この記事では、リンカリ肥料(リン酸カリウム肥料)の基本と特徴・効果、おすすめ商品について詳しく解説します。
リンカリ肥料とは
リンカリ肥料(リン酸カリウム肥料)とは、窒素(N)を除く、リン酸(P)、カリウム(K)を含む肥料のことを指す総称です。肥料の三要素の中で、リン酸とカリウムに特化した肥料と言えます。
肥料のパッケージや「生産業者保証票」、「輸入業者保証票」の表成分量には「N:P:K=0:20:10」のように窒素(N)は0と記載されています。
リンカリ肥料だけを使って作物を育てることはできません。植物の生長には、窒素(N)が必須ですし、カルシウムなどの多量要素、鉄、マンガンなどの微量要素も必要です。
それではなぜ、リン酸とカリウム(カリ)に特化した肥料があるのでしょうか?それは以下のような特徴と効果が見込めるからです。
リンカリ肥料の特徴
リンカリ肥料には、以下のような特徴があります。
- 窒素が含まれていないのでは枝葉の徒長や繁茂を防ぎ、生長を調整できる。
- リン酸、カリウムが豊富に含まれているため、花実を充実させることができる。
- 果実の肥大(肩の張り)の促進が期待できる。
- 低温や曇雨天時のリンサン欠乏の対策に使用できる。
リンカリ肥料の効果
リンカリ肥料は以下のようなことが見込めます。但し、窒素などを含む他の要素などとの関係もあるので、土壌をバランス良く保つことが重要です。
- 開花や結実の数を増える。
- 花や果実の品質が向上する。
- 鉢花や球根、根菜類に対しては、効果が出やすくおすすめ。
リンカリ肥料の使い方
リンカリ肥料は、主に補助的に追肥で使うことが一般的です。堆肥など有機物や緩行性の化成肥料を中心に土づくりを実施し、花芽をつける時期や着果(着花)が悪いときにリンカリ肥料を使用すると良いでしょう。
リンカリ肥料のおすすめ商品
超リンカリ肥料(花ごころ)
ミネラル成分が生長を助け、豊富なリン酸成分が花付きや実付きを良くします。花付きや実付きを良くするリン酸成分を多く含みます。焼成された原料なので、嫌な臭いがありません。有機由来100%の原料を使用していることも特徴です。
ホスポン-F(東北化学工業)
ポスポン-Fはあらゆる作物の着花に有効な花芽分化促進剤です。「花を咲かせるための肥料」です。高純度の第一リン酸カリウムを粉末として精製しているので、潅注だけではなく葉面散布にも使用できます。
第1燐酸カリ(パレス科学)
花芽形成用の液体肥料です。肥料成分がN:P:K=0:10:7で窒素を全く含まないため、花芽形成を誘導するリンカリ肥料です。
草木灰はリンカリ肥料?
天然のリンカリ肥料として「草木灰」を挙げる方もいるでしょう。しかし、草木灰の主な用途としては、カリウムとカルシウムを供給することが挙げられます。
窒素が少なく、リン酸が含まれているのでリンカリ肥料に近いものと思われがちですが、カルシウムが多量に含まれているので本来のリンカリ肥料の用途として使うことは難しいです。
亜リン酸肥料もおすすめ
リン酸、カリウムを補う用途で使う肥料として、「亜リン酸肥料」もおすすめです。
亜リン酸肥料に含まれるリン酸は、過リン酸石灰(過石)や熔成燐肥(熔リン)などのリン酸とは異なり、溶解性が高く、作物体内の移行性が高いことが知られています。
現在、亜リン酸肥料として販売されている商品には、亜リン酸の他にカリウムが含まれているものがほとんどなので、亜リン酸肥料を選択肢に加えても良いでしょう。
リンカリ肥料の購入場所
家庭菜園等で使用する肥料は、ホームセンター、100均、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。プロ農家の方は、JAや資材店等に相談すると良いでしょう。