サボテン栽培について
サボテンの基礎知識
サボテンは、多肉植物の一種でサボテン科に属する原産地が南米・メキシコの植物です。200種類以上の品種があり、その形から、上に長く伸びる柱状の形をしている「柱サボテン」、茎が平らな楕円のうちわ型に上に伸びる「ウチワサボテン」、丸い球型の「球サボテン」の他、サボテンの祖先といわれる見た目が通常の草花のような艶のある葉をもつ「木の葉サボテン」に分けられます。
乾燥した過酷な環境で育つサボテンは、根や茎、葉などを肉厚にして水分を蓄えるようになっています。また元々暖かい地域で自生するサボテンは、品種にもよりますが寒さには強くないため冬は室内で管理するのが一般的です。太陽を好むので、できるだけ日の当たる場所で管理し、水やりをやりすぎないことがサボテン栽培のポイントです。丈夫で枯れにくいので初心者の人にもおすすめの観葉植物です。
園芸分類 | サボテン、多肉植物、観葉植物 |
学名 | Cactaceae |
原産地 | 南北アメリカ |
草丈・樹高 | 種類によってことなる |
耐寒性等 | 耐寒性 やや弱い 耐暑性 強い |
花言葉 | 「枯れない愛」「燃える心」「偉大」「あたたかい心」 |
品種の選び方
サボテンは、購入したときには小さくても、生長すると最大で1cmにしかならない小型種から、高さ20mにまでなる大型種まであり花が咲く品種などがあります。100均などでも手軽に買えるサボテンですが、花が咲きやすい品種や大きくなりやすい品種などもあるので、自分の環境にあった品種を選んで買うとよいでしょう。
サボテンの育て方
栽培環境
サボテンは、日当たりの良い風通しの良い場所を好みます。できれば生育期の春から梅雨までは、屋外の日の当たる場所で屋外で管理しましょう。サボテンをオフィスの机などに置いたり、室内で育てるときも、4時間以上は日の当たる窓辺に置き、ベランダや庭など屋外にも定期的に出してあげると元気に育ちます。
サボテンは元々メキシコなど温暖な地域に生息しているため、耐寒性は強くありません。耐寒性の強い品種以外は屋外で育てる場合は温室管理が必要です。霜の降りる前には室内で管理してください。昼間日差しのある窓辺に置いておくと夜には気温が下がり寒くなるので注意が必要です。置き場は温度が5℃以下にならない場所で管理すれば冬越しは可能です。
水やり
サボテンは乾燥した地域で自生しているため、水のやりすぎには注意が必要です。水やりのポイントは、生育期と休眠期で緩急をつけた水やりをすることです。サボテンは多肉植物の夏型なので、基本的には生育期の3月〜9月は、表土が乾いたタイミングで水をやり、休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に水を減らし、冬場は断水気味にします。土が乾いているかどうかわからないときには竹串をさして確かめることもできます。
植え替え
100均などでは小さなポット苗で販売されていることの多いサボテンは、ポット苗のままでは、枯れてしまう恐れがあるので早めに植え替える必要があります。
鉢植えなどで購入した場合でも、
サボテンは、小さな株なら1年に一度、大きな株なら2年から3年に一度植え替えるのがおすすめです。植え替えをしないと、土に栄養分がなくなって鉢いっぱいに根が広がってしまうので、生長できず根詰まりや根腐れを起こして枯らしてしまう可能性もあります。春になったら植え替えをしましょう。
植え替えは、春が適期ですが、購入した時期や根詰まりなどを起こしている場合は、春以外にも植え替える必要があります。その場合には下記の記事を参考にしてください。
寄せ植え
100均で買ってきたサボテンや、自宅で育てたサボテンを自分でサボテン寄せ植えにチャレンジしてみたいという方も多いのではないでしょうか。サボテンの寄せ植えは植え替えと同じ、生育期の直前3月から4月が適期です。真夏の暑さが過ぎた9月から10月初旬でも行えます。
サボテンは多肉植物の夏型がほとんどなので、水や肥料を上げる時期などは品種によりそれほど大きな差はありません。そのためあまり寄せ植えのサボテンに制限はありませんが、性質は少し異なるものもあります。例えば生長の速い柱サボテンと生長が遅い球サボテンを、組み合わせて寄せ植えすると、寄せ植えの形が早く崩れてしまうこともあります。それぞれの性質を調べてから寄せ植えするようにしましょう。細かい手順などは、下記に詳しく説明しています。
用土について
サボテンは、排水性のよい、水はけのよい土が適しています。一般的な観葉植物の培養土よりサボテンや多肉植物用の土を使うのがおすすめです。自分で配合する場合は、赤玉6・腐葉土2・川砂2の割合がおすすめです。最近では100均でもサボテン用の土が販売されているので、そちらを使ってもよいでしょう。
肥料
サボテンは一般的な観葉植物より肥料を必要としませんが、生育期には肥料を与えて育てると成長が早くなり、丈夫になります。基本的には植え替え時に元肥として緩効性肥料を使い育てます。追肥は基本的には必要ありません。1年に1度春に緩効性肥料を与えるとよいでしょう。
早く大きく育てたい場合には、月1〜3回のペースで液体肥料を水やり代わりに与えるとよいでしょう。休眠期の冬には絶対に与えないでください。
病害虫
サボテンは、丈夫で育てやすい植物ですが、病気になることもあります。水やりや肥料の与えすぎて根腐れ病になることが多いですが、その他にも立枯れ病、灰色かび病、うどんこ病などになることもあります。根腐れをしてしまったら、胴切りをして植え替えをしましょう。菌が原因の病気では、殺菌剤を利用することで枯れるのを防ぐことができます。
また害虫は、カイガラムシ、アブラムシ、ハダニ、ヨウトウムシ、ナメクジなどが発生することがあります。アブラムシは病気を媒介するので、早めに見つけたら駆除しましょう。
カイガラムシ・ヨウトウムシ・ナメクジは、日当たりが悪く、通気性のない湿気のある場所を好みます。虫除け対策としては、日当たりがよく通気性の良い場所で管理します。鉢をスタンドや台、レンガなどを使って、鉢やプランターを地面から浮かせることも効果的です。またアブラムシなどの害虫は殺菌殺虫剤が有効です。それぞれの対処法については下記の記事を参考にしてください。
ふやし方
サボテンは、「挿し木」と「実生(種まき)」で増やします。挿し木は初心者の方でも簡単にふやすことができます。
挿し木は、株元や株中にできた子株を切り取ってふやす方法と、柱サボテンなどの子吹きしにくい品種は、サボテンを横に切りとる胴切りでふやす方法があります。また異なる種類のサボテンを台木として、接ぎ木で増やす方法もあります。
根腐れした場合も胴切りで、復活することができます。
サボテンの育て方の記事
花を咲かすクジャクサボテン、月下美人、シャコバサボテンは、栽培方法が少しことなります。品種ごとの育て方の記事もあるのでそちらも参考にしてください。