ネバネバとした食感が人気のオクラは、栄養価が高く夏バテ防止にもよいとされる夏野菜。水耕栽培では葉物野菜が簡単に作れると人気ですが、オクラも水耕栽培で育てることができます。
この記事では、オクラの水耕栽培について、ペットボトルとスポンジで育てる方法について、わかりやすく説明します。
オクラの水耕栽培について
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法のひとつです。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
水耕栽培に向いている野菜は、レタスやベビーリーフなどの葉物野菜や、大葉やルッコラ、バジルなどのハーブで簡単に収穫ができます。トマトやキュウリなどの実もの野菜は、葉物野菜より少し難易度があがります。大きく育てるためにはエアポンプなどの設備が必要になりますが、オクラはエアポンプなしでも、十分に収穫が楽しめます。
オクラの水耕栽培は、種から育てるのがおすすめです。春になるとオクラの苗がホームセンターなどにも並びますが、オクラは根が弱いのでプランターや畑に植え付けるのであれば問題ありませんが、水耕栽培に移行するときに、土を落とす必要があり、根が傷みやすく失敗しやすくなります。
オクラの種類
オクラというと、サヤに角があるオクラを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、他にも種類があります。
種類名 | 特徴 | 概要 |
---|---|---|
角オクラ | スーパーなどでよく見かける五角オクラの他、星形オクラ 、八角オクラなどもあります。 収穫のタイミングを逃さないようにするのが大切です。 | |
丸オクラ | 別名「島オクラ」とも呼ばれ、角がなく丸い形が特徴 沖縄などで流通しています。角がないので、固くなりにくく 収穫時期が多少すぎても大丈夫です。 | |
花オクラ | サヤではなく大きな花びらを食べるオクラ。 サヤと同じように粘りがあります。 | |
赤オクラ | サヤや茎が赤いのが特徴です。ゆでると緑色になるので、 サラダなどで生で食べるのがおすすめです。 |
オクラの水耕栽培の手順
時期
オクラの発芽温度は、25℃~30℃。タネまきの時期は、5月中旬から6月末頃までが適期です。室内で発芽温度が保てるのであれば、この時期以外でも発芽させることもできますが、種まきから収穫まで70日程度かかります。生育適温も25℃~30℃と高い温度を好むので、夏に栽培すると栽培が容易です。
オクラの種の発芽率は品種にもよりますが70%~80%ほどと、それほど高くはありません。また暑い気候を好むオクラは、温度が低いと発芽率が下がり日数もかかりますので、気温が安定してから種まきするとよいでしょう。
準備するもの
- オクラの種
- スポンジ(キッチン用のスポンジでOK 。メラニンスポンジは不可。やわらかめがおすすめ)
- 水
- ペットボトル
- 水耕栽培用の肥料
- カッターもしくはハサミ
- 霧吹き
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします。スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を2~3粒差し込みます。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。オクラの種は嫌光性種子のため、光を必要としません。アルミホイルや新聞紙などで、光を遮り、暖かい場所で発芽を待ちます。
スポンジが乾かないように、霧吹きで水やりをしながら発芽を待ちましょう。3日~7日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、すぐに明るい日の当たる窓際などへ場所へ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
双葉がでるようになったら、間引きを始めます。本葉が2~3枚のころには、一番大きな苗を残して、間引きします。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順6培養液で育てる
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、培養液(肥料を含んだ水)で育てます。肥料の濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)は、温度が高いと水が腐りやすいので3日1度は交換しましょう。
- 手順7葉の摘み取り
株元からわき芽がでてきたら、早めに摘み取ります。ハイビスカスのような可愛らしい花が咲き、実ができ始めます。
収穫が始まったら実の下の葉を1枚~2枚ほど残して、下の葉は切り取ります。株の風通しを良くし、着果が促進されます。
- 手順8収穫
開花後7日~10日、長さが7㎝ほどになったら収穫の時期です。時期が遅れると固くなるので、収穫の時期を見逃さないようにしましょう。
オクラの水耕栽培の育て方
環境・日当たり
オクラの生育適温は、25℃~30℃、日当たりが良く風通しの良い場所を好みます。夏の強い光にも耐えられますが、水耕栽培の場合は容器の温度が上がりすぎてしまう場合があるため、真夏の直射日光は避けたほうがよいでしょう。
水やり
苗が小さいうちは、水の交換は3日1度は行いましょう。苗が大きくなると、培養液の減りが早くなります。水切れすると水枯れしてしまうことがありますので、水切れに注意して育てましょう。
肥料
水耕栽培でオクラを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
まとめ
オクラは、うまく育てれば一つの苗に30本ほど実をつけます。エアポンプを使わないで育てる場合には、それほど多く実をつけらないかもしれませんが、実物野菜としては栽培が簡単な野菜です。
この他にもミニトマトなどであれば、エアポンプがなくても育てることができます。
この他にも葉物野菜や、ハーブなどは水耕栽培で簡単に育てることができます。再生野菜(リボベジ)も、水だけで育てることができるのですぐに始めることができます。
畑がなくても、水耕栽培なら室内で家庭菜園を楽しむことができます。ぜひ手軽な水耕栽培を始めてみてください。
『農家web』にはこのほかにも、水耕栽培のコンテンツが豊富です。野菜だけでなくハーブや、観葉植物、多肉植物、花を楽しむ球根なども水耕栽培で育てることができます。