ハダニは大量発生しやすく、あっという間に広がってしまむ厄介な害虫です。ここではハダニとはどういう虫なのか、その特性と、トマトに発生するハダニを駆除、防除するためのおすすめ農薬を紹介します。また、農薬を使わないで防虫する、防除方法もあわせて紹介します。
トマトで使えるハダニに効く農薬
ハダニは生育サイクルが早く、抵抗性が持ちやすく、すでに薬剤に耐性を持つものもいます。以下の代表的な農薬の種類と種類別の対応表を参考に、ローテーション活用など、IPM(総合的害虫管理)をお勧めします。
トマトで使える、ハダニに効く農薬一覧
トマト栽培で使用できるハダニ用の農薬は以下が代表的です。
※記載事項が変更、修正されている場合があります。使用する際にはラベルをよく読み、用法・用量を守ってお使いください。
上記の農薬は水で溶かして薄めて使用する液剤や水溶性の粉剤、粒状タイプです。希釈方法等については下記をご参考ください。
そもそも、ハダニはどういう害虫?
ハダニとは?
ハダニはダニの仲間で、クモの仲間、ハダニ上科に属します。体長は0.3~0.8mmと非常に小さく、吐糸管から糸を出すため、英名は「Spider mite」と呼ばれています。ハダニの種類は非常に多く、主なものでは、ミカンハダニ、カンザワハダニ、ナミハダニなどがいます。農業上でよく問題になるハダニは赤いアカダニ(ミカンハダニ、カンザワハダニ、リンゴハダニなど)を指すことが多いです。(チャノホコリダニは乳白色です)
トマトには、カンザワハダニ、ミツユビナミハダニの被害が多くあります。
高温と乾燥した環境を好み、雨が苦手なため、ハウスはハダニが繁殖する格好の場所と言えます。ハダニは卵期間2~3日、幼虫~若虫期間6~7日で成虫になる、蛹を経ない不完全変態で、成長サイクルが早く、大量発生しやすい害虫です。
どうしてハダニは害虫なのか?
ハダニは直接植物の葉、果実の汁を吸うこと(吸汁)で、小さな白班が点々とできてしまいます。吸汁が増えると植物の株、葉茎の伸長が悪くなり、最悪、落葉したり、枯れてしまいます(枯死)。
1箇所に大量発生するとハダニの移動性が高まり、あっという間に周りに被害が広がっていきます。このため、早期発見、早期防除が非常に大事です。
抵抗性ハダニの対処法
抵抗性ハダニとは、農薬の種類、活用が増えることで、たまたま耐性があって生き残った特定の農薬が効かない性質のハダニが、世代を重ねて集団化したものです。
ハダニは発育スピードが速く、短期間で世代を繰り返すため、ほかの害虫より抵抗性の発達スピードが速い害虫です。
殺虫剤を散布しても、翌日集団でハダニが生息している場合は、抵抗性を疑ってよいでしょう。
ハダニの防除は、お使いの農薬のRACコードを確認して、タイプの異なる殺虫剤のローテーション散布を心がけること、下記の生物的、物理的、耕種的防除法を取り入れたIPM防除体系を組んで、統合的に実践することが重要です。
有機JAS縛りでハダニ駆除に使える農薬
有機JASで使用できる農薬の代表的なものは、生物農薬が挙げられます。生物農薬については下記に詳しく、具体的な製品も紹介していますので、ご参考ください。
また、還元澱粉糖化物を有効成分とする農薬、商品名だと、「キモンブロック液剤」「ベニカマイルドスプレー」「ベニカマイルド液剤」もハダニ駆除に使えます。
またマシン油乳剤は、薬剤抵抗性発達の恐れもないのでハダニ駆除には積極的に使われています。マシン油乳剤には様々な種類があり、「ハーベストオイル」「スプレーオイル」「アタックオイル」などがあります。
その他、ヤシ油を原料にした食用油脂の脂肪酸グリセリドを有効成分とした「サンクリスタル」や微生物由来の「コロマイト」などもきゅうりに使うことができます。
こちらの農薬検索サイトでは、有機栽培仕様可能薬剤(推定)も調べることができます。
無農薬でハダニを駆除する方法
天敵防除
カンザワハダニ、ナミハダニ、ホコリダニの天敵はカブリダニ類(ミヤコカブリダニ、チリカブリダニ、スワルスキーカブリダニ)がいます。
きゅうり栽培と異なり、トマト栽培ではスワルスキーカブリダニは適応性が低いため、使用は控えるようにしましょう。
物理的防除
ハダニの発生は、育苗時に発生した苗から持ち込まれることが多くあります。移植時には、葉裏を細かくチェックし圃場に持ち込まないことや、周辺の雑草が発生減ともなりますので、雑草の除去も大切です。またハダニは乾燥を好みますので湿度にも注意しましょう。
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「農家webかんたん農薬希釈計算アプリ」は、使用する農薬の希釈倍数を入力し、散布する面積などから薬量・液量を算出します。面積の単位や薬剤の単位も簡単に行えます。
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