トマトは収穫が長くつづくため肥料を切らさずに育てることが大切です。ここではトマト栽培ではどのような肥料を、いつどのように与えるべきなのか。甘いトマトを栽培するための肥料や肥料の過不足についても説明します。
トマトの栽培に必要な肥料分
トマトの栽培に必要な肥料分は、果実をつけるためリン酸が多く必要と思っている人もいるかもしれませんが、カリウムも多く必要とします。またカルシウムも三大栄養素(窒素・リン酸・カリウム)に並んで大事な栄養素となります。
畑などの地植えでは、化成肥料8-8-8などの3大要素が同じぐらい配合されている肥料をつかい、苦土石灰でカルシウムを補充しておくとよいでしょう。
トマト栽培に肥料はいらない?
よく「トマトに肥料はいらない」と主張されている方に出会うことがあります。結論から言うと、「トマトに肥料は必要」です。ただし、肥料の必要量は、その土壌の肥沃度(植物の生育に必要な栄養素や有機物の豊かさなど)や残肥(土壌の中に残っている肥料)の多さなどによって異なります。
そのため、施肥量は前作の状況(植物がどのように育ったか、どのくらいの肥料を散布したか)や土壌の性質を考えて計算する必要があります。「その土地で育てたことがない」、「トマトは初めて」という場合には、まずは基本にならって、一般的な栽培方法の施肥量をベースに考えると良いでしょう。
トマトの糖度は肥料で変わる?
トマトは肥料を変えただけで甘くなるのでしょうか。残念ながら与えるだけで甘くなると断言できるような肥料はありませんが、有機肥料(有機質肥料)は野菜の味を良くなるといわれています。
それはアミノ酸によるものと考えられています。トマトも有機肥料を使って育てると甘く濃厚になるともいわれます。元肥にアミノ酸を多く含む有機肥料を入れたり、追肥に葉面散布でアミノ酸を追加するのも手軽です。
その他品種や栽培方法で糖度は変わります。甘いトマトを栽培したい場合には、おすすめの肥料や品種、栽培方法も詳しく記載しています
トマト栽培におすすめの肥料
元肥の場合は有機肥料など肥効が長く続くものと一緒に混ぜ込むか、緩効性の化成肥料を使います。
追肥の場合、すぐに効かせたいときは速効性の肥料を、肥効を長続きさせたい場合は緩効性の肥料を使います。緩効性の固形肥料を散布して、草勢を見ながら液体肥料を使うのも一つの手です。
肥料は、化成肥料8-8-8などの3大栄養素が同等に入っている肥料の他、トマト専用肥料もおすすめです。
地植えでは、堆肥や苦土石灰を使って土づくりをすることも忘れずに行いましょう。
トマト栽培に必要なカルシウム肥料について
トマトは、カルシウムが不足すると尻腐れという症状がでます。そのためトマト栽培においてはカルシウムも三大栄養素(窒素・リン酸・カリウム)に並んで大事な栄養素となります。
カルシウム肥料は、元肥には土壌調整に使える苦土石灰、土壌調整が必要ない場合には硫酸カルシウムを使います。
トマトの追肥にはカルシウムが含まれてれている肥料を使いましょう。しかしカルシウムは植物体内の移行性が遅く、乾燥や根の傷み、肥料過多などにより根からカルシウムを吸収できず、欠乏症になることもあります。
そんなときは、直接葉っぱからカルシウムを吸収させる「葉面散布」がおすすめです。液体肥料の「有機キレートカルシウム」や「尻ぐされ防止スプレー」などを使いましょう。
カルシウム肥料については、下記でおすすめの肥料や使い方について詳しく説明しています。
トマトの肥料の与え方
地植えの場合
地植えの場合、元肥は土づくりも一緒に行います。
苦土石灰を苗を植え付ける3週間前くらいに散布し、一度耕うんします。1〜2週間前には、堆肥や緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。そのあとに畝を立てます。
畝に溝を掘り、そこに元肥を入れ込んでおくのもおすすめです(待ち肥)。
第一果房がゴルフボール大(≒ピンポン玉)くらいの大きさになってきたら、追肥を始めます。追肥は半月〜1ヶ月くらいに1回くらいの頻度で良いでしょう。化成肥料の肥効の持続性によっても変わるので、使用する肥料の使い方を確認しましょう。
液体肥料のみの追肥の場合は、1週間〜10日に1回程度の施肥が必要です。
プランター栽培の場合
プランター栽培の場合は、植えつけ時に元肥入りの野菜の培養土やトマト専用の培養土を使い、追肥には置くだけの錠剤型の固形肥料や液体肥料を水やり代わりに使うのがおすすめです。
追肥、第一果房がゴルフボール大(≒ピンポン玉)ぐらいになったら始めます。プランター栽培の場合は、潅水(水やり)も定期的に必要となるので液体肥料(液肥)が便利です。液体肥料を使う場合は1週間に1度水やりがわりに希釈した液体肥料を与えます。
錠剤肥料を使う場合は、1番果がゴルフボール大(≒ピンポン玉)ほどの大きさになったら始めます。株元から少し離して土の上に置いてください。肥料にもよりますが効果が1ヵ月ほど続くので、1ヵ月ごとに新しい錠剤を置いて水やりをしましょう。
トマト栽培の肥料の種類やの与え方については、こちらで詳しく説明しています。
肥料の与えすぎ、肥料不足に注意しましょう
トマト栽培では、元肥を控えめに追肥をしっかり行っていく必要があります。
特につる性のトマトは元肥が効きすぎると草勢が強くなり実がつかないつるボケが起きやすくなります。肥料は適期に適量を与えましょう。
肥料は控えめにして、肥料分が不足しているようなら追肥でカバーするほうが栽培が容易です。
トマトは肥料を与えすぎて栄養素過剰になったり、肥料分が不足するのがわかりやすい野菜です。葉が茂りすぎていたり、逆に草勢が弱いとおもったら肥料の過不足を疑ってください。
それぞれの症状について詳しく説明していますので、肥料の過不足が気になったらこちらの記事で症状や対処法を調べてみましょう。