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トマト

トマトの育て方・栽培方法

トマトの画像 トマト

この記事では、トマト栽培の基礎知識や家庭菜園などで使える育て方の基本、栽培歴・カレンダー、ポイント・コツについて解説します(ミニトマト育て方・栽培方法はこちら)。

トマト栽培のスケジュール

発芽適温生育適温(昼間)生育適温(夜間)
25〜28℃20〜30℃10〜15℃
トマトの発芽適温と生育適温

一般的な露地栽培をベースに考えたトマト栽培のスケジュールです。比較的温暖な気候の場合は、上の図に示したスケジュールの早め、逆に冷涼な気候の場合は遅めに各作業を実施すると良いでしょう。また、品種によっても違いがありますので、購入する種・苗のラベルを参考に年間スケジュールを想像すると良いでしょう。

露地栽培の場合は、施設栽培のように環境の制御が難しいため、生育適温に近い環境となるシーズンに栽培することが望ましいです。生育適温ですが、昼間(日中帯)の温度と夜間の温度で異なります。施設栽培におけるトマト栽培については、こちらの記事を参照してください。

育苗期の生育適温は?

育苗の際には、栽培中の生育適温よりも少し高めを保ちます。日中は25℃前後で管理します。

夜間は12℃〜15℃前後で管理すると良いでしょう。本葉が7枚程度展開し、植え付け(定植)が近づいてくるに連れて、10℃前後まで下げて苗を環境に順応させていきます。

生長とともに、周りの環境(気温、湿度)に合わせていくイメージとなります(順化)。

育苗については、下記の記事で詳しく解説しています。

トマト栽培の流れ・育て方

トマト・ミニトマト栽培の流れ

トマトの種まき(播種)

トマトの種まき(播種)方法は大きく2つあります。

  1. ポットに種をまく方法
  2. 育苗箱に種をまく方法

発芽適温は、25〜28℃です。ポットの場合も、育苗箱の場合も適温となるように工夫をしましょう。ポットや育苗箱に培養土を入れ、種まきをします。種まき後は昼夜の気温差は小さくし、育苗、成長していくにつれて少しずつ昼夜の気温差を大きくしていきます。

種まきの時期を過ぎた場合や接ぎ木された病気に強い接木苗、健康な苗を手軽に手に入れたい場合は、ホームセンターや園芸店で購入して、育苗、栽培することをおすすめします。現在では、インターネットにて予約購入することもできます。

下の記事に、トマトの育苗期の管理方法について詳しく解説していますので、参考にしてください。

トマトの育苗

発芽後、2ヶ月(55日から65日)ほどで、植え付け(定植)適期となります。育苗は栽培において、とても重要な時期となります。「苗半作」という言葉があるくらい重要です。植え付け(定植)適期になるまで大事に育苗しましょう。

トマト栽培のための土作り、畝立て、支柱立て

トマトをしっかりと栽培し、美味しい果実を収穫するためには土作りが重要です。

土作りは、植え付けの2週間から3週間前には行い始めましょう堆肥元肥(石灰や窒素リン酸カリウムなどの化成肥料、または有機質肥料)は、土作りをするときに一緒に混ぜ込みます。畝は、1m〜1.2m幅で高さ20〜30cmの高畝にしましょう。下の記事に堆肥や元肥の施用量の目安、畝立ての方法を説明していますので、参考にしてください。

プランターや鉢による栽培の土作りは、ホームセンターにトマト用や果菜類用の培養土が販売されているのでそれらを使うと良いでしょう。もちろん、赤玉土や腐植土、堆肥などを用いて独自で用土を用意することも可能ですが、家庭菜園初心者の方には、まず元肥入りの培養土をおすすめします。

培養土が入った袋をそのまま使った栽培(袋栽培)もできます。

トマトの植え付け、支柱立て

本葉8枚から9枚になったころが植え付けのタイミングです。

その頃には一番花(初めて咲く花)が咲き始めていると思います。植え付けは晴れている日の午前中に行いましょう。植え穴、苗にも予め十分に水やりをしてから植え付けます。植え付けの方法は寝かせ植えが良いとされていますが、接木苗を使う場合には絶対にしないでください。

