ネコソギシリーズは、レインボー薬品が開発、販売する除草剤ブランドで、多くの商品がありホームセンターなどでもよく見かけます。
顆粒タイプ(粒剤)も多くあり、どれをつかっていいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。この記事ではネコソギシリーズの顆粒タイプ(粒剤)の、種類や成分、効果的な散布方法について説明します。
除草剤の種類
ネコソギシリーズを紹介する前に、除草剤の種類について知っておきましょう。
除草剤には大きく分けて、成長した葉や茎に散布して雑草を枯死させる「葉茎処理剤」と、雑草が生える前や生長初期に、土に散布して雑草の発芽や成長を抑制したり、根から薬剤を吸収させて枯死させる「土壌処理剤」があります。
葉茎処理剤
葉茎処理剤は液体タイプに多い除草剤で、ある程度成長した雑草の葉や茎に散布して、雑草を枯死させます。葉茎処理剤の中には、薬剤が接触した葉や茎だけを枯らす接触型の除草剤と、葉や茎に薬液を散布するだけで、根まで枯らすことができる吸収移行性を持った除草剤があります。
根まで枯らす除草剤には有効成分にグリホサートが入っており、ラウンドアップなどの商品があります。また接触型の除草剤はいろいろありますが、バスタやザクサなどのグリホシネート系の除草剤や、最近よく見かけるお酢の除草剤も接触型の除草剤です。
土壌処理剤
土壌処理剤は、粒剤と呼ばれる顆粒タイプの除草剤に多くあります。
雑草の発生前に土にばら撒くことで、土壌に処理層を形成して、その処理層に雑草の発芽が触れると発芽できずに、雑草の成長を阻害します。また雑草の生育初期に、土にばら撒いた薬剤は、土から水と一緒に雑草の根に吸収され、生育初期の雑草であれば、枯死させることもできます。
非選択性と選択性とは
除草剤には、接触した全ての植物を枯らす「非選択性除草剤」、特定の植物を枯らさず、雑草のみ枯らすことができる「選択制除草剤」があります。
選択制の除草剤は、芝生や田んぼなどに使われ、芝やイネを枯らさず、雑草だけからすことができる便利な除草剤です。
ネコソギシリーズ 顆粒タイプの種類
除草剤の種類を理解したところで、ネコソギシリーズの粒剤(顆粒タイプ)の除草剤の種類について主なものを説明していきます。
ネコソギトップW
有効成分 アミカルバゾン1.0%,ブロマシル3.0%
ネコソギトップWは、非選択性「土壌処理剤」で、草丈40cmの雑草まで枯らすことができる、長期持続型粒状除草剤です。有効成分のアミカルバゾンは、発生初期の一年生及び多年生広葉雑草に効果を発揮します。。またブロマシルは除草効果が高く、頑固な雑草であるササ・ススキも枯らす効果が期待できます。ネコソギシリーズ最長の最大9カ月除草効果が持続します。
ネコソギエースV
有効成分 ヘキサジノン 1.00% 、DBN 1.00% 29、DCMU 3.00%
ネコソギエースVは、非選択性の「土壌処理剤」で、3種類の有効成分で幅広い草種を枯らし、長期間雑草を生やさないネコソギシリーズの定番商品です。容量も100g~10kgまで多くの種類があるので、使いたい分購入できて無駄がありません。
有効成分のヘキサジノンは根の深い雑草効果を発揮し、DBNはスギナに対して効果が早く出現し、DCMCは雑草の抑制効果が長く続きます。雑草の生える前から草丈20㎝までに土に均等に撒くことにより、効果が約4~6ヶ月間持続します。
ネコソギトップRX粒剤
有効成分 ブロマシル 1.50%、DCMU 3.00%、MCPPカリウム 1.50%
ネコソギトップRX粒剤は、非選択性の「土壌処理剤」で、3種類の成分配合されており、幅広い雑草に効果を発揮し、効果が長く持続します。
成分は、除草効果の高いブロマシル、長い効果を持続させるDCMU、スギナに効果のあるMCPPが配合されています。雑草の生える前から草丈20㎝までに土に均等に撒くことにより、効果が約4~6ヶ月間持続します。
