ブロッコリーは栽培期間中は、肥料を切らさず育てることが大切です。この記事ではブロッコリー栽培の肥料について、与えるタイミングやおすすめの肥料、肥料の過不足などの他、栽培のポイントについて説明します。
ブロッコリー栽培の肥料のポイント
ブロッコリーは肥料不足になると花蕾が大きくならなかったり、花蕾の変色や葉が入り込んだりすることもあり収穫に影響を及ぼします。
ブロッコリー栽培では栽培期間が短いですが、適期に追肥をすることが大切です。収穫後も側花蕾を育てるために追肥をして育てます。
施肥量は、春まき栽培で10hあたり窒素17kg、リン酸15kg、カリウム14kgが目安です(参照:東京都農作物施肥基準)
春まき栽培の方が夏まき栽培より少な目に施肥し、品種では早生品種より晩生品種の方が栽培期間が長くなるため肥料の量も多くなります。
ブロッコリー栽培におすすめの肥料
ブロッコリー栽培では、元肥には緩効性肥料を追肥には速効性の化成肥料を使います。
畑などの地植えの元肥には有機肥料がおすすめです。生育初期に窒素が効きすぎていると、葉ばかりのびて蕾がつきにくなるため、ゆっくり効果のでる有機肥料は失敗が少なく、肥料焼けなどのリスクも減らせます。
元肥には有機肥料がおすすめですが、プランターなどでベランダで育てる人には臭いや虫が気になる人もいるでしょう。その場合は化成肥料を使いましょう。また追肥にはすぐ効く化成肥料がおすすめです。
ブロッコリーの肥料時期(タイミング)
ブロッコリーには肥料は、苗を植えつける(定植)の前に肥料を施す「元肥」と、生育に合わせて足りない肥料を与える「追肥」を行います。
追肥のタイミングは、植え付けから2週間後に1回目を、2回目は花芽が着いたころに与えて、それ以降は収穫までは与えません。収穫後に、わき芽につく蕾(側花蕾)を育てるために、さらに追肥をします。
ブロッコリーの肥料の与え方
ブロッコリーは、タネから育てることもできます。直植えも可能ですが育苗の時期は、夏まきの場合は温度が高いため、ポットで育苗してから育てる方がよいでしょう。またホームセンターなどでも、手軽にブロッコリーの苗は購入することもできます。
地植えの場合
元肥
畑などの地植えでは、元肥は溝施肥がおすすめです。溝施肥は、畝の中央に溝を掘って肥料を埋め込んで与える元肥の方法です。
- 栽培するスペース(畝)をきめ、深さ20㎝ほど掘り起こします。
- 畝の中央に深さ20㎝の溝を掘って、底に堆肥と有機肥料や化成肥料を入れよく混ぜます。目安は溝1mにつき堆肥0.5ℓ・化成肥料50g程度です。
- 肥料の上に、土を戻し高さ5㎝~10㎝ほどに土を盛ります。
- 2週間ほどたったら、溝の上に苗を植えつけます。
土壌と肥料について
ブロッコリーに限らず、野菜づくりには土づくりが大切です。水はけと通気性がよく水持ちのよい土が野菜づくりには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。堆肥で土づくりをしっかり行い、さらに元肥を施し足りない肥料分を補います。
またブロッコリーは酸性土壌を嫌います。土壌のphは、6.0~6.5です。土壌が酸性の場合は、植え付けの1か月ほど前に苦土石灰などを使って、調整しておきます。
追肥
追肥は、畑などの地植えでは、苗を植えつけてから2週間後と蕾が大きくなってきたころに与えます。花蕾が15㎝ほどになったら収穫して、追肥すると、わき芽につく蕾(側花蕾)を育てることができます。
追肥の方法は同じです。株間に速効性の化成肥料を一握りまいて、土の表面を軽く耕してから、茎が倒れないように根元に土寄せをします。
育苗(タネまきから育てる場合)
プランターで育てる場合は、直播きで育てることができます。大きめのプランターでも2株が限度です。畑などの地植えでは、6月~7月頃にポットに種をまいて、育苗します。用土は野菜の培養土などをつかうとよいでしょう。元肥が入っていない場合は、植えつけて2週間後ぐらいに液体肥料を水やり代わりに与えます。
- 直径9㎝のポットに培養土をいれ、4~5粒ずつ種をまきます
- 覆土は薄くかぶせ、水やりをします。
- 発芽までは新聞紙などをかけて、乾燥を防ぎます
- 発芽したら3本に間引き、本葉3枚になったら1本に間引きます。
- 本葉が5枚~6枚になったら、畑に植え付けします。株間は40㎝~45㎝ほどがよいでしょう。
プランター・鉢植えの場合
ミニブロッコリーや茎ブロッコリーであれば、鉢植えやプランターなどでも育てることができます。鉢なら8号~9号を使います。プランターは横幅65㎝程度で株間を30㎝ほどあければ2株うえつけることができます。
元肥
土は野菜用の培養土を使うと便利です。元肥入りの培養土であれば元肥は不要です。元肥が入っていない場合は、緩効性肥料を元肥として使うとよいでしょう。
追肥
プランターの場合は、本葉が8枚~10枚ほどになったら追肥をします。株元から離れた位置に肥料をまいて、株の根元が成長して根が見えていたら、土を足して土寄せしておきます。水やり代わりに液体肥料(液肥)をつかってもよいでしょう。固形肥料の場合は月に1度、液肥であれば1週間~10日に一度肥料を与えます。
肥料過多・肥料不足について
ブロッコリーは、栽培期間中肥料を切らさず育てることが大切ですが、吸肥力が高いため肥料を与えすぎると、茎の中心部分が空洞なったり空洞が黒く腐食するなどの生理障害や、最悪の場合、肥料やけを起こして枯れてしまうこともあります。
肥料は適量あたえること。また肥料のパッケージをよくよみ適切な量を与えてください。家庭菜園などの場合は、高濃度肥料を使うと失敗しやすいので野菜の肥料などを使いましょう。肥料過多の場合は対応が難しいですが、肥料不足であれば追肥で補うことも可能です。
肥料不足になると、葉が黄色くなったり、生育が悪くなったりします。しかし水やりや気象条件、土壌、病害虫などによっても葉がしぼんだり、黄色くなったりします。肥料不足かなと思ったら、肥料は少しづつ与えて様子をみてから追肥をするようにしましょう。詳しい肥料不足の症状などは詳しい記事がありますので、そちらも参考にしてください。
その他 ブロッコリー栽培で気をつけたいこと
病害虫
ブロッコリーは、軟腐病、根こぶ病、黒腐れ病、べと病などの病気にかかることがあります。また害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、アオムシ、コナガなどの害虫が発生しやすくなります。防虫ネットや不織布・寒冷紗などでカバーするのも効果的です
除草
畑の雑草は、ブロッコリーの生育に影響を与える可能性もあり、病害虫の被害にあうリスクも増えます。大きくなる前にこまめに除草しましょう。
除草剤をつかった除草方法もあります。ブロッコリーの除草剤の使い方については、詳しい記事がありますのでそちらを参考にしてください。
収穫
収穫は花蕾が15㎝ぐらいになったら、蕾がしまった状態で刈り取ります。遅れると食感が悪くなるので注意しましょう。
追肥を続けると、わき芽につく蕾(側面蕾)が大きくなって、2週間ぐらい後に収穫できます。実の数は多いですが、大きくなりませんので花を咲かせないように注意しましょう。葉っぱも食べることができます。