セントポーリアを上手に咲かせるには、いつどのような肥料を与えればよいのでしょうか。ここではセントポーリアの肥料時期や頻度、おすすめの肥料の与え方について説明します。
セントポーリアに対する肥料のやる時期と頻度
セントポーリアの肥料時期
セントポーリアの肥料時期は、真冬を除く9月~5月まで。真冬と夏は生育が弱まるため肥料は不要です。
セントポーリアの肥料の与え方
セントポーリアの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。下記にセントポーリアの鉢植えの一般的な肥料をやる時期と頻度について、基本的な考え方を説明します。真夏と真冬には与えないのが基本になります。
- 春
- 夏
夏は肥料をやる必要はありません。特に7月以降の高温期は肥料は与えないようにしましょう。
- 秋
- 冬
真冬(1月下旬〜2月上旬)以外に、1週間に1度程度、液体肥料(液肥)を水やりの際に追肥してください。窒素が多くなると花つきが悪くなるので、リン酸が割合として多い肥料を施肥するようにしましょう。
セントポーリアにおすすめの肥料
セントポーリアには、秋の肥料は固形の緩効性肥料がおすすめです。有機配合肥料などがおすすめです。
セントポーリアの肥料
セントポーリアのために作られた肥料であれば、セントポーリアに必要な肥料分が配合されており、施肥量も記載されているので、誰でも簡単に使うことができます。またセントポーリアはこまめに植え替えるので、秋に元肥が配合されたセントポーリアの培養土を使うと簡単です。
花用の肥料
セントポーリアの専用肥料でなくとも、花用の肥料であればもちろんセントポーリアにも使えます。花用の肥料は、三要素(チッソ、リン酸、カリ)を含み、花つきをよくするリン酸が多く含まれています。
元肥には住友園芸のマイガーデン元肥用などの粒剤や、植え替える必要がない場合には鉢の縁に置くだけの錠剤肥料「プロミック 草花・鉢花用」がリン酸の配合が多く、使いやすい緩効性肥料です。
有機質肥料
有機質肥料とは、植物性または動物性の有機物を原料とした肥料で、油かすや鶏糞、米ぬかなどがあります。肥料の三要素(チッソ、リン酸、カリ)以外にもミネラルや微量要素を含み、ゆっくりと効果が持続します。
セントポーリアの元肥や秋の追肥におすすめですが、扱いが難しかったり臭いや虫などが発生するリスクもあります。室内で育てることができるセイントポーリアには臭いが気になるという人には、有機肥料を配合した有機配合肥料がおすすめです。油粕は窒素分が多くリン酸がすくないため、骨粉を配合したものもおすすめです。
液体肥料
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。追肥に使います。
セントポーリアには、生育期を通して追肥に使うか、肥料不足時の速効性の肥料として使います。リン酸の多い肥料がよいでしょう。
ハイポネックス原液は肥料成分がN-P-K=6-10-5、住友化学園芸の花工場原液の肥料成分はN-P-K=8-10-5とリン酸が多い液体肥料です。ハイポネックスには殺虫剤入りの肥料もあり、アブラムシなどの対策にも効果があります。原液タイプは水に希釈して水やり代わりに与えます。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
その他 セントポーリアの栽培で気をつけたいポイント
栽培環境
セントポーリアは蛍光灯の灯り程度でも育つことができ、直射日光に弱いため、基本的にはレースで直射日光が当たらない明るい室内で栽培します。また寒さにも弱い(耐寒性が低い)ので、温度は10℃以上をキープするようにしましょう。逆に夏は暑さを避けるため、北側の涼しい場所になるべくおくようにしてください。
害虫、病気に気をつけましょう
セントポーリアに限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ、カイガラムシ、ナメクジ、ハマキムシ、コガネムシの幼虫、ネコブセンチュウが発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
また、病気としては灰色かび病があります。対策は下記を参考にしてみてください。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
病害虫を防ぐためにはこまめな除草は重要です。定期的に草刈り、草取りをして雑草を減らすようにしましょう。
水やり
鉢植えの場合、地面が乾いたら鉢の底から水がしたたるぐらいに水を与えます。水の上げすぎは根腐れ、萎える原因にもなりますので注意が必要です。セントポーリアは蒸れに弱いので比較的乾燥気味にするのがポイントです。鉢底に珪酸塩白土を入れておくと根腐れ防止になります。
花がら摘み
セントポーリアに限りませんが、花が咲いた後にそのままにしておくと種が作られて株の栄養が取られ、次の花が付きにくくなってしまいます。また、花がらをそのままにしておくと灰色かび病発生の原因になってしまいます。定期的に花がらを積み、取り除くようにしましょう。
植え替え
暑い時期を避けた春、秋に、毎年植え替え新しい用土で、一回り、二回り大きい鉢に植え替えするようにしましょう。植え替えるタイミングで上部の方を剪定、切り取るといいでしょう。用土にはピートモスやバーミキュライト、パーライトなどがよく使われます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
セントポーリアは挿し芽(さし芽)、葉挿し(葉ざし)で増やすことができます。さし芽の場合は春、また夏が適期です。
(参考)肥料の基礎知識
そもそも植物に必要な養分って?植物が必要な養分に関するおさらい
植物が育つためにはチッソ(窒素)、リンサン(リン酸)、カリウム(加里)の三要素のほか、マグネシウムやカルシウム(石灰肥料が有名)などの「二次要素(中量要素)」、さらに鉄、マンガン、ホウ素をはじめとした「微量要素」が必要です。
チッソ(窒素)は、葉や茎などの成長に欠かせず、植物の体を大きくするため、「葉肥(はごえ)」と言われます。
リンサン(リン酸)は、開花・結実を促し、花色、葉色、蕾や実に関係するため、実肥(みごえ)と言われます。
カリウム(加里)は、葉で作られた炭水化物を根に送り、根の発育を促すほか、植物体を丈夫にし、抵抗力を高めるため、根肥(ねごえ)と呼ばれています。不足すると根・植物が弱ります。
肥料の箱や袋などに記載されているN-P-Kの表示は窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)を指しています。その他、肥料についてより詳しいことは、下の記事を参考にしてみてください。
セントポーリアに使用する肥料は、植物を栽培するという点で、野菜や果樹などの栽培に使うものと基本的には同じで問題ありません。花だから特別な肥料を使うということはありません。プランターや植木鉢などの鉢植え栽培で使用できるものであれば問題なく使用することができます。
色々あって複雑ですが、最初は葉や茎活力を与えたいときは窒素(チッソ)多めの肥料を、花を咲かしたい、実の成長を促したいというときはリン酸多めの肥料を施すというイメージでやってみましょう。
花用の肥料は、綺麗な花を咲かせるためにリン酸が多いことが多いです。
セントポーリアに使える肥料は、どんな種類があるの?
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。