鶏ふんは肥料分も多く安価なことから最近人気の有機肥料ですが、柿の栽培に鶏ふん肥料は使えるか、という話題をよく聞きます。この記事では、柿の肥料に鶏ふんが使えるのか、有効性や使い方のポイントについて説明します。
柿に鶏ふん肥料は有効か?
結論としては、「柿の肥料として鶏ふん肥料は使える」といえます。
鶏糞は、ニワトリの糞を乾燥させた有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)、リン酸、カリの各成分が豊富に含まれています。特に、植物の実や花に栄養を与えたい時に使われるリン酸が豊富です。
柿の栽培では、リン酸は元肥として施し、追肥としては施さないとされることもあります。したがって、柿の栽培で鶏糞を利用する場合には、元肥(寒肥)として2月下旬〜3月頃に施すようにするとよいでしょう。
代表的な鶏糞肥料
鶏糞は、乾燥させた「乾燥鶏糞」、醗酵(発酵)させた「醗酵鶏糞」、焼却することで窒素の割合を減らした「炭化鶏糞」のように分類することができます。鶏の違いで、同じ鶏糞といっても、カルシウムなど含有量が大きく違う場合もあります。製品の説明を確認するようにしましょう。
発酵済の鶏糞は臭いも少なく使いやすいので有機初心者の人にはおすすめです。
柿に使えるその他の肥料
油かす
柿栽培では、有機肥料として油かす(油粕)肥料が利用されることが多いです。油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。
元肥のタイミングで、他の有機肥料(有機質肥料)と合わせて油かす肥料を使用すると良いでしょう。
米ぬか
米ぬかは、精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用するものです。リン酸が多く含まれている、緩効性のリン酸肥料です。糖分やタンパク質も含まれているため、有用な土壌微生物の働きを活性化させる効果もあります。
有機肥料は緩効性なので、徐々に分解され吸収されます。柿の栽培においては、元肥として冬の寒い時期に施用します。
その他有機肥料・化成肥料について
主要な三大栄養素とされる窒素・リン酸・カリウム(加里)のうち2つ以上を含むものを「複合肥料」と呼びます。「化成肥料」は、その「複合肥料」に含まれるものを言います。つまり、窒素・リン酸・カリウム(加里)のうち2つ以上を含む化学肥料を一般的に化成肥料と呼びます。化成肥料は粒状や固形(ペレット、ブリケット)になっているものが多いです。
柿の栽培においては、窒素:リン酸:カリウム=8:8:8もしくは10:10:10の化成肥料が使われることが多いです。追肥と元肥の両方として使うことができます(元肥としては、有機肥料が分解される十分な時間がとれない春先のタイミングで使用されます)。
産地や各地方の土壌の特性に合わせたカキ配合肥料がある場合は、それらを使用すると良いでしょう。