下の記事に植え付けに関する詳しいことを記載していますので、参考にしてください。

支柱立てを植え付けと同時にやる場合は、このタイミングで支柱を立てて誘引しましょう。

トマトの手入れ作業(管理作業)

植え付けがようやく終わると、トマトをしっかりと育てるために手入れ作業が必要です。手入れ作業は大きく8つあります。

  1. 仕立て、誘引
  2. わき芽かき
  3. 葉かき(摘葉)
  4. 受粉
  5. 追肥(肥料)
  6. 摘果
  7. 摘心(摘芯)
  8. 除草・病害虫管理
よくある質問

Q:栽培中に水やりは必要ですか?

A:露地栽培においては、雨によって土壌に水が染み込んでいるため、基本不要です。しかし、あまりにも雨が降らず暑い日が続いている(3〜5日程度)、葉が萎れるしおれる場合には、畝全体が湿るくらいに水やりをしてください。逆に水をあげすぎると過湿状態となり、病気にかかりやすくなるため注意が必要です。

ちなみにハウス栽培においては、ほぼ毎日水やりをしなければトマトがうまく育ちません。ハウスの場合は、光合成が促進され必要とする水の量も多くなることから、少量多頻度での潅水がおすすめです。

プランター栽培・袋栽培(バッグ栽培)では、用土の量や質、天候にもよりますが植え付けして根が活着してからは、用土の乾き具合とトマトの萎れ具合を確認して水やりをします。用土の表面が乾いていても、土中には水がある状態であれば、水やりをしなくても問題ありません。重要なことは植物がどのくらい萎れているかです。

目安としては、春から初夏は週に1回〜2回、盛夏〜晩夏は週に3回〜5回程度の頻度になります。1回にやる水の量は、プランターや袋から水が染み出してくるくらいの量です。水やりは、日の出くらいの時間帯に行いましょう。午後〜夜に水やりをすると、過湿となり、病気になったり、徒長しやすくなったりします。

全てに共通して言えることは、水やりをしすぎて過湿状態にしないことです。

仕立て・誘引

植え付けられたトマトは、光合成を活発に行い、どんどん生長します。生長に伴い、主枝(一番太い枝、茎のこと)から「わき芽」と呼ばれるものが出てきます。これが大きくなったものが「側枝(わきの枝)」です。「側枝」を主茎と同じくらい育てて2本の枝に果実を着ける生産方法を「2本仕立て」と言います。

編集さん
編集さん

仕立ての本数は、品種や栽培方法によって異なります。どれが正解ということはありません。ご自身に合ったやり方を見つけていくことが必要です。まずは、1本仕立てで始めてみると良いのではないのでしょうか?

家庭菜園など小規模な生産においては「1本仕立て」、つまり主枝のみ残して栽培する方法が主流です。そのため、わき芽は小さいうちにかき取ることになります(わき芽かき)。これは、栄養分を分散させずに行き渡らせるためです。農家であれば、トマトの状態を見ながら栄養生長、生殖生長のバランスをとって栽培することができるので、2本、もしくは3本仕立てにすることも多いです。

誘引は麻ひもや園芸用ワイヤーなどを使用して、茎と園芸用支柱を縛ります。縛り付ける位置は、トマトの成長に合わせて20cm程度の間隔を空けながら誘引すると良いでしょう。

誘引のポイント
  1. 生長点(植物の一番上の小さい葉が展開しているところ)付近には誘引しないようにしましょう。
  2. 誘引をするときには、茎が太くなることを想定してゆとりをもった8の字形にしましょう。茎側の輪はゆるく縛る、支柱側の輪はキツく縛るイメージです。
誘引の様子
編集さん
編集さん
園芸支柱にそのままくくりつけることができるクリップ「くきキャッチ」の商品画像です。
くきキャッチの使用した誘引の画像です。

園芸支柱にそのまま誘引、固定するためのクリップ(品名:くきキャッチ など)などの便利グッズも発売されていますので、麻ひもなどによる誘引が面倒だと思う方は使ってみると良いでしょう。

