大豆栽培の肥料について
大豆栽培では、根粒の働きにより生育に必要な窒素分を作り出すため、肥料はあまり必要ないと聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし大豆は窒素を大量に吸収するため、窒素分が不足し収穫が減少することもあります。
しかし肥料で窒素を与えると、根粒の働きが低下してしまうため、施肥でのコントロールが難しい作物です。そのため大豆栽培では、根粒の働きを活発にし、適期に適切な肥料を与えることが収穫を増やすポイントです。
根粒の働きをよくするためのポイントは、下記の3つが重要です。
- 地力を高めるために堆肥を施用する
- 石灰は根粒を活性化させることができ、酸性土壌は収穫に影響するためpH6.0~6.5になるように調整する
- 中耕・培土を行い、不定根の発生を促す
大豆栽培では、窒素が多く施肥されるぎると、根粒の着床が阻害されたり、過繁茂をおこします。しかし開花期以降は大量の窒素分が必要になるため、適期に大豆栽培に適した肥料を与えることが重要です。
施肥のポイントは下記の3つです。施肥量などは、各地域の都道府県施肥基準を参照してください。
- 元肥はやせ地では窒素を少なめに、肥沃地ではほぼ必要ないが、リン酸、カリウムは結実をよくするため施肥する。
- 追肥は開花期に行うが、硝酸態窒素は根粒活性を低下させるため、硫安などのアンモニア態窒素を追肥する。
- 暖地では追肥の効果があまりみられないことから、元肥に緩効性の被覆肥料(LPコート)を施肥するとよい。
大豆の肥料の与え方
元肥(基肥)は、全面全層に施用が基本です。大豆は生育初期の湿害に弱いため、排水性を高めましょう。高畝も効果的です。
- 栽培するスペース(畝)を決め、苦土石灰を散布して土壌をpH6.0~6.5になるように調整する
- 1から一週間後に完熟堆肥(牛糞など)1㎡あたり1kgを畝全体にまきます。
- クワで堆肥を土にすきこむようによく混ぜます
- さらに緩効性肥料畝全体に撒いて、クワでよく混ぜます。
- 畝幅50~60cm、高さ10㎝の畝を作ります。
- 肥料を施してから7日~10日ほどたってから種をまきます。
追肥は、花芽がついたころに行います。硫安を施肥しましょう。LPコートを使っている場合は追肥は不要です。
大豆におすすめの肥料
大豆には窒素分が少ないマメの肥料や大豆専用肥料を使いましょう。
一発肥料は、肥効が持続する被覆尿素がつかわれているため、80日~100日後の開花の時期に肥力が現れます。追肥が不要な肥料です。
追肥をする場合は、アンモニア態窒素が適しているので硫安を使いましょう。