果樹については、元肥(春肥)、追肥(夏肥)、お礼肥、冬肥など、果菜類などとは異なる肥料のやり方、時期となります。基本的には、2〜3ヶ月おきに固形肥料を施したりしますが、ベランダにてポットなどで栽培している場合には液体肥料も有効です。
肥料のやりすぎにも注意が必要です。肥料をやりすぎると「肥料やけ」が起こり、根が傷み、最悪の場合、枯れてしまいます。
果樹の作物別に肥料を探す
果樹は、「2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするもの」と定義されています。(農林水産省HPより)このため、メロンやイチゴ、スイカといった一年生草本植物は果樹には含みません。
常緑果樹(みかん、レモン、オリーブなど)の肥料
柑橘類(かんきつ類)の肥料
代表的な柑橘類である、みかんやレモン、柚子(ゆず)などは、春肥、夏肥、秋肥と大きく年3回、肥料をやる時期があります。春肥は「元肥、寒肥」、夏肥は「追肥」、秋肥は「お礼肥」と呼ばれることもあります。
みかんの肥料
みかんは、オレンジ、キンカン、レモンなどの柑橘(かんきつ)類の中でも、最も身近なもののひとつと言っても過言ではありません。みかんを果樹として栽培することも人気で、プロ農家の果樹園だけではなく、ご家庭の庭での地植え栽培も盛んに行われています。
レモンの肥料
レモンには、肥料切れを起こさないよう、年4回は施肥をするようにしましょう。3月頃までに元肥(寒肥)として有機(有機物)肥料もしくは緩行性化成肥料を施すようにし、6月、9月、11月頃を目安に速効性または緩効性の化成肥料を追肥するとよいでしょう。
金柑(キンカン)の肥料
ミカン、レモン、柚子、オレンジなどの柑橘類の中でも、耐寒性があり病害虫にも強い金柑(キンカン)は古くから家庭で栽培され、初心者にもおすすめの果樹です。
柚子(ゆず)の肥料
柚子は、肥料切れを起こさないよう、年4回は施肥をするようにしましょう。3月頃までに元肥(寒肥)として有機(有機物)肥料もしくは緩行性化成肥料を施すようにし、6月、9月、11月頃を目安に速効性または緩効性の化成肥料を追肥するとよいでしょう。
その他、常緑果樹の肥料
オリーブの肥料
そもそもオリーブの木に肥料をやる必要はあるのでしょうか?答えは「必要」です。
オリーブに限らず植物は、土壌にある養分を根で吸収し、光、二酸化炭素などを利用して光合成することで、葉や果実の組織を作ったり維持しています。土壌に常に養分がある状態であれば問題ありませんが、根はどんどん養分を吸収しますので補給をしてあげなければ養分が足りなくなってしまいます。そのため、基本的に肥料をやることは必要となります。ただし、オリーブの木は肥料やけもしやすい植物なので注意が必要です。
栗(クリ)の肥料
それでは栗の木の肥料の時期や肥料の種類について説明していきます。庭植え、鉢植えともに年3回、2月下旬から3月上旬に元肥として有機(有機物)肥料もしくは緩効性肥料を施し、雄花が終わった後と収穫が終わったのお礼肥として速効性の肥料を与えます。
ビワの肥料
ビワはレモン、ブルーベリーなどの果樹と同じく、地植えはもちろん、家庭菜園の場合は鉢植えでも栽培することができます。鉢植えにするとコンパクトに仕立てることができます。
その他
落葉果樹(柿、イチジク、ブルーベリー、ぶどうなど)の肥料
ぶどうの肥料
最近ではホームセンターなどでぶどうの苗木が手軽に手に入れられられるようになり、家庭菜園でも人気の作物です。
ブルーベリーの肥料
ブルーベリー(Blueberry)は、果実の可憐な見た目、おいしい味などからフルーツとしても人気の高い果樹です。ラビットアイ、ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュなどいくつかの系統がありますが総じて暑さ、寒さ、乾燥、病害虫のいずれにも強く、丈夫で育てやすい植物でもあります。ベランダや庭での家庭菜園で育てることも可能で、完熟させて甘くてさわやかな酸味を味わえるのは自分で育てた人だけの楽しみです。
イチジクの肥料
イチジク(いちじく)の原産地は、古代エジプトなどアラビア南部とされ、一説では人類最古の栽培作物ともいわれています。また、旧約聖書で、アダムとイヴがエデンの園で最初に身に着けたのがイチジクの葉とされていることもよく知られています。旧約聖書に登場するだけでも驚きですが、その他の世界各地のさまざまな文献にもその記載が残っており、イチジクが歴史ある植物であることがうかがえます。
その他、落葉果樹の肥料
柿(かき)の肥料
さくらんぼの肥料
熱帯果樹(アボカド、マンゴー、バナナなど)の肥料
アボカドの肥料
アボカドの施肥は「春肥(花肥)」、「夏肥(実肥)」、「秋肥(お礼肥)」の年3回を基準とすると良いでしょう。
果樹類におすすめの肥料
米ぬか肥料
米ぬかを肥料として使用するときには、2つのやり方があります。
- 生の米ぬかをそのまま散布する
- 米ぬかをEMや発酵促進剤などの微生物によって発酵させて散布する(米ぬかぼかし肥料)
