家庭菜園で人気の枝豆栽培は、肥料が収穫に大きな影響を及ぼします。ここでは枝豆の肥料についてわかりやすく説明します。
枝豆栽培に肥料はいらない?
よく「枝豆栽培に肥料はいらない」と主張されている方に出会うことがあります。それは枝豆に必要な肥料成分が土壌に残っている時だけ。基本的には枝豆には肥料は必要です。
家庭菜園の畑では、長く野菜を栽培している場所では、土の中に多くの肥料分が使われずに残っていることがあります。農家などでは土壌診断をしてどのような肥料分が土に残っているか確認してから、必要な肥料成分を施肥しますが、家庭菜園では肥料過多の障害が出やすい窒素を基準にして、肥料を与えていることが多いので、リン酸やカリウムなどが多く残っているともいわれます。
枝豆などのマメ類は、根に根粒菌がついて窒素を発生させるため、窒素分を控えめに与えるのが基本なので、肥料を与えなくとも土壌に過剰な肥料分が残っていれば、肥料を与えなくても育つこともあります。また土づくりの時に土壌改良効果のある堆肥を使う場合にも、肥料成分が多少含まれるため、一般的な肥料を与える必要がないという意味で使われていることもあります。
しかし枝豆栽培では、根粒の働きで発生する窒素は枝豆に必要な成分の半分程度ともいわれ、実をつけるためにはリン酸が、根を強く育てるにはカリが必要です。そのため生育をみながら適期に適切な肥料を与えて育てる必要があります。
判断に迷ったら、下記の記事も参考にしてください。
枝豆栽培の肥料の与え方のポイント
枝豆は肥料の与えすぎに注意が必要な作物です。肥料の与え方のポイントは、下記のとおりです。
- 窒素分が多いと、つるボケがおきて実付が悪くなるので窒素分は控えめに施します。
- 花が咲くころの追肥は、生育をみて追肥をするか決めます。草丈が40cm以上になっているようなら追肥は不要です。
- 生育の初期はゆっくりと効果のある緩効性肥料を施肥しましょう。
植えつけ時の元肥の与え方や、追肥の方法の実際についてはこちらで詳しく説明しています。
枝豆栽培におすすめの肥料
枝豆は、肥料過多になるとつるボケして実がつかないとよく言われますが、これはマメ科特有の性質にあります。マメ科の植物は、根っこに瘤(こぶ)のようなものがたくさんあります。これは根粒(こんりゅう)と呼ばれ、中には根粒菌という土壌微生物が共生しています。この根粒菌が植物に欠かせない窒素を作り出しているのです。
そのため普通の野菜と同様に窒素を与えると、窒素が多すぎて葉や茎が大きく育ちすぎて、そちらに栄養がいってしまうため実がつかなかったり、大きくならなかったりします。
そのため枝豆に与える肥料は、窒素を控えめにする必要があります。リン酸やカリウムは結実に必要な成分なので、窒素を控え、実をつけるのに必要なリン酸(P)と、根肥といわれるカリウム(K)を高めた肥料がおすすめです。
堆肥や石灰は根粒の働きをよくするので、土づくりに堆肥や苦土石灰を使います。生育初期に窒素が多いと、つるボケしやすいので、元肥には緩効性肥料が適しています。枝豆や大豆、マメ用の肥料がおすすめです。
開花の頃の追肥は、窒素分が多く必要なため速効性の化成肥料がおすすめです。
おすすめの肥料の種類の詳細や商品についてはこちらで詳しく説明しています。
枝豆栽培について
枝豆は畑以外にもプランター栽培や土を使わない水耕栽培でも育てることができます。
苗からだけでなく種からも育てることができます。肥料以外の栽培管理や病害虫など対策などは栽培方法別に詳しい記事があります。
初めての人にはプランター栽培がおすすめです。