誘引紐にくくりつけるための誘引クリップです。

私が大規模にパプリカを栽培していたときには、誘引紐を使用していました。誘引紐にくくりつけるためのクリップもあります。

わき芽かき

わき芽はトマトの成長し、節が増えるたびに出てきます。そのため、わき芽かきは晴れた日に定常的に行いましょう。わき芽は小さいうちに指先でかき取る(摘み取る)ことがベストです。少なくとも5cmくらいの大きさまでにはかき取りましょう。

トマトの芽かき
もしわき芽が大きくなってしまったら・・・

わき芽が大きくなって側枝になってしまったら、まずはその側枝をハサミなどで切って除去しましょう。このとき一気にわき芽をかき取りすぎると、トマトの植物としての成長(栄養成長)が強くなってしまい、花落ちなどが発生する可能性があるため、他のわき芽は日にちをかけて少しずつかき取っていくと良いでしょう。

芯どまり系の品種は、わき芽かきをしない

ミニトマトには、芯どまり系の品種があります(例:レジナ)。芯どまり系の品種は、わき芽かきをしません。基本的には、放任栽培とします。整枝(わき芽かき)をしてしまうと、新しく伸びる芽がなくなってしまったり、余分なわき芽が多すぎて、混み合って花つきが悪くなったりします。

葉かき(摘葉)

葉かき(摘葉)は、露地栽培においては必須の作業というわけではありません。ただし、余分な葉は病害虫の温床となることがあります。そのため、病害虫などが発生した場合には、晴れた日に葉かきをすることをおすすめします。

葉かきをする場合には、「果実がなっている、もしくは花が咲いている節よりも2段下」からの葉をかき取ります。葉が老化して黄色くなっているものや枯れているものはかき取ってしまって問題ありません。葉かきをすることによって、風通しがよくなり、病害虫に侵されるリスクが下がります。

着果処理(受粉)

着果処理とは花が咲いた頃に確実に受粉をさせて実をつけるための作業です。風や昆虫など自然の力を利用しても着果することは可能ですが、確実に収穫するためには晴れた日に着果処理を施したほうが良いです。着果処理の方法は大きく2つあります。

  1. ホルモン処理
  2. 振動処理

1. ホルモン処理

植物成長調整剤(品名:トマトトーンなど)を使用して着果処理をする方法です。花房のつぼみが3〜5花くらい開花したときに植物成長調整剤を花房全体にさっと一回〜二回吹きかけます。このとき、幼葉(若い葉)や生長点など他の部分にかからないように手で遮ってから、噴霧してください。かかると萎れてしまうことがあります。

また、植物成長調整剤を使用するときには必ずラベルをよく読み、使用濃度を確認してください(通常は100倍で希釈し、スプレーなどで噴射します)。使用するときには必ずビニールなどの手袋をしてください。

植物成長調整剤(トマトトーン)を希釈したスプレー

植物成長調整剤(トマトトーン)を噴射する様子
編集さん
編集さん

着果を良くするためには、意地を張らずにトマトトーンなどのホルモン剤(植物成長調整剤)を使用することをおすすめします。特に一番花、二番花など、栽培の初めの方の花に処理をすると、効果てきめんです。三番花以降は特に何もしなくても着果率が上がってきます。

植物成長調整剤、日産化学 トマトトーンスプレーの画像です。

スプレータイプのトマトトーンは、希釈が不要でそのまま使えるため便利ですよ。家庭菜園ではおすすめです。

やってはいけないこと

「日産トマトトーンスプレー」は、適用作物が「トマト」のみとなっております。メーカーである住友化学園芸株式会社に問合せたところ「適用作物はトマトのみとなっており、法律上(農薬取締法上)ミニトマトには使用できない」とのことでした。農薬取締法上、ミニトマトなど他の果菜類には使用してはいけませんので、ご注意ください

但し、元の薬剤である「トマトトーン」はミニトマトやナスなど他の果菜類への適用も許可されています。気になる方は「トマトトーン」をご購入のうえ、希釈してご使用ください。

