ごまの栽培は、未熟果ができないように生育の途中で、茎の先端を切る摘芯(摘心)という作業を行う場合がありますが、摘芯(摘心)をしないで育てる方法もあります。
ここでは、ごま栽培では摘芯(摘心)は必要なのか、また必要な場合はいつ、どのタイミングでどのように行うのがよいのか、わかりやすく説明します。
ごま栽培の摘芯とは
摘芯(てきしん)とは、茎や枝の最先端の芽を摘む作業で、ピンチとも呼ばれます。摘芯をすることでわき芽を増やしたり、生長を止めたりすることができます。
ごまは、下から花が咲き、実がつきます。ある程度のところで先端を摘みとることで、実つきがよくなり収穫量が増え、未熟粒がなくなるので、収穫後の作業が楽になるといわれています。
ごま栽培に摘芯は必要か
ではごま栽培をするときに、摘芯は必ず必要でしょうか。答えは、必須な作業ではない。です。園芸本などをみているとゴマの摘芯の作業は、記載されていないものも多く、摘芯しなければいけない作業ではないといえます。
栽培方法はいろいろあり、農家でも、すべての茎を摘芯するのは手間がかかるため摘芯をせず、未熟粒がなるべく少なくなるように収穫時期を見極めて、選別でより分けをしている場合もあります。
ごま栽培の摘芯の方法
摘芯のタイミング
摘芯のタイミングは、草丈150cmほどか、莢が50個ほどついたころに行います。おおよそ収穫の2週間前ほどが摘芯のタイミングです。
摘芯のやり方
摘芯は、茎の先端部分を手で摘みとるか、剪定ハサミで切り取ります。剪定ハサミを使う場合は、かならず消毒をしましょう。
その他摘芯について気を付けること
摘芯をする場合の天候
摘芯など枝や茎を切るときは、天気のよい午前中に行いましょう。摘み取った部分を早く乾燥させて、病気の予防になります。
摘芯の方法について
手で摘み取る際には、指先でちぎったり、爪でつまみ切ったりするのではなく、指先で摘んだあと手首を捻って「ポキっ」と折るようにします。こうすることで切断面が綺麗になるだけではなく、切断面に病原菌が付着するリスクを下げることができます。
剪定ハサミを使用する場合は、病原菌の伝染には十分に注意しましょう。気になるようであれば、一回ごとに消毒(エタノールや次亜塩素酸カルシウム、第三リン酸ナトリウムなど)を使用すると良いでしょう。薬液を入れることで自動消毒ができるハサミ(Vカットはさみ)もあります。プロ農家はこれらを使用することも多いです。
収穫のタイミング
ごまは莢の成熟が一緒ではなく、茎の下から成熟していきます。成熟の時期が一斉でないため収穫時期を見極めるのが難しい作物です。収穫が早すぎれば、未熟粒が多くなり収穫が遅すぎると、莢が破裂して子実がこぼれ落ちて収穫量が少なくなります。
ゴマの収穫時期は、下葉が黄色く枯れ始め、茎の下部の莢が2~3個がはじけたら、上部がまだ緑色でも、株元からハサミで切り取ります。一週間ほど天日干ししてから実を取り出しましょう。
まとめ
ゴマは海外から輸入が多く、国内産のものはほとんどありません。しかし国内産のゴマは人気が高く、高収益が見込まれるとして水田輪作作物としても人気も高まっています。
家庭でも、実を取り出して選別するのに少し手間がかかりますが、栽培自体は難しくありません。人気の金ゴマや黒ゴマ、白ゴマをぜひ育ててみてください。