焼肉でおなじみのサンチュは、スーパーなどでは少量しかはいっていないのに、ちょっと割高にかんじませんか。サンチュは簡単に家庭で水耕栽培で育てることができます。
この記事では、キッチンスポンジをつかった、サンチュの水耕栽培の方法について、わかりやすく説明します。
サンチュの水耕栽培について
水耕栽培とは
水耕栽培は、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法の一つです。水耕、水栽培などとも呼ばれます。
水耕栽培は、野菜だけでなく果物や花など、様々な植物を衛生的簡単に育てることが可能です。プロの農家だけではなく、家庭菜園・園芸でも人気の栽培方法で、最近では室内やベランダなどで簡単にできる水耕栽培キットが人気です。
野菜の切れ端をつかった再生栽培(リボベジ)の水耕栽培も人気があり、水と容器だけで始められるので初心者の人も手軽に始められます。
サンチュの水耕栽培の難易度と始め方
サンチュはチマサンチュとも呼ばれますが、レタスの仲間です。サニーレタスやベビーリーフなどの葉物野菜や大葉、三つ葉などのハーブなどは、水耕栽培に向いていて家庭でも簡単に作ることができます。またサンチュは暑さ寒さにも比較的強く、丈夫なので水耕栽培に向いている作りやすい野菜です。
サンチュの水耕栽培は、種まきから始めます。ホームセンターなどでは、春や秋になると苗も販売されいるので苗からも始められます。しかしサンチュは発芽率も高く収穫までは、種まきから40日~60日程度と短めなので、種から始めるのがおすすめです。種は100均などでも売られていますよ。
サンチュの水耕栽培を始める時期
露地栽培であれば春か秋に種をまくことができます。春まきであれば、2月下旬から4月頃までに種まきをし、秋は8月下旬から9月に種をまいて育てます。
水耕栽培は室内でも育てられます。室内で育てる場合には、発芽温度が保てるのであればいつでも大丈夫です。サンチュの発芽温度は、15℃~20℃、生育適温15℃~20℃と冷涼な気候を好みます。暑さ寒さにも比較的つよいサンチュは1年中育てることも可能です。
しかし25℃以上になるとトウ立ちしやすくなるので、できれば真夏に栽培期間がかからないように育てると、失敗しにくくなります。
サンチュの水耕栽培の手順
それではサンチュの水耕栽培の手順を説明します。水耕栽培は、ペットボトルを使ったり、プラコップをつかったりするものもありますが、ここでは容器にザルを使った方法を説明します。
準備するもの
- サンチュの種
- スポンジ(台所スポンジでOK。やわらかいもの。メラニンスポンジは不可)
- 容器(ザルとトレーが一緒になったもの)
- 竹串・カッター
手順
- 手順1スポンジの準備
キッチン用のスポンジを、そのまま使います。カッターで、スポンジに深さ2㎝ほどの切込みを2列入れます。2層式の場合は、硬い方が上です。
タッパーに水をいれ、スポンジに水を吸収させます。
- 手順2種まき
切り込みを入れたスポンジに、竹串などをつかって5㎜間隔でタネをいれていきます。
- 手順3発芽を待つ
トレーに水をいれ、ザルの上にスポンジを置きます。ラップを軽くかぶせ、竹串などで空気穴をあけておきます。明るい日陰で管理しましょう。スポンジが乾かないように適度に水を足します。
発芽したら、日の当たる場所に移動して育てましょう。
- 手順4水耕栽培に移行
本葉が複数になり、スポンジの下から、根がでてくるぐらいになったら水耕栽培移行する時期です。大きく育っていない芽があれば、切り取って、間引きします。
水を培養液(肥料を入れた水)に変えて育てます。水位はスポンジが3分の1程度浸かる程度。3日1度は水を交換して育てます。大きくなるとすぐに培養液がなくなるので、毎日水切れしないようにして育てます。
- 手順5収穫
種まきから40日~50日程度で収穫の時期です。外側の葉から収穫しましょう。芯を残して収穫するとまた成長して、収穫できます。
容器について
水栽培に使う容器は、ペットボトルや牛乳パックを加工したり、豆腐の容器や果物などが入っている容器などを使えば、汚れても捨てることができて便利です。
水耕栽培のポイントは、酸素を取り込めるように根を全部つけないこと。これは、根が空気に触れることにより根腐れを防ぎ、根の成長を促進させる効果もあります。そのため水耕栽培の専用の容器などは苗を発芽させるスポンジの下に空間があるようにつくらています。
100均一などでは、豆苗用の水耕栽培用の容器やザルとセットになった容器も、販売されています。ザルを使うと、水替えの時にトレー側に培養液をいれることができるので苗を動かす必要がないため、便利です。サンチュやリーフレタスなどの栽培におすすめです。
サンチュの水耕栽培の育て方
置き場所・環境・水やり
サンチュは、日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。ただし暑さには弱いので、温度が上がりすぎない場所で育てましょう。LEDライトも有効です。
水やりは3日に1度程度、水道水でOK。土での栽培と異なり、栄養は肥料でしかとれません。必ず水耕栽培用の肥料を一緒にいれて水やりをしましょう。根が張って苗が大きくなると水がすぐなくなります。水が切れると水枯れしてしまいます。水切れしないように毎日確認しましょう。
水やりを減らす方法としては、ハイドロボールを下に敷く方法もあります。ハイドロボールが水を溜めてくれるため、水の管理が簡単になります。リーフレタスの栽培の記事に詳しい方法が載っていますのでそちらを参考にしてください。
肥料
水耕栽培でサンチュを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
まとめ
サンチュは、韓国の呼び名で、焼肉以外でも韓国料理のサムギョプサルにも使われています。もちろんサラダでもおいしく食べることができます。日本では「包菜(つつみな)」「掻きチシャ」と呼ばれて古くから親しまれている野菜です。
サンチュの葉っぱはやわらかく、ほんのり苦味がありますが水耕栽培で育てると、よりクセがない味に育ちます。サンチュは、レタスの仲間ですが、β-カロテンを多く含む緑黄色野菜でレタスの中でも特に栄養が高いので、ぜひ水耕栽培にチャレンジしてみてください。
『農家web』にはこのほかにも、水耕栽培のコンテンツが豊富です。野菜だけでなくハーブや、観葉植物、多肉植物、花を楽しむ球根なども水耕栽培で育てることができます。