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多肉植物

多肉植物の害虫対策 発生しやすい害虫とその対処法・虫除けの方法

多肉植物 多肉植物

多肉植物は日を当てるために屋外で栽培していると、さまざまな害虫が発生してしまうことがあります。ここでは多肉植物によくつく害虫や発生した場合の対処法や虫よけ対策について説明します。

多肉植物の害虫の種類と対処法

まず最初に、多肉植物には、どんな害虫がつくのでしょうか。虫の種類別に虫がついたときの対処法とともに説明します。

カイガラムシ

カイガラムシは、カメムシ目ヨコバイ亜目腹吻群カイガラムシ上科に属する昆虫で、多くの種類が存在し色や形もさまざまです。名前のとおりカイガラ状の殻がある卵や成虫で、薬剤を散布しても防除が難しい害虫として有名です。

カイガラムシは直接植物の汁を吸う(吸汁)で、多肉植物の変色・変形・斑点の原因になる食害があり、さらに甘露の排泄物を葉や枝、幹に付着させる事で表面に「すす病」が発生して黒く汚れてしまいます。

対処法としては、ブラシや、べら、濡れたカーゼなどでこすり落とします。

ハダニ

キュウリに発生したナミハダニ
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集 ナミハダニ

ハダニはダニの仲間で、クモの仲間、ハダニ上科に属します。体長は0.3~0.8mmと非常に小さく、吐糸管から糸を出すため、英名は「Spider mite」と呼ばれています。ハダニは卵期間2~3日、幼虫~若虫期間6~7日で成虫になる、成長サイクルが早く、大量発生しやすい害虫です。

ハダニは直接植物の葉、果実の汁を吸うこと(吸汁)で、小さな白班が点々とできてしまいます。吸汁が増えると多肉植物の株、葉茎の伸長が悪くなり、最悪、落葉したり、枯れてしまいます。

1箇所に大量発生するとハダニの移動性が高まり、あっという間に周りに被害が広がっていきます。このため、早期発見、早期防除が非常に大事です。

対処法は、発生したらなるべく早く殺ダニ剤などを散布して駆除しましょう。ハダニは薬剤が効かない抵抗性ハダニが発生しています。ハダニの対処法については、詳しい記事がありますので発生して困っている時など参考にしてみてください。

アブラムシ

ネギに大量に寄生するネギアブラムシ
出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

アブラムシはカメムシ目のアブラムシ上科に属する昆虫です。世界に4700種、日本にも700種以上いるといわれていて、大きさも色もまちまちで、非常に繁殖力の強い昆虫です。

アブラムシは直接植物の汁を吸うことで作物に害を与えるだけでなく、ウイルスを媒介したり排泄物を作物にかけ、黒いすす状のカビを増殖させたり、光合成が妨げられて作物の生育を悪化させます。

発生時期は、暖かくなってきた頃に急速に増えるアブラムシは1匹でもウイルスを感染する力をもっているので、よく観察し早期発見、早期防除を心がけましょう。

対処法としては、発生していまった場合には殺虫剤が有効です。アブラムシはキラキラ光るものやくん炭、木炭、木酢(炭の煙、水蒸気で出来たもの)の匂いが苦手だったり、逆に黄色いものが好きだったりといった習性があります。この習性を利用して、アルミホイルを株元に敷く、くん灰を置く、木酢、ニームオイル原液を希釈してスプレーで散布することで防虫することができます。

ヨウトウムシ

葉の上にいるハスモンヨトウ(ヨトウムシ)の幼虫

日中は見えず、夜中に活動して多肉植物の新芽や柔らかい茎を食べてしまう厄介なヨトウムシ(夜盗虫)は、主に、ヨトウガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウの幼虫を指します。

ヨウトウムシは、雑食でかなりの広範囲の食物を食害します。昼間は鉢底に隠れていて見つけにくいので、葉が食害されていたら鉢底を探して、ピンセットなどで取り除きます。

殺虫剤を使用するときには幼虫時期に散布することが大切です。ヨウトウムシの対処法は詳しい記事がありますので大量発生して困っているときなど参考にしてください

ナメクジ

地面にいるナメクジの画像です。

ナメクジは梅雨時期と9月~10月に活動が活発になります。ナメクジはカタツムリの一種で、日本で見られるのはチャコウラナメクジ(コウラナメクジ科)が有名です。チャコウラナメクジはヨーロッパからの外来種で、農作物や花木等の園芸植物に食害をもたらします。エケベリアやメセン類が被害にあいやすいです。

