甘くておいしいスイカを育てるには肥料が大切です。ここではスイカ栽培に元肥や追肥におすすめの肥料について、製品や肥料の特性、使い方についてわかりやすく説明します。
スイカにおすすめの肥料
元肥には、油かすや鶏糞などの有機肥料がおすすめです。スイカは元肥が多肥になると葉に栄養が行き過ぎて、よい実がつきません。有機肥料はゆっくり効果が出る緩効性肥料で、肥料やけなどのリスクも軽減します。またスイカの食味が良くなったり糖度が上がるともいわれています。
元肥には有機肥料がおすすめですが、プランターなどでベランダで育てる人には臭いや虫が気になる人もいるでしょう。その場合は化成肥料を使いましょう。また実がついた後の追肥にはすぐ効く化成肥料がおすすめです。
有機肥料
有機肥料(有機質肥料)とは、動植物由来(油粕や米ぬかなど植物性の有機物、鶏糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物)の原料を使って作られている肥料を指します。表示された成分以外にも生育に必要な成分(動植物由来のアミノ酸など)が含まれていることもあります。
米ぬか
米ぬかは、精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用するものです。リン酸が多く含まれている、緩効性のリン酸肥料です。糖分やタンパク質も含まれているため、有用な土壌微生物の働きを活性化させる効果もあります。
しかし生の米ぬかは比較的分解が遅く、スイカの植え付け時の5~6月以前の寒い低湿度の時期ではなかなか分解されず、最悪、窒素飢餓(逆に肥料が不足する状況)や発酵熱による被害、カビなど腐敗の温床となることもあります。
このため、肥料の効きもわかりやすく安心して使用できる「ぼかし肥料」にして利用するのがおすすめです。
スイカに米ぬかを使う場合の使い方や説明はこちらで詳しく説明しています。
油かす(油粕)
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。
油粕はゆっくりきく緩効性肥料のため、元肥に適しています。また油粕は光合成をよくするため、甘い実がなるともいわれます。発酵油粕であれば化成肥料と組み合わせて追肥としても使えます。
スイカ栽培に油粕を使いたい場合には、こちらの記事も参考にしてください。
鶏ふん
鶏糞は、ニワトリの糞を乾燥させた有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)、リン酸、カリの各成分が豊富に含まれています。同じ堆肥として牛ふんが比較されることがありますが、成分が異なるとともに、牛ふんは土壌改良の目的でも利用される点が異なります。
鶏ふんは堆肥として使うこともあります。堆肥として鶏ふんを使った場合は、牛糞を使った場合の同量の化成肥料を元肥として施肥すると肥料の上げすぎになるので注意しましょう。
鶏ふんは、スイカの肥料として使うには元肥として使いましょう。スイカに鶏糞を使いたい場合には、こちらの記事も参考にしてください。
化成肥料
化成肥料は、プランター栽培や追肥におすすめです。畑の元肥でも、堆肥などの有機物を使っていれば肥料分は化成肥料で補ってもよいでしょう。有機が配合されている肥料もあります。
固形肥料
化成肥料は、不足している栄養素を補うために行うため、土によって与える肥料は異なりますが、家庭菜園などでは、元肥にはN-P-K=8-8-8など窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などがよいでしょう。追肥にも使えます。有機配合のマイガーデンベジフルなどの野菜用の肥料でもよいでしょう。
スイカ専用肥料
スイカ専用の肥料も初心者の人にはおすすめです。元肥にも追肥にも使えます。
専門肥料であれば、スイカに必要な肥料成分が配合されており、パッケージに施肥量や追肥の目安の時期などもかかれているので、安心してつかうことができます。スイカの肥料にはアミノ酸が含まれているものが多く食味を良くするといわれています。
液体肥料
肥料不足の場合やプランター栽培には追肥として液体肥料をつかってもよいでしょう。液体肥料は野菜用のアミノ酸入りの液体肥料がおすすめです。住友化学園芸の「ベジフル液肥」やハイポネックスジャパンの「野菜の液肥」などがあります。
スイカの肥料時期と与え方
スイカ肥料の与え方のポイントは、元肥は控えめに追肥はしっかり行います。
スイカはキュウリなどと比べると肥料はそれほど多く必要はありません。スイカは、つる性のため生育初期に肥料が効きすぎるとツルや葉がのびすぎて花や実がつきにくくなる「つるボケ」がおきるため、植え付けから雄花や雌花が咲くまでは肥料はあまり必要ありません、実がついてからは肥料を多く必要とするため追肥を行います。
元肥は、土を幅40㎝ほど掘り起こして、底に堆肥と有機肥料などの緩効性肥料を入れその上に掘り起こした土をいれておく、鞍築を苗の植え付け15日前までに行っておきましょう。追肥は、実が鶏卵ほどの大きさになってから速効性の化成肥料を畝の肩もしくはつる先に、ところどころにばらまきます。3週間後にもう一度同様に追肥しましょう。
土壌と肥料について
スイカに限らず、野菜づくりには土づくりが大切です。水はけと通気性がよく水持ちのよい土が野菜づくりには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。つる割病の予防には苦土石灰も混ぜるとよいでしょう。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。堆肥で土づくりをしっかり行い、さらに元肥を施し足りない肥料分を補います。
スイカの栽培に関する記事
スイカを育てていて、肥料を与えたにもかかわらず、育ちが悪かったり元気がなかった場合には肥料不足だったのかと不安になりますよね。スイカの肥料不足の症状や対処法などの記事もあるので参考にしてください。
スイカは地植えの他、小玉スイカであれば水耕栽培やプランターでも栽培が可能です。また病害虫が発生した場合は、農薬をつかって駆除する必要もあります。