この記事では、アジサイ(紫陽花)を色鮮やかに咲かせる肥料のやり方、おすすめの商品や栽培ポイントをまとめています。
アジサイの肥料時期とやり方
肥料時期
基本的な肥料のやり方は、冬(12月下旬から2月上旬)に、「寒肥」を、花が咲いた直後に「追肥(お礼肥)」を与えます。
寒肥は、春から夏にかけてアジサイの花をしっかりと咲かせるために、追肥は、花が咲いた(開花)直後に与える翌年の花芽を育てるために施肥します。
その他は、明らかに葉っぱや茎の成長が弱っているときには、速効性のある肥料を少量追肥して、様子を見るようにしましょう。
肥料のやり方
庭植え(地植え)
寒肥は、株の周りに4か所ほど浅く穴を掘ります。そこに有機質肥料や緩効性肥料を施します。花後の追肥は株元に有機質肥料や緩効性肥料を、固形肥料の錠剤であれば置き肥し、ペレット状や粒状であればバラバラをまいておきます。
寒肥に油かすや骨粉などの有機質肥料を使う時の目安は5年株で100g程度です。市販の化成肥料を使う時はパッケージの施肥量を守りましょう。
鉢植え
鉢植えの寒肥は、鉢の容量が決まっているので1度に与えず、2回~3回に分けて置き肥するか、株元にバラバラとまいておきます。量は少なめに有機質肥料であれば5号鉢で1回に5g程度が目安です。
追肥は1度でもよいですが1~1.5カ月の間に2回施すのもおすすめです。この時も量は少なめにパッケージに書いてある肥料を半分にして2回に施すとよいでしょう。錠剤タイプであれば置き肥する、ペレット状や粒状であればバラバラをまいておきます。錠剤タイプの肥料を割って使ったりしてはいけません。
アジサイにおすすめの肥料
寒肥や追肥には、緩効性肥料・遅効性肥料がおすすめです。有機肥料を使いたい場合には油かすがおすすめです。鉢植えやベランダで栽培するときは有機肥料は臭いや虫が気になるという場合は緩効性の化成肥料をつかうとよいでしょう。
葉の色がうすくなったり、生長が遅い時には速効性のある液体肥料(液肥)がおすすめです。おすすめの商品などは、詳しい記事があります。
有機質肥料
庭植え(地植え)には、若い2~3年目の若いアジサイには、発酵油かすの有機肥料を与えます。4年目以降は油かす・骨粉の混合の有機質肥料がおすすめです。油かすは、窒素が主成分で葉や茎をを育てます。骨粉はリン酸を多く含むため、花つきをよくします。
鉢植えにも同じ肥料が使えますが、有機肥料は臭いや虫が発生することがあります。有機肥料は発酵するときに、臭いや虫が発生しやすいので発酵油かすを使いましょう。緩効性化学肥料でもよいでしょう。
緩効性化学肥料
鉢植えなどでベランダで育てている場合は、有機質肥料では臭いや虫が気になるという人には、緩効性化成肥料もおすすめです。「ハイポネックス マグァンプK」や「マイガーデン植物全般用」がおすすめです。元肥・追肥ともに使うことができます。マグアンプKは元肥には中粒を追肥には小粒がよいでしょう。
アジサイ専用肥料
アジサイは多くの種類は、土が酸性になると青色に、アルカリ性なら赤色に変化します。花色に合わせたアジサイ専用の肥料もあります。
液体肥料
鉢植えに使う、液体肥料は速効性のある肥料です。手に入りやすくガーデニング初心者でも扱いやすいのは、ハイポネックスジャパンが販売している「ハイポネックス 原液」や住友化学園芸の「マイガーデン 液体肥料」などがあります。
【補足】肥料の呼び名について 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。花や結実の後に与える追肥をお礼肥といったり、冬に与える追肥を寒肥(かんごえ)といったりもします。また肥料を与えることを施肥といいます。
その他 アジサイ栽培のポイント
アジサイの基礎知識
学名 | Hydrangea macrophylla |
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属名 | アジサイ科 / アジサイ属(ハイドランジア属) |
原産地 | 日本 |
樹高・草丈 | ~3m |
耐寒性等 | 耐寒性:普通 耐暑性:やや弱い |
開花期 | 5月から9月下旬(品種による) |
アジサイは日本原産の落葉低木です。日本が原産であることから日本国内では庭植え、鉢植えでも育てることができ、栽培も容易で初心者の人にもおすすめです。品種も多く、花形も「がく咲き」「手まり咲き」などがあり、花色も豊富なところも魅力です。
栽培管理
アジサイは、耐陰性もあり日陰でも育つと思われていますが、できれば日の当たる場所で育ててあげると光合成ができ、生長がよくなります。
耐寒性もありますが乾燥した寒風にあたると枯れてしまうこともあります。鉢植えは冬は寒風のあたらない場所で管理しましょう。庭植えの場合は寒冷紗などで防寒しましょう。
夏は鉢植えは梅雨以降から9月中旬までは、明るい日陰で管理し直射日光のあたらないようにしましょう。
水やり
アジサイは鉢植えは水切れには注意が必要です。表土が乾いたら、鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。特に4月から9月の生育期は水やりを怠ると、葉がすぐしおれてしまいます。やりすぎには注意が必要ですが毎日様子を見てあげましょう。夏の乾燥時期は朝と晩の2回与えます。
庭植えの場合は夏の乾燥が続いたときに、与えます。涼しい朝か夕方に与えます。特に青色の花は水切れをおこすと花色の発色が悪くなるので注意しましょう。
剪定
翌年に花つきをよくするためには、花が終わったらすぐに剪定(花がら摘み)を行います。花のついた枝を花から2節下で、切り戻します。花の終わりがわかりにくいですが、花が裏返ったら花が終わった印です。早めに剪定しましょう。
また庭植え(地植え)は、株元が混みあっている場合は、11月~3月上旬に混みあった枝や、枯れた枝を切り取っておくと病気を予防することもできます。またカシワバアジサイは、剪定をしないと幹ができて大きくなりすぎるので若木のうちから剪定をしましょう。
アジサイの色を変えるには?
アジサイは、土壌の酸性度や施す肥料によって花色が変わってきます。具体的には、青色系は弱酸性の土に、ピンク・赤色系は弱アルカリ性の土に適します。
このため、青系の花色にしたいのであれば未調整のピートモスを混ぜ酸性の土壌に、ピンク系の花色や赤花にしたいのであれば石灰(有機石灰や苦土石灰など)を混ぜて弱アルカリ性の土壌にしましょう。
植え替え
開花株を購入した場合は、その年の花がおわったらすぐに植え替えをしましょう。また鉢植えは2年~3年に1度は植え替えをしましょう。11月~3月が適期です。
- 株を鉢から抜きます。
- 根鉢をほぐして古い土を3割程度落とします。(今年購入した開花株は根鉢は崩さない)
- 一回り大きな鉢に、新しい用土を入れて植えつけます。
- ジョウロでたっぷり水を与えます
用土は、水はけのよいものを使いましょう。市販のアジサイの土でもよいです。自分で配合する場合は赤玉土小粒7・腐葉土3などがよいでしょう。
植え付け
庭への植えつけは、今年購入した開花株は夏を避けた6月~10月上旬までに行います。それ以外は11月~3月に行いましょう。寒冷地では3月が適期です。用土には腐葉土などの堆肥を混ぜ込んで土づくりをしてあげます。肥料は花後に植え替えたものにはお礼肥を、秋以降に植え替えた場合は寒肥は不要です。
- 鉢から苗を取り出します。
- 植えつける根鉢より一回り大きな穴を掘ります
- 腐葉土を穴の3分の1まで入れ、底の土を混ぜます。
- 苗木を入れます。深植えにならないように、地上と根鉢の上部が同じ高さになるようにして土を戻します
- ジョウロでたっぷり水やりをします。
増やし方
アジサイは実生(種まき)、挿し木、とり木で増やすことができますが、挿し木で増やすのが簡単です。アジサイの挿し木は、生育期に今年伸びてきた新しい枝を挿して増やす「緑枝挿し」と休眠期の冬に剪定した枝を使って増やす「休眠挿し」があります。
土に挿すだけでなく、水栽培でもふやすことができます。生命力の強いアジサイは苗からだけでなく切り花からも増やすことができます。
病害虫
アジサイはオオミノガ、カイガラムシ、アブラムシ、スリップス、コガネムシ、カイガラムシ、ナメクジ、ハマキムシの幼虫、ネコブセンチュウが発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
また、病気としてはうどんこ病、灰色かび病、葉枯れ病などがあります。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)