やってはいけないこと

植物成長調整剤は日を開けて重複処理すると空洞化などの異常をきたしますので、必ず一度に留めてください。印を付けたり、植物成長調整剤を使用するときに食紅を混ぜるのが効果的です。

ここで注意したいことは、大玉中玉トマトとミニトマトでは、かけていい回数の数え方が違う点です。

  • 大玉中玉トマト:1花房につき1回
  • ミニトマト:1花につき1回

トマトトーンに限らず、薬剤を使用するときには、ラベルなどに記載されている使用方法をよく確認しましょう。

2. 振動処理

植物成長調整剤を使わずに着果処理する方法として、振動処理があります。その名の通り、花房の開花時に毎朝一回程度、支柱を数回叩いて振動を与え、花粉を飛びやすくする方法です。

追肥(肥料)

トマトは元肥だけでは栄養分が不足し、追肥で育つ植物です。そのため継続的な追肥が必要となります。下に追肥の一例を紹介します。

追肥の一例
  • 第一回追肥
    第一果房(一番目に付いた果実)がゴルフボール大くらいの大きさになったら畝の両側に施肥します。マルチを剥がすか、穴を空けて株の近くの畝の端に施肥をしましょう。
    肥料(全種類施用)施用目安量(畝の長さ1メートル当たり)
    油かす約50g程度
    化成肥料約30g程度
  • 第二回追肥
    第三果房がゴルフボール大くらいの大きさになったら、一回目と同じ方法、施肥量で施肥します。マルチを剥がすか、穴を空けて株の近くの畝の端に施肥をしましょう。
  • 第三回以降の追肥
    生育の様子を見ながら半月に一回程度、畝の両側に施肥します。マルチを剥がすか、穴を空けて株の近くの畝の端に施肥をしましょう。
    肥料(全種類施用)施用目安量(畝の長さ1メートル当たり)
    化成肥料約30g程度

グラムの目安は、下記を参考にしてください。

種類大さじ1杯小さじ1杯一握り
堆肥約100g
化成肥料約15g約5g約30g
苦土石灰約20g約8g約40g
油かす約20g約8g約40g
草木灰約30g

摘果

適切な生長管理のため、果実がゴルフボール大くらいのときに形の良いものを1果房あたり4個程度残して、ほかは摘果(実を除去)しましょう。特に「裂果」と呼ばれる果実が割れているものや「尻腐れ果」、「乱形果」など異常がある果実は必ず摘果するようにしてください。摘果は、晴れた日に収穫バサミや剪定バサミなどで行いましょう。

摘果はもったいなくありません。摘果することで逆に全体の収穫量が増えます!

摘芯(摘心)

収穫果房の限界が見えてきたら、摘芯をして残りの栄養成分を現時点で付いている果房に回します。摘芯とは、植物の最上部の生長点(枝が伸び、葉が生成される場所)を切除し、植物の栄養成長を止めることを言います。

収穫果房数(収穫ができる段数)は一般的には4〜5段です。上手い人は6〜7段まで収穫することが可能です。逆に早めに切り上げてしまっても構いません。

着果目標の最上段の花房の上に2枚程度、葉を残し、その上の生長点などを指先で摘み取ります。5段までを着果目標にした場合、5段目の上に2枚程度、葉を残すと良いでしょう。

編集さん
編集さん

手が届かなくなるくらいの高さまで育てられたら万々歳ですよ!

