この記事では、芝桜に適したおすすめ肥料の一覧と与え方、育て方における注意点・コツを網羅的に解説します。
芝桜に使える肥料は、どんな種類があるの?
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
植物に肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
芝桜に対する肥料のやる時期と頻度
それでは、芝桜の肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか?
下記に芝桜の一般的な肥料のやる時期をまとめました。芝桜は他の植物と比較して、それほど肥料は必要なく、3月が適期になります。下のスケジュールを参考にしてみてください。
- 春3月頃に肥料やり
芝桜に肥料をやるのは、原則3月のみです。この時期に、緩効性の固形、粒状の肥料を土の上においてください。堆肥や油かすなどの有機肥料も有効です。
液体肥料など速効性のものは、肥料が明らかに足りていない時のみ使用するのがベターです。肥料焼けする危険性の方が高くなります。
また、夏に向けて雑草が増えてきますので、芝桜が密集するまでは、適時草むしり、草とりして雑草を抜き取ってください。
- 夏
- 秋肥料は不要
肥料をこの時期にやる必要はありません。
- 冬肥料は不要
肥料をこの時期にやる必要はありません。
芝桜の元肥、追肥に使えるおすすめの固形肥料 3選!
固形肥料は、液体肥料(液肥)と比べ、緩効性・遅効性の肥料が多くなります。植え付け時、植え替え時の元肥として使用できます。また、観葉植物の生育が始まる春先から、用土の上に置けば2ヶ月以上効果が持続する追肥として使用できる肥料もあります。効果的な使い方ができるひまわりにおすすめの固形肥料をご紹介します。
花ごころ まくだけ!花と野菜の肥料
非常にメジャーな、どんな草花・野菜にも使える緩効性の肥料です。 天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を傷めません。チッソ・リンサン・カリの三大要素を均一にバランスよく配合しています。腐植が土壌の団粒化を促すので、土壌改良にも役立ちます。
ハイポネックス マグァンプK
ハイポネックスジャパンが販売する元肥用の定番の粒状肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていて、元肥に申し分ありません。土にしっかり混ぜて、大粒で約2年、中粒で約1年、生長効果が持続します。マグァンプK 小粒は追肥に有効です。
肥料焼けも起こしにくく、元肥としてとても扱いやすい肥料です。また、春の緩効性の追肥としても土面に撒いて使用できます。観葉植物の元肥して使用する場合は、中粒がおすすめです。
また、追肥としては肥効が約2ヶ月続く、マグァンプK 小粒がおすすめです。
花ごころ グリーンそだちEX IBのチカラ
花ごころの「IBのチカラ グリーンそだちEX」は、花にも野菜にも使用できる肥料です。N-P-K=10-10-10であり、バランス良く配合されています。花ごころは、バラや花に効く肥料を中心に様々な商品を販売しています。
IBとは、イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した肥料のことで、とてもゆっくり溶け、流れ出るため植物の根に優しく、肥料成分が無駄なく吸収される特性があります。
本製品は無臭で、花付きをよくするリンサン成分など、3つの成分をバランスよく配合した肥料です。ひまわり(向日葵)は勿論ながら、ほとんどの植物にお使いいただけます。
防ぎたい!芝桜に肥料をやるときの注意点
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根腐れして草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
球根系から播種系、アサガオやシクラメン、ポインセチアなど様々な植物のおすすめ記事があります。
芝桜の栽培で気をつけたいポイント・育て方のコツ
梅雨前に刈り込みをしましょう
芝桜の手入れで非常に重要なのが、梅雨前の刈り込みです。開花後に茶色くなって枯れる6月の時期に、枯れた花がら、枝を切るようにして刈り込んで草丈を抑えるようにしてください。
刈り込むことで梅雨時期に芝桜の株が高温多湿で蒸れるのを防ぎ、刈り込んだ後から新芽が出てきて、常緑を保ち、翌年さらに素晴らしい花を咲かせることができます。
刈り込む方法は、小規模の場合は剪定バサミを使って、中規模以上の場合は刈払機を使うのがおすすめです。刈払機については、下記に詳しく説明しているのでご参考にしてみてください。
株元がはげてきたら目土を
株元がはげて、地面と茎の間に隙間、間隔が目立ってきている場合は、芝生と同様、目土してください。目土とは、上から目土専用の土をかぶせ、茎と地面を覆うことを言います。こうすることで、茎から地下に根が下りて活着し、新芽もできやすく茂るようになります。
普通の土(そこらのへんにあるような土)を使うのは駄目ですよ!
害虫に気をつけましょう
芝桜に限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ、オンシツコナジラミ、幼虫が特に梅雨明けの高温多湿の時期に発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が葉っぱなどに発生した時は、殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。
どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除するようにしましょう。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
さし芽、株分けで増やすことができます
芝桜は、さし芽で増やしていくことができます。秋の涼しくなってきた時期に(10月頃)培養土を入れたポットに茎の先端を5〜8cmほど切って挿します。乾いたら水をやって生長させ、成長した苗を秋か春の梅雨前に定植させたい場所に植え替えしてください。
株分けの場合は、花が咲いた後に株を分け、ポットの用土の中に埋めます。分けた直後は根を乾燥させないように、水を十分やってください。
ポットの用土は培養土のほか、赤玉土6:腐葉土2:川砂2の割合で混ぜたものがおすすめです。
まとめ
芝桜(シバザクラ)の学名はPhlox subulata、英名は「モスフロックス」、同属をまとめてフロックス(phlox)と呼ばれています。芝桜はアトロプルプレア(薄桃色)、オータムローズ(ピンク色)、モンブラン(白色)、ダニエルクッション(濃い桃色)、スカーレットフレーム(赤色)、オーキントンブルーアイ(青色)、アメージンググレース(白、ピンク)と種類もとても豊富でサクラに似たかわいい花が満開になります。
芝桜は、日当たりと風通しがよく、水はけがよい場所を好みますが、寒い時期にも暑い時期にも強いため、非常に育てやすい点も魅力的で、挿し木、株分けで増やしていくこともできます。
花言葉は「希望」、「温和」など様々な芝桜。グランドカバーにもよく使われます。庭に水はけの良い斜面、花壇など、芝桜を植えるスペースがある場合は、ぜひチャレンジしてみてください。
植物別のおすすめ肥料
農家webには、植物別におすすめの肥料をまとめている記事がたくさんあります。ぜひ参考にしてみてください。
- アジサイ
- アンスリウム
- ガジュマル
- サンスベリア
- サボテン
- シマトネリコ
- シャコバサボテン
- シンビジウム
- バラ
- パキラ
- ビカクシダ
- プルメリア
- フィカス・ウンベラータ
- ペチュニア
- ポトス
- ポインセチア
- モンステラ
- 洋ラン
- 胡蝶蘭
- 睡蓮
その他
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