ナメクジは乾燥、高温を苦手とし、日中は落ち葉や鉢の下に潜んで生息しています。夜になると活動する夜行性です。移動の際に粘液を出すため、移動した(這った)部分が粘液でわかるのが特徴です。

対処法としては、ヨウトウムシと同様夜行性ですので、ナメクジが這った後がわかったら鉢底を探して、捕殺します。酢を2倍程度に希釈した液体をスプレー等で直接散布、また塩を直接かけると浸透圧により、ナメクジの体内の水分が放出され、活動を持続することができなくなります。

多肉植物の虫よけ対策

カイガラムシ・ヨウトウムシ・ナメクジは、日当たりが悪く、通気性のない湿気のある場所を好みます。虫除け対策としては、日当たりがよく通気性の良い場所で管理します。鉢をスタンドや台、レンガなどを使って、鉢やプランターを地面から浮かせることも効果的です。

アブラムシはキラキラ光るものやくん炭、木炭、木酢(炭の煙、水蒸気で出来たもの)の匂いが苦手だったり、逆に黄色いものが好きだったりといった習性があります。この習性を利用して、アルミホイルを株元に敷く、くん灰を置く、木酢、ニームオイル原液を希釈してスプレーで散布することで防除することができます。

このほか多肉植物には根に発生する白い虫(ネジラミ)、ワタムシなどが発生する恐れがあります。殺虫殺菌剤は幅広い害虫に効果がある(殺虫スペクトラムを持つ)ものも多いので、うまく活用してください。

また多肉植物は虫が付きにくい、水栽培(水耕栽培)でも育てることができます。多肉植物のサボテンの水栽培や、多肉植物のハイドロカルチャーの記事もありますので興味があればご覧ください。

多肉植物におすすめの殺虫剤

殺虫剤を使う時には、それぞれの殺虫剤の適用害虫を確認してから害虫に合った殺虫剤を使うことが大切です。浸透性があると書かれているものは、葉の表面に殺菌剤をかけると葉の裏面などにも浸透して、効果が一定期間続くため予防にも役立ちます。

ベニカXファインスプレー 

ベニカXファインスプレーは、クロチアニジン・フェンプロパトリンを含む病害虫に効果のある殺虫・殺菌剤です。観葉植物の適用害虫にアブラムシ・ハダニ・ヨトウムシがあり、多肉植物のかかりやすい病気のうどんこ病灰色カビ病も適用されています。

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多肉植物を育てている方は、オルトランを使われている人も多いようです。オルトランは殺虫剤です。オルトランの中では、GFオルトラン水和剤はアセフェートを原料としており、観葉植物の適用害虫が一番多く、アザウマ類・アブラムシ・ヨトウムシ・アオムシが適用害虫となっています。

カイガラムシエアゾール

ベニカには、カイガラムシは適用害虫がないためカイガラムシの駆除にはカイガラムシエアゾールなどがよいでしょう。

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まとめ

多肉植物は、種類が多く生育型もさまざまです。害虫は数が少ないうちに対処して対策することが大切です。なるべく植物を観察して虫が発生したらすぐ駆除することを心がけてください。

せっかく大切に育ててきた多肉植物を、病気や害虫のせいで弱って枯らしてしまうのは悲しいです。でも多肉植物は生命力の高い植物です。諦めないで対処すれば、復活して丈夫に元気に育ってくれます。また多肉植物は葉一枚からも目がでたり、子株が横からでて群生するタイプでは、株分けや挿し木で増やすことも簡単な品種も多くあるため、親株が駄目になってもあきらめないでください。

ぜひ日ごろから、多肉植物を観察して虫に食べられないよう、しっかり管理してあげてください。また多肉植物がかかりやすい病気や復活の方法はこちらで詳しく説明しています。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
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