除草・病害虫管理

放っておくと畝の周りに雑草が生い茂ってきます。雑草は害虫生息の温床にもなるので、こまめに抜き取ることをおすすめします。小さい面積の場合は手や鎌で、広い面積の場合は背負式の草刈り機などで行うと良いでしょう。また、畝の通路に防草シートを敷くことや農耕地用除草剤を使用することも有効です。

病害虫と聞くと少し怖いですよね。しかし、病害虫に対して適切に処理することでまん延を防ぐこともできます。「トマト・ミニトマト栽培の生理障害・病害虫管理」にトマト・ミニトマト栽培の主な生理障害、病害虫の対処方法をまとめました。症状などと照らし合わせながら、適切な対処を行いましょう。

生理障害・病害虫管理のポイント
  • 害虫(アブラムシアザミウマカメムシなど)を見つけた場合には必ず除去してください。害虫は病気を運んでくることも多いため、感染予防にも繋がります。
  • 生理障害を起こさないように植物の状態を適切に保ちましょう。特に追肥、手入れ(芽かきや摘果など)は重要です。生理障害を起こさないことで病害虫発生の予防にもつながります。
  • 葉の先端が枯れる(葉先枯れ)事象は、カリウム欠乏であることが多いです。
  • 高温障害が発生する可能性があります。高温で日差しが強い日が続くと葉に日焼けが生じたり、硬化・尻腐れの果実、花落ちも増えます。
  • 尻腐れ(カルシウム欠乏)は、カルシウムが不足している可能性もありますが、土壌水分が不足している可能性も高いです。しっかりと水やりをするようにしてください。

トマトの収穫作業

開花後55から65日ほどで収穫することができます。花の「がく」が反り返ったら収穫適期です。トマトは、昼間に光合成で作った養分を夜間、実に蓄えるので、早朝に収穫すると良いです。収穫バサミなどで切って収穫するか、離層と呼ばれる取れやすい節の部分から引き取るとかんたんに収穫することができます。

トマト栽培の気をつけるポイント!

着果は確実に行う!

「勝手に着果して実が収穫できるだろう」と思われます。たしかに昆虫や風の力によって受粉できますが、確実に実を収穫したい場合は花付近を手で揺すって受粉を促す、ホルモン剤処理をすることをおすすめします。

葉かき、脇芽かき、摘果は確実に行う!

「せっかく育ってきた葉や出てきた芽、ついた花(実)を落とすのはもったいない!」。気持ちはすごくわかりますが、行わないことによって逆にトマトの生育状態が悪くなり収穫量が減ります。上で説明した方法に従って、必ず作業を行いましょう。

トマトは過湿に弱い!

トマトは水のやりすぎや雨などによる過湿に弱いです。畝の立て方や雨よけの設置などで対処することができます。適切に対処し栽培すると実割れや疫病を防ぐことができ、綺麗なトマトが作れます。

その他トマト栽培のポイント!

  • 家庭菜園初心者の方は、ミニトマト栽培をおすすめします。一般的にトマト栽培はミニトマト栽培よりも難しく、管理作業もしっかりやらないと良いものが収穫できません。
  • 強い光、昼夜の気温差を好み、多湿を嫌います。
  • トマトは、日射量を多く必要とする作物です。日照が不足すると徒長気味(茎や葉が必要以上に伸びる)になったり、結実、果実肥大が悪くなります。
  • 過湿に弱いため、地下水位の高い圃場や水はけの悪い土壌では畝を高めにするなど対策が必要となります。潅水(水やり)も一度に水をあげるよりは、少しずつ複数回に分けて行うほうが良いです(少量多頻度潅水)。
  • 種まきから植え付けまで、植え付けから収穫開始までの各期間は2ヶ月ほどかかります。
  • 露地栽培の場合、うまく栽培ができれば暑い夏が終わった9月下旬、10月でも果実をつけ、収穫することができます。
  • 急激な温度変化や最高・最低気温の推移に気をつけましょう。日中は30℃以上を超えると節間が伸び、着果や肥大が悪くなったりします。夜は、夜温が高すぎると徒長気味になりやすいので、生育適温にあった環境制御、シーズンを選んで栽培をすると良いでしょう。
  • トマト・ミニトマト栽培はハウス栽培(施設栽培)、露地栽培どちらでも栽培することができます。
  • ご家庭では、ベランダでのプランター、鉢による栽培、袋栽培、水耕栽培も可能です。
  • 安定的な品質、収量を得るためには、芽かき、整枝、摘果などの作業が重要となってきます。手をかけた分だけ良いものが穫れるので、可能な範囲で管理作業を実施しましょう。
  • 連作障害が起きやすい植物です。連作障害により最悪の場合、トマト・ミニトマトが枯れる場合があります。ナス科の植物(ピーマンやナスなど)を同じ土で連続して栽培することは極力避けましょう。土壌消毒や微生物、有機物による土作りにより、連作障害を防ぐ方法もあります。

