おいしいオクラを育てるのに肥料はどのように与えたらよいのでしょうか。この記事はオクラの肥料の与え方やおすすめの肥料を中心に栽培のポイントをまとめています。
オクラの肥料の与え方
オクラは、収穫が長いため元肥を施した後、植え付け後20日前後から収穫まで、月に2回ほど追肥をして育てます。
オクラは吸肥力が高いので、元肥で窒素が多すぎるとつるぼけをおこしやすくなります。化成肥料にだけに頼らず、地植えの場合は堆肥や腐葉土などを多めにいれて、地力を高めておくことが大切です。
地植えの場合
元肥
オクラには全面施肥で行います。元肥の方法で、畑全体にまんべんなく肥料を与えることを全面施肥(全層施肥)といいます。多くの野菜に使われる元肥の方法で、特に根の細い野菜類に適しています。種まきの2週間前までに行っておきます。
- 土を耕して、栽培するスペース(畝)を決めます。
- 堆肥(牛糞など)1㎡あたり2kgを畝全体にまきます
- クワで堆肥を土にすきこむようによく混ぜます
- さらに有機肥料や化成肥料を畝全体に撒いて、クワでよく混ぜます。
- 4から2週間たってからタネをまくもしくは、苗を植え付けします。株間は30㎝~50㎝程度がよいでしょう。
追肥
1回目の追肥は、植え付けから20日後に行いましょう。畝の肩から通路にかけて化成肥料を1㎡あたり1握りほど散布します。肥料を施したら、まいた肥料が隠れる程度に通路側の土を寄せて畝を盛り上げる土寄せを行います。
前回の施肥から15日たったら収穫が終わるまで、同様に追肥をしていきます。肥料切れしないように注意します。
鉢植え・プランター
元肥
鉢植えや、プランターなどで育てる場合は、鉢の場合は10号以上深さ30㎝以上、プランターの場合は、横幅・深さともに35㎝以上のものを使いましょう。
用土は市販の元肥入りの野菜の培養土などが便利です。自分で配合する場合は、赤玉土6.5腐葉土2.5、バーミキュライト1の配合します。自分で配合した場合や、元肥が入っていない場合は、緩効性肥料を施します。
追肥
花が咲き始めたら、追肥のタイミングです。プランター栽培には追肥は液肥がおすすめ。水やり代りに1週間に1度、規定量に希釈してから与えます。化成肥料を使う場合は2週間に1度与えましょう。
苗から育てる場合
オクラは、タネから育てることができますが、発芽温度が高いため1日水につけて発芽させてからタネまきします。直播きでは、発芽温度が高いので適期は5月~6月初旬です。この頃にタネをまくと、病気にもかかりにくいのでお勧めです。4月にタネをまく場合はポットで育苗をしてから植えつけることもできます。
またオクラのポット苗もホームセンターで買うことができます。苗から植えつけする場合も元肥はプランター・地植えともに同様に行います。ポット苗は、鉢から根鉢を崩さずにそのまま植え付けしましょう。追肥は、花が咲くころに1度目を、あとは同様に与えていきます。
土壌と肥料について
オクラに限らず、地植えの野菜づくりには土づくりが大切です。水はけと通気性がよく水持ちのよい土が野菜づくりには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。またオクラは適正な土壌酸度(ph)は、6.0〜6.5です。酸性土壌では育ちませんので、酸度が高い場合は苦土石灰で酸度調整をしましょう。
堆肥は、完熟しているもので植え付けの2週間前、未熟のものは1か月前までに施しましょう。また酸度を調整する場合は、堆肥と同時に行うと堆肥の窒素がアンモニアとして逃げてしまうので間は1週間ほど間隔をあけましょう。
オクラにおすすめの肥料
オクラの肥料には、有機肥料は化成肥料、または速効性の液体肥料(液肥)などが使えます。
有機肥料
畑などの元肥には、有機肥料がおすすめです。有機肥料は、鶏糞や油粕、米ぬかや油粕をつかったぼかし肥料が使えます。有機肥料は未成熟のものを使う時は、作物に影響が出る可能性がありますので早めに施用しましょう。市販の有機100%配合肥料も使いやすいです。
化成肥料
