液を注入したり、塗布して使うこともできます。詳しい使い方はその除草剤のラベルをよく読んで使いましょう。グリホサート剤のラウンドアップの使い方の記事がありますのでそちらも参考にしてください。
雨の影響について
グリホサート除草剤は、茎葉処理剤です。茎葉処理剤は、散布された薬剤に接触した部分の植物組織だけを枯らします。このため、散布後すぐに雨が降ると、雑草に付着した薬液が流れるため、効果がなくなることがあります。散布後すぐに雨が降りそうな天気予報のときは、散布を避けましょう。
目安としては、グリホサート系、グルホシネート系、その他の除草剤も、「散布後、6時間過ぎた後」 であれば雨の影響を受けなくなり、効果は持続します。しかしながら、最近のグリホサート系除草剤は、ラウンドマックスロードやタッチダウンiQのように雨に強くなった商品も多く出ています。
ラウンドマックスやタッチダウンiQのように成分はグリホサートカリウム塩で、従前のグリホサートイソプロピルアミン塩よりも雨に強く、また、界面活性剤の改良や活性成分の吸収力、移行、即効力が大幅に改善して、「散布後、1時間経てば雨が降っても大丈夫」と進化している除草剤もあります。
グリホサートの安全性について
除草剤は、農薬登録番号を取得してある除草剤を正しい使用方法てせ使用すれば、一般に思われているほど危険なものではありません。残留物等も話題になりますが、最もよく使われるグリホサート系除草剤は、安全性は一定レベル担保されていると言えます。
近年はグリホサートの安全性についてさまざまな議論がされています。グリホサートの人体に対する危険性や発がん性物質であるという主張などがされています。詳しい内容や議論については下記を参照ください