トマト栽培の生理障害・病害虫管理

トマト・ミニトマトを栽培していると、いろいろなトラブルが発生します。しかし、適切な対処方法を知っていれば慌てる必要はありません。代表的な生理障害と病害虫を列挙しますので、参考にしてください。また、各病害虫の詳細については、リンク先の記事をご覧ください。

主な害虫

主な病気

  • モザイク病
  • うどんこ病(うどん粉病)
  • 葉かび病
  • 灰色かび病
  • 菌核病
  • 根腐病
  • 萎凋病
  • 根腐萎凋病
  • 半身萎凋病
  • 褐色根腐病
  • 灰色疫病
  • 根腐病
  • 根腐疫病
  • 黒点根腐病
  • 白絹病
  • 立枯病
  • 疫病
  • 黄化えそ病
  • 黄化葉巻病
  • 茎えそ細菌病
  • 黒斑細菌病
  • 斑点細菌病
  • 軟腐病
  • かいよう病
  • 青枯病
  • 輪紋病
  • 斑点病
  • 白星病
  • 炭そ病(炭疽)
  • 褐色輪紋病

主な生理障害

  • 窒素欠乏/過剰
  • アンモニアガス障害
  • 亜硝酸ガス障害
  • 亜硝酸過剰
  • リン酸欠乏/過剰
  • カリウム欠乏
  • カルシウム欠乏/過剰
  • マグネシウム欠乏
  • 鉄欠乏
  • マンガン過剰
  • ニッケル過剰
  • 低温障害
  • 炭酸ガス過剰
  • すじぐされ果
  • 徒長苗
  • 老化苗
  • 異常茎(めがね)
  • 乱形果
  • 窓あき果
  • 先とがり果
  • 裂果

トマトとは

作物名科目原産地育てやすさ種の価格の価格(円/1粒)苗の価格の価格(円/1苗)収穫までの日(目安)栽培できる地域作型栽培方法土壌酸度(pH)連作障害発芽適温生育適温日当たり光飽和点
トマトナス科南アメリカ★★★★☆10円〜50円程度200円〜1,000円程度開花から40日〜60日全国促成栽培
半促成栽培
抑制栽培
など

露地栽培
プランター・鉢植え栽培
雨よけ栽培
施設栽培養液栽培
養液土耕栽培

6.0〜6.5あり(3〜4年)25〜28℃10〜30℃日なた70klx

トマトは、南アメリカのペルー・エクアドルなどのアンデス山脈高原地帯原産の作物です。日本では糖度の高いフルーツトマトやミニトマトが注目されていますが、昔ながらの味わい深いトマトも根強い人気があります。レシピも豊富にあるのでいろいろな楽しみ方ができます。

「トマト」と「ミニトマト」、「フルーツトマト」などは何が違うの?

トマトは、品種によって収穫できる果実の大きさや味の特性がほぼ決まっており、大玉トマト、中玉トマト、ミニトマト(プチトマト)、フルーツトマトなど多種多様な呼ばれ方をされます。しかし、基本的な栽培の考え方は同じです(厳密には、品種によって微妙に異なったり、栽培方法のノウハウがあります)。

但し、ミニトマトよりトマトのほうが栽培が難しいです。理由としては、トマトのほうが着果したときの負担(着果負担といいます)が大きいためです。わき芽かきや摘果などを的確に行わないと、大きな果実が収穫できなかったり、生長のバランスが崩れて葉だけ生い茂ってしまったりします。また、実に含まれる水分量が急激に多くなると裂果が起こったりするため、土壌水分管理も重要となってきます。

ミニトマトは、トマトに比べて放任していても、ある程度、実を付けながら生長してくれます。初心者の方は、ミニトマトから始めてみるのが良いかと思います。

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