除草剤には水で希釈してつかうタイプの除草剤があります。希釈率を間違えると、効果がなかったり逆に薬剤が出てしまう可能性もあります。この記事では除草剤の希釈について、希釈倍率の計算方法や、商品別の希釈倍率、希釈方法などをまとめています。
希釈タイプの除草剤について
除草剤の剤型には液体と、顆粒があります。液体の除草剤は、雑草の種類に合わせて希釈して使います。家庭用などの除草剤にはすでに希釈して販売されているものもあります。
広い場所に使う場合には、希釈して使うタイプが経済的にはおすすめです。除草剤は、その除草剤にあった使い方をすることで効果を発揮します。ラベルに書かれている適用場所・適用雑草に合わせて希釈して使うことが大切です。
ほとんどの除草剤のラベルには希釈倍率が書いておらず、代わりに薬量と希釈水量が書いてあります。作物への薬害を防ぐために、面積あたりの薬剤使用量が重要だからです。慣れている農家の方はわかるかもしれませんが、初めてみると少しわかりにくく感じるかもしれません。
除草剤希釈倍率
ラウンドアップマックスロードの適用表です。使用量に薬剤(除草剤の原液)と希釈水量が書いてあります。希釈倍率は、希釈水量から薬剤を割れば計算できます。薬量や水量の間がある場合は、一般的には一番濃度を高くして散布することが多いです。
例えばスギナには、通常散布で希釈水量は50ℓ、薬量は2,000mℓまで使えるので、50ℓ(50,000ml)÷2,000mℓ=希釈率は25倍です。
希釈倍率と希釈表については詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
商品別の希釈倍率と希釈方法について
ラウンドアップ
ラウンドアップマックスロードは、グリホサート系の最もメジャーな除草剤です。茎葉処理剤で、葉や茎に散布するだけで、根まで枯らす効果があります。ラウンドアップマックスロードAL剤と後ろにALとついているものは、すでに50倍ほどに希釈されています。
通常の使い方は、100倍(水1ℓに薬液10ml)に希釈して使います、しつこい多年生雑草には50倍(水1ℓに薬液20ml)、スギナには25倍(水1ℓに薬液40ml)に希釈して使います。希釈方法は、薬剤を先にいれてから水を入れると泡立ってしまうので、水を半分ほどいれてから薬液をいれ、さらに水を足すとよいでしょう。
バスタ
バスタは、グリホシネート系の除草剤です。茎葉処理剤で、葉や茎に散布すると薬液がかかった部分を枯死させることができます。速効性に優れていますが根まで枯らす効果はありません。
バスタの希釈倍率は、1年生雑草には200倍(水1ℓにつき薬液5ml)、多年生雑草には150倍(水1ℓにつき薬液7ml)、スギナには100倍(水1ℓにつき薬液10ml)です。希釈方法は、薬液を先に入れて水を入れると泡立ちしますので、水をいれてから静かに薬液をいれるとよいでしょう。
2,4-D「石原」アミン塩(24d)
2,4-D「石原」アミン塩はホルモン・吸収移行型の茎葉処理剤です。吸収移行性を持っているため根までからすことができます。広葉雑草によく効き、イネ科雑草には効果が弱いことから、芝生を枯らさず、芝生に生える雑草を抑えてくれる優れれた選択制除草剤で、芝生用雑草剤として人気があります。
24dの希釈率は、日本芝の1年生及び多年生広葉雑草には200倍~300倍、センチピードグラスの1年生雑草及び多年生広葉雑草は、333~1000倍です。
プリグロックス
プリグロックスは、水田畦畔、畑作に幅広く使える除草剤で葉茎処理剤です。散布1日で効果が早く出る除草剤で、吸収移行性がないため根までは枯らすことはできません。畔などでは根まで枯らすと、畔が崩れる恐れがあるため、プリグロックスのような除草剤がおすすめです。
移植水稲の一年生雑草の希釈率は100倍、水田畦畔のスギナなどの多年生雑草の希釈倍率は50倍で散布することができます。
除草剤希釈表
除草剤は、グリホサート系は25倍~100倍、バスタなどのグリホシネート系は100倍~200倍程度に希釈して使われることが多いです。散布する散布機(噴霧器)やジョウロにどれぐらいの量がはいるのか確かめて散布しましょう。
タンク容量 | 25倍希釈 薬液量 | 50倍希釈 薬液量 | 100倍希釈 薬液量 | 150倍希釈 薬液量 | 200倍希釈 薬液量 |
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1ℓ | 40ml | 20ml | 10ml | 7ml | 5ml |
2ℓ | 80ml | 40ml | 20ml | 13ml | 15ml |
4ℓ | 160ml | 80ml | 40ml | 27ml | 20ml |
6ℓ | 240ml | 120ml | 60ml | 40ml | 30ml |
8ℓ | 320ml | 160ml | 80ml | 53ml | 40ml |
10ℓ | 400ml | 200ml | 100ml | 67ml | 50ml |
除草剤 希釈タイプのおすすめ
希釈タイプの除草剤には、茎や葉に散布するだけで根まで枯らすグリホサート系の除草剤や、散布した部分のみ枯れるグリホシネート系の除草剤、芝生の除草剤など多くの種類があります。
多年草が多く生えているには、根まで枯らすグリホサート系の除草剤がおすすめです。グリホサート系の除草剤は多くあり、ラウンドアップやラウンドアップのジェネリック製品のサンフーロンなどがあります。
1年生雑草が多く速効性を求めるのであればグリホシネート系の除草剤も使えます。バスタ、ザクサなどです。これらは農耕地でも使える除草剤です。
希釈タイプのおすすめ商品については、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください