里芋(さといも)栽培では、イモを大きくするために、「芽かき」という作業をするのが一般的ですが、必ず必要なのでしょうか。
ここでは里芋栽培の芽かきの必要性や、芽かきをする場合のタイミングや、やり方についてわかりやすく説明します。
里芋の芽かきとは
芽かきとは、不要な芽を取り除くことで、通常わき芽を取り除くことから「わき芽かき」や「摘芽」とも呼ばれます。
里芋栽培の芽かきは、「種芋からでた芽」と「子イモ、孫イモからでた芽」に行われます。種イモからは本来1本しか芽(頂芽)がでませんが、頂芽が弱い場合などに複数芽がでることがあります。この場は、育ちの良い太い芽だけを残し他の芽をかきとります。
その後子イモや孫イモからでた芽もかき取ることで孫イモが大きくなります。芽かきをすることで、葉や茎に行く栄養がイモに集中するため大きなイモが収穫できます。
里芋の芽かきは必要?
では里芋栽培では、芽かきは必要なのでしょうか。答えは、必須ではありません。営農農家では、太った形のよい里芋を育てるため、親イモからでた芽だけでなく、子イモや孫イモからでた芽も、芽かきをして育てるのが一般的です。
しかし芽かきをしないで育てると、小さなイモがたくさんできます。家庭菜園などでは、大きさや形にこだわらないのであれば芽かきはせず、小さなイモを多く収穫するのもよいでしょう。本来種イモからは芽は1本しかでないので、できれば種イモから複数芽がでたときは、芽かきをするのがおすすめです。
大きなイモを収穫したい場合には、大きな種芋を使うと芽かきをしなくとも大きなイモができます。
里芋の芽かきのやり方
芽かきのタイミング
種芋の芽かきは、植えつけから5月下旬頃に本葉が3枚~4枚ぐらい出てきた頃に行います。子イモや孫イモから出た芽は、追肥や土寄せのタイミングで行うとよいでしょう。
芽かきの方法
種いもからでたわき芽は、手で引き抜くか、鎌やハサミなどで切り取ります。手で抜く場合は、イモを掘り出さないように注意しましょう。
子イモや孫イモから出た芽は、根元からハサミや鎌などで切り取ります。小さな芽であれば倒して土寄せして埋めてもよいでしょう。
里芋の栽培について
里芋(サトイモ)の基礎知識
里芋は、熱帯では多年草ですが、日本では冬が低温になるため1年草として栽培されます。種イモの上に親イモができ、その周りに小イモ、孫イモができます。品種により子イモを食べるもの、親イモ・子イモ両方を食べるものがあります。
栽培は、4月~5月に種いもを植え付け、10月下旬ごろから収穫します。栽培期間は半年ほど。熱帯が原産の里芋は高温多湿を好み、乾燥には弱い野菜です。寒さに弱いので、遅霜の心配がなくなってから植えつけ、夏の乾燥時の水切れに注意して育てましょう。
作物名 | サトイモ |
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属名 | サトイモ科サトイモ属 |
原産地 | インド東部~インドシナ半島 |
発芽温度 | 15~30℃ |
生育適温 | 25〜30℃ |
栽培難易度 | 普通 |
畑だけでなくプランター栽培も可能です。またリボベジで里芋の皮から観葉植物用の葉を育てることもできます。
肥料について
里芋は、栽培期間が長いため肥料の与え方が大切です。野菜用の肥料をつかうか、サトイモ用の専用肥料もあります。おすすめの肥料や与え方については詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください
病害虫・除草
里芋は病害虫には比較的強い野菜ですが、害虫ではアブラムシ類、コガネムシ、ハダニ類、ネコブセンチュウ、ハンスモンヨトウ、セスジスズメなどがつくことがあります。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。水やりのときに、葉の裏をシャワーのように洗いながすようにすれば、虫が付きににくくなります。
病気は、黒斑病や、軟腐病、疫病などにかかることがあります。連作障害などで起こることが多いので、同じ場所での栽培は3年~4年ほどあけるとよいでしょう。プランターでは新しい土を使いましょう。
栽培期間が長く、雑草が畑に生えると 里芋の収穫に影響を及ぼします。防除の方法はいくつかありますが、除草剤を使うことで効果的に雑草を防除することができます。