この記事では、花が終わった後の胡蝶蘭の手入れの方法や肥料の与え方など栽培方法について、初心者の方向けにわかりやすく説明します。
花が終わったら、まずやること
花が終わったら、まず最初にすべきことは株の見極めです。胡蝶蘭は株が元気であれば、もう一度花をさかせることができます。それを「2番花」と呼びます。2番花を咲かせられるかどうかは、株の状態によります。まず葉が最低でも5枚以上あること。また葉に艶があり、元気があることです。
この状態であれば、今年中にもう一度花を咲かせることができるかもしれません。株が弱っている場合には、来年に花を咲かせるために株を、少し休ませてあげましょう。
花が終わった胡蝶蘭 2番花を咲かせたい場合の肥料の与え方・剪定・水やり
肥料の与え方
胡蝶蘭は、肥料を多く与えなくとも育つ植物です。2番花を咲かせるとときにも、肥料を必ず与えないといけないわけではありません。また休眠期の冬や真夏は生長が緩やかになるため、肥料を与えると逆に株の負担になり根が腐ったり、枯れてしまうこともあります。
肥料を与える場合は、花を咲かせるために体力を使うため液体肥料(液肥)を与えてあげましょう。ただし与えすぎは禁物です。与え方は、2週間に1回度水やりの代わりに、水で希釈した液体肥料を与えます。規定量より薄めた肥料を与えましょう。花が咲いたら肥料は与えません。
剪定
できれば花がすべて終わる前、花が1花~2花残っている状況で行うのがベストです。花が咲いた茎を根元から3~4節残して、消毒したハサミで切り取ります。支柱がついている場合は支柱も外します。この残した節から新しい花芽がでて、4カ月~5カ月後に花を咲かせます。
置き場所・水やり
2番花を咲かせるには、生育温度が15℃以下にならないように注意しましょう。寒くなると胡蝶蘭は休眠してしまうため、花芽がつかなくなります。直射日光のあたらない明るい日陰で管理します。
水やりは、通常の管理と同様に、植え込み材が乾いたら鉢底から水がでるまで与えます。7日~10日程度に1度が目安です。肥料を与える場合は、液肥を入れた水で水やりを行ったら、次回は水だけで水やりを行い、液肥入り水での水やり・水だけの水やりを交互に行うとよいでしょう。
花が終わった胡蝶蘭 来年に花を咲かせたい場合の肥料の与え方・剪定・水やり
花が終わった胡蝶蘭の置き場所・水やり
胡蝶蘭は、明るい場所を好みますが直射日光は苦手です。ベランダなど屋外で育てる場合は、直射日光に当たらないように遮光ネットなどで遮光します。また寒さに弱いため9月下旬から5月頃までは、室内で管理しましょう。
室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの光が当たる場所で管理しましょう。エアコンの風が当たらない場所を選んであげます。
水やりは、水苔やバークなどの植え込みの材料が乾いてから与えます。生育期の春から秋は多めに休眠期の冬は、少な目にします。鉢底から水がでるまで与え、鉢皿に水を残さないようにしましょう。
胡蝶蘭はもともと台湾やフィリピン、インドネシアなど東南アジアの熱帯・高温多湿地帯を原産地とした木に着生する植物です。乾燥を嫌うため蕾が乾燥すると落ちたり枯れたりします。霧吹きなどをして湿度を保ちましょう。また、贈り物としてもらった場合はラッピングやセロハンが付いていて、これをそのままにしておくと水が溜まって根腐れを起こす原因になるので、きちんと取ることをおすすめします。
剪定
花を咲かせるにはかなりのエネルギーを使います。疲れた株は冬を越して翌年まで体力を蓄える必要があります。そのため花がすべて終わったら、支柱を外して、花茎の根元から消毒済みのハサミで切り取ります。そのまま通常の管理方法で管理しましょう。
贈呈用の大きな胡蝶蘭は、鉢の中に何個か株が入っておりそれぞれプラスチック苗に入っているものもあります。植え替えができるようなら、それぞれ株分けして植え替えしてから育てた方が、元気に育ちます。
花が終わった胡蝶蘭への肥料の与え方
胡蝶蘭は、もともとそれほど肥料の必要がない植物です。特に贈答用などの立派な胡蝶蘭には栄養がたっぷりなので、1年ほどは肥料は必要ないかもしれません。次の春から肥料を与えましょう。
基本的に肥料は、生育期に与えます。胡蝶蘭の生育期は真夏を除いた、春から秋。5月~9月に与えます。ただし開花しているときには、肥料は与えません。気温が18℃~25℃ぐらいの時に与えるとよいでしょう。
休眠から覚めた5月頃から肥料を与えます。肥料は液体肥料(液肥)がおすすめです。目安は週に1回、水やりの時に肥料を与えましょう。規定量よりさらに倍に薄めて使うのがおすすめです。
胡蝶蘭に適したおすすめの肥料
固形・粒状の緩効性・遅効性肥料と液体肥料を組み合わせることもできますが、基本的には、液体肥料のみ、追肥の使用で十分で、このほうが肥料の量をコントロールしやすく、肥料のやり過ぎを防ぐことができるのでおすすめです。
胡蝶蘭は、洋ラン専用の肥料を使うのが間違いありません。おすすめの液体肥料(液肥)で洋ラン用の肥料をご紹介します。
この記事でも胡蝶蘭に適したおすすめ肥料を紹介しています。
植え替え
贈呈用の大きな鉢には、プラスチックの鉢に何株も入っていることがほとんどです。できれば早めに植え替えてあげましょう。時期は春が最適ですが、生育期ならいつでも行えます。通常の植え替えも2年~3年に一度は植え替えます。あまり大きな鉢に植え替えずに、根と同等の鉢を選びましょう。
- 植え込み材が濡れている状態で始めます。大鉢の場合はそれぞれ、鉢を取り出します。
- 鉢から、苗を取り出して周りの植え込み材を丁寧に取り除きます。
- 傷んだ根などを、消毒済みのハサミで切り取ります
- 根の真ん中の空洞に、水を含ませた水苔を球状に丸めていれます。その後その根の周りを囲むように水苔でしっかり包みます。
- 新しい鉢に、しっかりと植え付けます。上から水苔をさらに足して固定させます。苗だけ持っても落ちない程度しっかり水苔を、鉢に植え込みます。鉢はできれば素焼き鉢がおすすめです。
- 水やりは、1週間程度してから与えます。肥料は根が張ってから与えるので1カ月程度待ってから与えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょか。ここまで花が終わった後の胡蝶蘭について、肥料を中心に説明しました。胡蝶蘭はもっとも知られた洋ランでありながら、育て方が難しそうと思っている人も多い植物です。
実は肥料や水やりも少なく、直射日光もそれほど必要ないので室内などでも育てやすい植物です。最近は部屋に置きやすい小さなミディ胡蝶蘭や、さらに小型のミニ胡蝶蘭なども品種が豊富で、人気があります。
ぜひプレゼントでいただいたり、お店の開店祝などで、花が枯れて処分されそうな胡蝶蘭を見かけたら、この記事を参考にして、次の花を咲かせてみてください。