さつまいのも切れ端を水に浸けておくだけで、芽が出るさつまいもの水耕栽培は、最近は葉を食したり観葉植物としても人気があります。
ここでは、サツマイモの水耕栽培の栽培方法はもちろん、イモを作りたい人にも、芽出ししたつるを水耕栽培で育苗する方法までわかりやすく説明します。
さつまいもの水耕栽培について
さつまいもを育てるには、種イモから苗を育ててから土に植え付けして育てます。育苗には時間と手間がかかるため、農家でも種苗会社等から苗を購入することもよくあります。ホームセンターなどでも春になると、さつまいもの苗を見かけるようになります。
芽出しは種イモから、サツマイモ栽培用の苗をつくることです。サツマイモの切れ端を水に浸けておくだけで、3週間ほどで芽がでて、さらに1週間ほどすると葉っぱが生えてきます。さつまいもの葉は、ハート形でかわいらしいので、そのまま観葉植物として育ててもよし、葉やてんぷら茎はきんぴらなどにして食べることができるので、収穫を楽しむこともできます。
土に植え付けて、さつまいもを収穫したいという人は芽出しをして、成長してきた苗づるを切り取り、さらに水耕栽培で、育苗して根を出させてから植えつけします。採苗用のポット苗も売られているので、ここから始めてもOKです。
種イモから始めれば、安納芋や紅イモなど自分の好みのももの選べます。少量の苗が欲しい場合も、端っこだけ切っても芽出しが可能です。
それでは、さつまいもの水耕栽培の方法を、説明していきましょう。
さつまいもの芽だし 水耕栽培
水耕栽培を始める時期
サツマイモの発芽適温は20℃~28℃程度。16℃以上であれば発芽します。生育適温は25℃~30℃と暖かい気候を好みます。観葉植物や葉・茎だけを楽しみたいのであれば、この温度が保てれば育てることができます。5月以降の暖かい時期が適期でしょう。
芋を育てる場合には、5月頃に植え付ける必要があるので植え付けの1ヵ月前ほど3月~4月に、始めましょう。温度が高いほど発芽しやすいので、室内であれば暖かい場所に管理しましょう。
用意するもの
- さつまいも(切れ端でもOK)
- 容器(サツマイモが入る大きさのもの、切れ端なら浅い皿などでも)
- 水道水
- 鍋などの耐熱容器(消毒用)
手順
- 鍋に48℃のお湯を入れ、種イモとなるサツマイモが全部浸かるよう40分間つけておきます。
途中でお湯の温度が下がるので、途中で少し沸騰したお湯を足しましょう。
(必須ではありませんが、殺菌と芽出しが早くなります) - 容器にさつまいもを入れ、さつまいもが3分の1程度浸かるぐらい水を入れます。
切れ端を使う場合には、容器に断面を下にして置き、同様の水位の水を入れます。 - 暖かい場所で管理しましょう。水は毎日変えます。芽が出たら日の当たる場所で育てましょう。
さつまいもの水耕栽培 育て方
芽出し後、観葉植物や葉を楽しみたいのであれば、そのまま水耕栽培で育てます。
環境・水やり
水栽培で芽出しをすると、つるだけでなく水に浸かっている部分から根も生えてきます。ある程度根が生えてきたら、水位を下げ根の3分の2ほどが浸かる程度にして育てます。水を入れすぎると、イモが腐ったり、根腐れの原因ともなります。
さつまいもは、暖かい場所を好むので、日当たりの良い場所で育てましょう。水は2~3日に1度は交換しましょう。根腐れ防止剤としてゼオライトを入れて置く場合には、1週間に1度程度でも大丈夫です。
日に当てると、透明な器では藻(アオコ)が生える場合がありますので、水替えのときに容器も洗いましょう。アルミホイルなどで遮光するのも有効です。見栄えが気になる人は、容器ごとマグカップなどの陶器にいれて、遮光するのもよいでしょう。
肥料
水耕栽培の場合、栄養が土から得られないため肥料を使って育てます。しかしさつまいもは、イモの部分に栄養を含んでいるので、肥料は不要です。
さつまいもの育苗 水耕栽培
種イモから採苗をして、植えつける準備をしましょう。つるが伸びて、葉が8枚~10枚ほどついたら挿し苗として使えます。さし苗はそのまま植え付けることも可能ですが、節から根が生えたものを植えつけると活着がスムーズです。
用意するもの
- つるが生長したさつまいも
- ハサミ
- 容器(花瓶やペットボトルの上部を切ったものでもOK)
- メネデール(植物成長促進剤 なくても可。使うと根が張りやすくなります)
手順
- 種芋から、葉が8枚~10枚ついている元気なつるを選び、先端から7節~8節の部分をハサミで切り取ります。
- そのまま1時間ほど日陰に置いておきます
- 容器に水とメネデールをいれ、苗を入れます。
- 直射日光の当たらない場所で3日~4日ほど、そのまま育てます
- 根が少し伸びてきたら、植え付けの時期です。
土に植え付け
苗ができたら、土に植え付けましょう。畑以外でもさつまいもは、プランターや袋栽培でも手軽に収穫できます。植え付けから、収穫までは詳しい記事もありますので興味のある方はお読みください。
切れ端から水耕栽培できるもの
さつまいも以外にも、普段は捨ててしまう野菜の切れ端などを使って、再生栽培(リボベジ)の水耕栽培は人気です。
ニンジンや大根のヘタ、豆苗やカイワレ大根などのスプラウト、バジルや三つ葉などのハーブも栽培できます。またパイナップルのヘタからパイナップルを育てることもできますよ。興味のある方は下記の記事もご覧ください。
まとめ
さつまいもの水耕栽培は、水と容器さえあれば始められ栽培も簡単です。観葉植物としてもかわいいですし、家庭菜園でプランターなど育てたい人には、多くの苗はいらないという方にも、切れ端からそだてれられる分で十分な苗を育苗することができます。
観葉植物としては、サツマイモの仲間のクワズイモも水耕栽培の記事もあります。