玉ねぎなどのネギ類は、肥料成分のリン酸を多めに与えると根の張りがよくなり、収穫量が増えるといわれています。この記事では、玉ねぎの肥料としてよく使われる「ようりん」について、その特性も踏まえ効果的な使い方を、わかりやすく説明します。
ようりんとは
まず初めに、「ようりん」について説明します。ようりんとは、リン酸肥料の一種で、熔成リン肥、熔りん(ようりん)と呼ばれます。原料はリン鉱石や蛇紋岩などで、非晶質、ガラス状構造になっています。成分としてはリン酸・苦土(マグネシウム)・ケイ酸・アルカリ分を含んでいます。
ようりんに含まれるリンの成分は、「く溶性リン酸」で水に溶けにくく、植物の根や微生物が分泌する根酸(有機酸)によって溶け出して植物にゆっくりとに吸収されます。またアルカリ分を50%ほど含んでいるため、土のphを調整する効果もあります。
一般的には、関東や、大きな火山の多い黒ぼく土などの火山灰土壌の土壌改良に使われます。それはようりんに含まれる「く溶性リン酸」の特徴と関係しています。火山灰土壌には、リン酸を固定してしまうマグネシウムが多く含まれているため。植物の根から吸収されるく溶性リン酸を含むようりんは、その影響を受けにくいのです。
ようりんの使い方
それでは、ようりんの特徴を理解したところで、玉ねぎの肥料にどのように使ったらよいのか説明していきます。
ようりんのリン酸は、ゆっくり効果がでる緩効性ですので、植物を植えつける元肥として使います。またアルカリ成分が多く含まれているため、酸性土壌を嫌う玉ねぎの土壌の酸度調整にも使うことができます。ようりんの使い方としては、いろいろありますが、今回は初めて畑として使う場合などに、土壌改良を含めて使う方法と、リン酸肥料として使う方法と2種類紹介します。
元肥① 土壌改良
元肥は、玉ねぎの苗の植えつけ時に行います。玉ねぎの元肥は、畑全体にまんべんなく肥料を与える肥料の与え方る全面施肥で行います。植えつけ2週間ほど前までに、堆肥とようりんを土に施して、植え付け1週間前には化成肥料を与えましょう。酸度調整はようりんで行うため不要です。
- 栽培するスペース(畝)を決め、深さ20㎝ほど軽く耕し、さらに表面から10㎝ほどは細かく施します。
- 堆肥(牛糞など)1㎡あたり2kg、ようりんを200g~300gほど畝全体にまきます
- クワでよく混ぜて、耕しておきます。
- 2週間ほどしたら、有機肥料か化成肥料をまいてよく土と混ぜます。
- 畝幅80㎝程度、高さ10㎝の畝を作ります。
- 1週間ほどしたら、苗を植えつけます。株間、条間は15㎝程度です。
元肥② リン酸肥料として
土壌の酸度が高い場合は、事前に植えつけの2週間前までに苦土石灰をまいて、深さ10㎝ほどによくすきこんでおきましょう。
- 栽培するスペース(畝)を決め、深さ20㎝ほど軽く耕し、さらに表面から10㎝ほどは細かく施します。
- 堆肥(牛糞など)1㎡あたり2kg、ようりん50g、化成肥料100gほど畝全体にまきます
- クワでよく混ぜて、耕しておきます。
- 畝幅80㎝程度、高さ10㎝の畝を作ります。
- 1週間ほどしたら、苗を植えつけます。株間、条間は15㎝程度です。
肥料について
元肥として一緒に使う肥料としては、リン酸も含まれている肥料を使いましょう。家庭菜園でよく使われる化成肥料8・8・8など肥料成分が均等に含まれているものでもよいでしょう。有機肥料であれば完熟鶏糞なども使うことができます。
追肥には、ようりんは使わず、速効性の化成肥料などがよいでしょう。