この記事では、油かす(油粕)肥料の基本情報とともに、植木や庭木における使い方をご紹介します。
油かす肥料とは
油かす(油粕)肥料は、ナタネ(菜種)やダイズ(大豆)から油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機肥料です。
油かす肥料の成分
油かす肥料は、その油かすの種類によっても成分が異なります。
ナタネ(菜種)油かすは、窒素が主成分で、リン酸やカリウムも多少含んでいることが特徴です。また、土壌で分解されるのが遅いため、効き目が長い、遅効の肥料ということになります。
ダイズ(大豆)油かすも、窒素が主成分ですが、リン酸やカリウムをあまり含んでいないのが特徴です。また、土壌で分解されるのが早いため、ナタネ(菜種)油かすと比較すると、効果が表れるのが早い、即効の肥料ということになります。
油かす肥料の作り方
その名前から、家庭で使った食用油の廃油や天ぷらの油かすを使って、油かす肥料を作ろうと考える方もいるかもしれませんが、それはできません。そもそも油かす肥料は、絞りカスが原料です。
市販の油かす肥料は、ダイズやナタネなどの絞りカスを原料に肥料として使いやすい形に製造されて販売されています。基本的には、市販で販売されているものを購入したほうが安全かつ、すぐに手に入ります。
肥料として使用する場合は、必ず市販のものを購入するようにしましょう。
油かす肥料の使い方
油かす肥料は、元肥・追肥のどちらの用途にも使用可能です。一般的に粉末の油かす肥料は、元肥(基肥)として土作りの際に混和させることが多いです。
ただし、微生物の働きにより分解される過程で発生するガス(アンモニアガスや亜硝酸ガス)に芽や根がさらされ、枯れることがあります。これを避けるため、作付けの2週間以上前には土に混ぜるようにしましょう。
また、油かす肥料には固形のものもあります。固形油かす肥料は、油かすのほかに米ぬかや骨粉などの有機質、ミネラル分(海藻成分)、フルボ酸などが混ぜ、水で練り込んだものを発酵・乾燥させたものです。追肥に使用することができ、用土の上に置くことで効果を発揮します。
事前に発酵させ「ぼかし肥料」として利用する方法や、水を加えて発酵させ液体肥料(液肥)として追肥に利用する方法もあります。
植木肥料としての油かす
植木や庭木の肥料として油かす(油粕)肥料を使う場合には、どのようにしたらよいのでしょうか。使用時期と、よく使われる樹種に分けてご紹介します。
時期
一般的に植木の肥料として油かす(油粕)肥料を使う場合には、成長が止まる冬のタイミングで寒肥として与えるのがよいとされています。粉末のものの他に、固形やペレットのものもあります。
樹種
つつじ
つつじ(ツツジ)が休眠する1月頃に、寒肥として油かす(油粕)肥料を施すようにします。つつじ(ツツジ)は花木のため、土中に混ぜる方法が難しいこともあるかもしれません。そういった場合には、ペレットの油かす(油粕)肥料を根元から少し離したところに置き、軽く土をかぶせるとよいでしょう。量は各製品のラベルに準拠しますが、おおむね一掴み程度が目安です。
さつき
さつき(サツキ)では2月頃に寒肥として油かす(油粕)肥料を施すほか、花が終わってから7月くらいまでも施肥するようにします。つつじ(ツツジ)と同じく花木のため、土中に混ぜる方法が難しいこともあるかもしれません。ペレットの油かす(油粕)肥料を根元から少し離したところに置き、軽く土をかぶせるとよいでしょう。量は各製品のラベルに準拠しますが、おおむね一掴み程度が目安です。
植木・花壇の花などにおすすめの油かす肥料一覧
油かす肥料の購入方法は?
油かす肥料として販売されている商品については、含まれている成分に大きな変化はありません。そのため、自分の使用する量などによって選択されることをおすすめします。油かす肥料は、ホームセンターなどでも取り扱いされていますが、店舗によっては店舗に陳列されておらず取り寄せになる場合もあります。そのため、インターネット通販で購入されることをおすすめします。「少し高いかな?」と思われるかもしれませんが、インターネットで購入した場合も、そこまで大きな価格の差はありません。インターネット通販を使用することで店舗に出向く時間が削減されたり、肥料を運ぶ時間も減るので私は積極的に利用しています。
まとめ
植木や庭木は、野菜などの栽培と違って放っておいても丈夫に生育しますが、しっかりと手入れし育てることで、きっと元気な姿を見せてくれることでしょう。