元肥には有機肥料がおすすめですが、プランターなどでベランダで育てる人には臭いや虫が気になる人もいるでしょう。その場合は化成肥料を使いましょう。また花が咲いた後の追肥にはすぐ効く化成肥料がおすすめです。
家庭菜園などでは、化成肥料8-8-8のような窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などは、ほとんどの野菜に使えるので便利です。また野菜用につくられた肥料、ハイポネックスジャパンの「今日から野菜 野菜の肥料」や「マイガーデンベジフル」などはホームセンターなどでも買え、初心者の人にも使いやすい肥料です。
液体肥料
肥料不足の場合やプランター栽培には追肥として液体肥料をつかってもよいでしょう。液体肥料は住友化学園芸の「マイガーデン液肥」やハイポネックスジャパンの「ハイポネックス原液」などがオクラに使えます。
製品ごとの詳しい説明は、こちらで説明ているので参考にしてください。
オクラの肥料の過不足
追肥は、植物の樹勢(株の勢い、強さ)を見ながら施すのが最も効果的です。オクラは生育初期に肥料が効きすぎると、葉や茎が繁って草丈が大きくなりすぎると、花の数が少なくなったりします。しかし肥料がたりないと生育に支障が生じます。肥料は適正な量を与えることが大切です
オクラは、肥料不足になると花が頂上付近に咲いたり、葉っぱに切り込みが入って細長くなったります。肥料不足などの症状は詳しい記事がありますので、そちらも参考にしてください
その他 オクラ栽培で気をつけたいポイント
種まきの時期
オクラは、アメリカ北東部原産で、ハイビスカスのような花を咲かすことからもわかるように熱帯性の植物です。生育適温が25℃~30℃で、寒さに弱く地温が20℃以下では発芽しません。
4月頃から早まきする場合は、気温が安定するまで室内でポリポットで育てます。
家庭菜園などで、庭植えする場合は5月のGW明けあたりから6月にタネをまくと8月から9月にかけて収穫することができます。この頃に栽培すると病気にもかかりづらく、手間も少なくすむのでおすすめです。
栽培環境
高温、多日照の環境を好みます。光飽和点も十分に高いため、日当たりが良いところで栽培をしましょう。また耐寒性は弱く、10℃以下になると全く生育できなくなりますので栽培時期や気候、場所には注意しましょう。
水やり
比較的、土壌の乾燥にも強い作物ですが、乾燥しすぎると果実の肥大が悪くなりますので適宜潅水(水やり)をしましょう。土壌の多湿にも比較的耐える性質のため、土壌水分の管理が難しい露地栽培に向いている作物と言えます。
鉢植えや、プランターなどで育てる場合は、実がつくまでは乾燥気味育てて実がついてからは多めに水やりをしましょう。肥料も液肥を使うと水やり代わりに与えられるのでおすすめ。
収穫と剪定
オクラは花が咲くと次々に、莢(さや)が大きくなります。開花後7日前後に収穫します。収穫が遅れると固くなってしまうので5㎝~7㎝ほどになったら収穫しましょう。
こまめに収穫できない人には、品種を選びましょう。丸オクラがおすすめです。角オクラより丸オクラの方が多少大きくなっても皮が固くならずに食べることができます。
また果実を収穫したら、その収穫した場所(収穫節)から下の1〜2節の葉は残して、そこから下の葉はハサミ切り取ります。上部に栄養が行き届くようになり、次々と収穫できます。
病害虫
オクラの場合は、特に害虫であるハスモンヨトウやアブラムシ、カメムシによる被害が多い作物です。防除対策としては殺虫剤(農薬)を散布したり、発見次第排除したりします。植え付けのときに施用できる殺虫剤もあります。
オクラは、モザイク病、苗立枯病、うどん粉病、灰色カビ病などの病気にかかることがあります。風通しをよくし、雑草を取り除くことも病気の発生を防ぐ効果があります。殺菌剤も有効です。
また連作障害に注意しましょう。比較的連作に強い作物と言われていますが、何度も同じ土壌で育てるとネコブセンチュウや苗立枯病を引き起こし、途端に生長が悪くなります。また一度連作障害が発生してしまうと正常な土壌に戻すことは大変ですから、連作障害が起きないように輪作や土壌消毒をしっかりしましょう。