生育期間が長い玉ねぎは、追肥をして育てますが、元肥に施すだけで追肥のいらない一発肥料もあります。この記事では、玉ねぎの一発肥料について、使い方やおすすめの商品などをわかりやすく説明します。
玉ねぎの一発肥料とは
一般的に玉ねぎは、栽培期間が長いため元肥を施したあと、不足した肥料分を補いために追肥を2回行います。しかし一発肥料とは、「元肥として土に混ぜるだけで追肥がいらない」のが特徴です。タイミングが難しく、手間のかかる追肥が不要なので、初心者の人にも使いやすい肥料です。マルチ栽培などでは、追肥の時にマルチを剥がす手間もなく、省力化にもなります。
一発肥料は各メーカーから販売されていますが、その仕組みは、有機や化成肥料に被覆肥料を組み合わせて、作物の生育に合わせ必要なときに必要な量だけ肥料成分が溶け出すため、一度の施肥で、玉ねぎが育ちます。
玉ねぎ一発肥料の使い方
一発肥料は、畑などの地植えでもプランター栽培でも使えます。一発肥料は、元肥だけで育てられる便利な肥料ですが、環境や土壌、気象状況により肥料不足の症状が現れることもあります。
地植え
地植えの場合は、通常の元肥のやり方、玉ねぎの苗の植えつけ時に行います。溝の深さや幅などは下記の表を参考にしてください。玉ねぎの元肥は、畑全体にまんべんなく肥料を与える肥料の与え方る全面施肥で行います。
- 栽培するスペース(畝)を決め、深さ20㎝ほど軽く耕し、さらに表面から10㎝ほどは細かく施します。
- 堆肥(牛糞など)1㎡あたり2kgを畝全体にまきます
- 玉ねぎの一発肥料をまいて、土、堆肥、肥料をよく混ぜます。
- 畝幅80㎝程度、高さ10㎝の畝を作ります。
- 1週間ほどしたら、苗を植えつけます。
土壌と肥料について
健全なタマネギを栽培し、収穫するためには土作りが重要です。堆肥をいれると土がふかふかになり、土の通気性、保水性、排水性、保肥力もあがります。また肥料は植物に大切な3要素(チッソ・リン・カリ)が含まれていますが、堆肥には、少量の3要素と吸収量は少ないですが、必要な微量要素が含まれています。堆肥は土壌改良には、牛糞や馬糞、パーク堆肥などを使うとよいでしょう。
また土壌酸度の調整も必要です。玉ねぎは酸性土壌を嫌います。土壌phは6.0~7.0です。日本の土は酸性に傾きやすいため、酸度が高い場合には苦土石灰を入れて調整が必要です。苦土石灰は、堆肥や鶏糞と一緒にいれると堆肥や鶏糞に含まれるチッソが、アンモニアガスとして逃げてしまうので堆肥を入れる1週間前までに施しましょう
鉢植え・プランター
鉢植え・プランターなどで育てる場合は、用土は野菜の培養土を使うと便利です。元肥入りのものに、肥料を与えると、肥料過多になります。一発肥料を使いたい場合には、元肥がはいっていないものを選ぶとよいでしょう。
培養土に、元肥として一発肥料を規定量まいて土とよく混ぜてから、植えつけます。
おすすめの玉ねぎの一発肥料
それでは玉ねぎの一発肥料について、成分や特徴などをいくつか説明していきます。
タキイ ネギ・玉ねぎの一発肥料
タキイのネギ・玉ねぎ一発肥料は、有機入りの肥料で150日間肥料効果が続きます。700gと少量もあるので、家庭菜園やプランター菜園にもぴったりです。玉ねぎの他ネギやニンニクにも使えます。
肥料成分 | N・P・K=16:8:8 |
施肥量(1㎡あたり) | 160g |
価格(楽天) | 700g 800円程度 3kg 2400円程度 |
セントラルグリーン 一発肥料 ねぎ・玉ねぎ・にんにく専用肥料
セントラルグリーンが販売する「一発肥料 ねぎ・玉ねぎ・にんにく専用肥料」です。アミノ酸入りの肥料で、120日間効果が持続します。肥料成分が多く含まれておりネギ類の栽培につかうことができます。安定して肥料効果がでるように長く効く肥料(被覆樹脂/PCU)を数種類配合しています。
肥料成分 | N・P・K・Mg=22・12・11・2 |
施肥量(1㎡あたり) | 103g |
価格(楽天) | 1kg 609円/5kg 1,508円/ 10kg/3,257円 |
ナフコ 玉ねぎ一発肥料
ホームセンターのナフコが販売している、玉ねぎ一発肥料です。有機入りの肥料で150日間肥料効果が続きます。タマネギ、ニンニク、ワケギ、ニラ、ラッキョウなどに使えます。ホームセンターで手軽に購入できるのが便利です。
肥料成分 | N・P・K・Mg=17・9・8・2 |
施肥量(1㎡あたり) | 90g |
価格(楽天) | 1kg 728円 |
肥料について
肥料の成分について
植物が育つために必要な三大栄養素(三要素)は窒素(チッソ)、リン酸(リンサン)、カリウム(カリ・加里)です。
- 窒素(N)は、「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、生育の初期に効果的であり、茎と葉の生長に大きく影響します。
- リン酸(P)「実肥」と呼ばれ、開花・結実を促すためにリン酸が必要となります。また、植物全体の生育や分げつ、枝分かれ、根の伸長など様々な要素に関わっています。
- カリウム(C)「根肥」と呼ばれ、葉で作られた炭水化物を根に送り、根の発育を促したり、植物を丈夫にして病気などに対する抵抗力を高める働きがあります。そのため、カリウムは「根肥」と呼ばれます。
肥料の過不足について
一発肥料は、元肥だけで追肥がいらない便利な肥料です。しかし肥料は、土壌や環境、気象状況によっても変わります。苗をみて、春に葉が全体に黄色くなっている場合などは、肥料不足の症状がでていたら追肥が必要なこともあります。
また肥料をあげすぎると肥料焼けなどをおこして、枯れてしまう可能性もあります。パッケージなどをよく読み、施肥量をきちんと守りましょう。