1月など休眠期の頃に、生の米ぬかをそのまま散布するというやり方をされている方もいます。但し、米ぬかの特性などをよく知った上で施肥をする必要があります。最悪、窒素飢餓(逆に肥料が不足する状況)や発酵熱による被害、カビなど腐敗の温床となることもあります。
米ぬかをそのまま土壌にすき込むとしても、元肥として使用するのが主流です。春〜夏の生育旺盛のときに米ぬかなどの分解に時間がかかる有機肥料(有機質肥料)を施すのは危険です。
生の米ぬかを使用する場合は、表面散布する方法のほうが良いでしょう。また、油分を除いた脱脂米糠を使用しても良いでしょう。
比較的、肥料の効きもわかりやすく、安心して使用できるのはぼかし肥料にしたものです。
米ぬかぼかし肥料とは、米ぬかを主原料としたぼかし肥料です。植物を育てるために必要な三大要素である窒素、リン酸、カリウム(加里)をバランス良く含ませるために、米ぬかの他に油かす、魚粉やカキ殻石灰などを配合し発酵させます。カキ殻石灰などを使用することでカルシウムやミネラル分やアミノ酸などを多く含み、野菜などの栽培においては食味や品質の向上にもつながります。
米ぬかは、リン酸が豊富に含まれている有機物資材で入手もしやすいため、ぼかし肥料の原材料としては人気のものとなります。
米ぬかぼかし肥料の成分比は原材料の配合によって異なりますが、米ぬかを主成分とした場合は窒素成分が少し抑えられたものが多いです(N-P-K=3-5-2など)。
米ぬかぼかし肥料を作る際の発酵のさせ方は、「好気性発酵」「嫌気性発酵」の2種類があります。
油粕(油かす)肥料
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。
花ごごろ レモン・ミカン・柑橘の肥料
花ごごろの柑橘専用の肥料で。 天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を傷めません。窒素・リン酸・カリ=6・7・6で配合されているほか、 天然腐植には豊富に含んだ微量要素が含まれていて、土をふかふかにする効果もります。有機質特有の臭いもないので、鉢植えにピッタリです。
ハイポネックス 錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用
ハイポネックスジャパンが製造販売する「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」という肥料もあります。追肥に利用する錠剤タイプで、置くだけでOKという簡便な肥料です。窒素:リン酸:カリ=8:10:9で配合されているほか、マグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウムも加えられています。
また、ハイポネックスには「ハイポネックス原液」などの液体肥料シリーズもあり、樹勢が弱っているときに与えると良いでしょう。さらにハイポネックスにはマグァンプなど固形肥料のシリーズも販売されています。適している肥料を選択して、使ってみましょう。
マイガーデンベジフル
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、粒状の様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができる肥料です。栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得していることや、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしていることや、肥料成分は樹脂コーディングされていて、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶出する量が調節され、効き目が持続するのが本製品の特長です(リリースコントロールテクノロジー)。
追肥として、「マイガーデンベジフル」が有効です。また、「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」、「ベジフル液肥」は速効性の液体肥料なので、樹勢が弱り始めたときに薄めの濃度で与えてあげると良いでしょう。使用方法は各商品のラベルの指示に従ってください。
作物ごとに肥料は違うものを使ったほうが良いか?
「作物ごとに異なる肥料を使わなければならない」といったことは全くありません。基本的に、植物の生育には窒素(チッソ)、リン酸(リンサン)、カリウム(加里)の三要素が必要となります。他に、二次要素(多量要素)、微量要素などの養分が必要になります。
必要量はそれぞれの作物(植物)によって異なるため、注意が必要です。「バラ専用」や「芝専用」のようなその作物(植物)専用の肥料として販売されているものは、上記の三要素の含まれている肥料分のバランスや微量要素、二次要素の含有量がその作物(植物)に適したものとなっています。
そのため、もし肥料の選び方などで不安を感じる方は、その作物(植物)専用の肥料を購入して使ってみることをおすすめします。
果樹の肥料のやり方
商品・ブランド別に肥料を探す
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