庭木・植木の肥料は、冬の寒肥や収穫後のお礼肥が基本で、春の芽だし肥を追肥として行います。肥料は適量を守り、肥料焼けに注意しましょう。具体的な内容や時期に関する情報は本記事内で詳述しています。
肥料の時期、タイミングと肥料の種類
寒肥
寒肥(かんごえ)とは、その名のとおり寒い冬のタイミングに施す肥料のことで、時期は12~2月頃が目安です。庭木にとって寒肥はその年の1年を決める大切な肥料です。
休眠期に入っている樹木に対し、土壌中の微生物によって分解されることで養分となる有機質肥料を使うことにより、根にダメージを与えずにゆっくりと効果が発揮し、春からの花芽や萌芽に栄養を与えることができます。
有機質肥料には、油かす、草木灰、魚粉、骨粉、牛糞や鶏糞といった堆肥などがあります。化学肥料(化成肥料)を使う場合は緩効性肥料を使います。
お礼肥
お礼肥は、花後や果実の収穫後に与える肥料です。時期は、それぞれの花木や果樹に合わせたタイミングに行います。
花後や果実の収穫後に樹勢を回復させるため施す追肥で、疲労している木の回復を助けるために施すので、速効で効果のある化学肥料(化成肥料)が利用されることが多いです。化学肥料(化成肥料)は、微生物による分解を経ることなく根が肥料成分を吸収できるので、効き目が早いです。
芽だし肥 (春肥)
花や果実を楽しむ庭木・植木には、春(3月~4月)に追肥を与えます。春の萌芽期に与える肥料のことを芽だし肥料もしくは春肥といいます。
元肥だけでは栄養が不足してきた場合の追肥としては、速効性肥料などを中心に施しましょう。寒肥をしない場合には緩効性肥料や有機肥料が使われることが多いです。
最近では肥料の多様化により寒肥をせずに、春肥をする場合もあります。
肥料を扱う際の注意点
肥料焼けに注意
肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。
成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。
また、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らす工夫が必要です。
肥料の呼び名について 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。花や結実の後に与える追肥をお礼肥といったり、冬に与える追肥を寒肥(かんごえ)といったりもします。また肥料を与えることを施肥といいます。
庭木・植木へのおすすめの肥料
庭木・植木への肥料には、油粕などの有機肥料や化成肥料では、N(窒素)-P(リン酸)-K(カリ)が、8-8-8もしくは10-10-10の化成肥料を利用できます。具体的なおすすめ肥料が知りたい場合は、詳しい記事もありますので参考にしてください。
農家webでは、庭木や植木の品種ごとの肥料の記事もあります。
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