ネコソギWクイック微粒剤
有効成分 グリホサートイソプロピルアミン塩 3.00%、フルミオキサジン 0.10%
ネコソギWクイック微粒剤は、非選択性の「葉茎処理剤」で樹木類の下草にも使え、厄介なドクダミにも効果を発揮します。葉茎処理剤では液体タイプがほとんどですが、こちらは細粒状です。成分にグリホサートが入っているため、葉や茎に散布すると根まで枯らすことができます。フルミオキサジンは1日で殺草効果が出る速効性の接触性除草剤のため、グリホサートは効果が出るのが遅いため、それを補った強力な除草剤です。
選び方
上記で主な粒剤(顆粒タイプ)を紹介しましたが、何を基準に選んだらよいのでしょうか。まずは土壌処理剤がいいのか茎葉処理剤がいいのか、選びましょう。
土壌処理剤は雑草がまだ小さいとき、もしくは雑草発生前です。季節では冬から春に散布します。茎葉処理剤は、ある程度雑草が大きくなってきた場合に散布します。
次にラベルをよく見て、自分が枯らしたい雑草や使いたい場所で使えるか、見てみましょう。ササやススキを枯らしたい場合には、ネコソギトップWを。スギナにはネコソギエースかネコソギトップRX粒剤がスギナに効果のある成分が入っているのでそちらがおすすめ。1年生の雑草であればどれを使っても効果を発揮しますので容量や価格などで判断するとよいでしょう。
散布方法
ネコソギトップW・ネコソギトップRX粒剤・ネコソギエースVなどの土壌処理剤は、水に溶かしたりせずそのまま土に均等にばら撒いて使います。散布する量は、除草剤のパッケージに書いてありますのでよく読んで少スペースであれば手袋をして、手でまくこともできます。
ネコソギシリーズの粒剤は、手袋や簡易的な散布機がついていたり、容器のまま散布できるのですぐ使えるのも魅力です。広範囲であれば、簡単に均等に散布することができる、散粒機もおすすめです。手動の散粒機であれば500円ほどで購入できるものもあります。薬剤の量もわかり簡単に均等に撒くことができるので、おすすめです。
ネコソギWクイック微粒剤は、葉茎処理剤のため、草丈が50cm以下の雑草生育期に、雑草の葉や茎に直接薬剤をかけて使います。粉剤なので雨が降った後や朝露の後など湿った状態の時に散布すると、薬剤が葉や茎によく付着します。
効果を最大限にするポイント
除草剤には、その効果を最大限に引き出すための散布のポイントがあります。顆粒タイプの除草剤の効果的な散布方法は下記のとおりです。
- ラベルに書かれた散布時期を守りましょう。除草剤は散布のタイミングがとても重要です。
- 土壌処理剤は、乾燥していると効果にムラが出てしまいます。小雨、降雨後の土壌が湿った時に地面に撒くのが一番いいタイミングです。乾燥している場合は水をまいてから散布するとよいでしょう。
- 薬剤は均等に撒くこと。ムラがでるとが残ってしまう可能性があります。
- 土壌処理剤を散布した当日は、散布後は立ち入らないこと。ムラがでやすくなります。
- 土壌処理剤を使う場合に、スギナが大きくなりすぎても草刈りはしないこと。土壌処理剤は雑草が大きくなったら草刈り後に散布することと書かれていますが、スギナは草刈りをすると胞子が飛び散ります。大きくなりすぎたら土壌処理剤は使わず、茎葉処理剤の除草剤を使いましょう。
注意点
ネコソギシリーズは、非選択性の除草剤です。土壌処理剤は、特に周りの環境に注意して使いましょう。
- 傾斜地では使わないこと。散布した薬剤が傾斜に沿って流れ落ちると、他の植物に薬害が生じる他、効果が劣る可能性があります
- 大雨が降ると、薬剤がでてしまうので天気に注意しましょう
- 樹木などの枯らしたくない植物の周りには散布しないこと。根から薬剤を吸収するため、根の先端から1m以上は離して散布してください。(根は土の中で意外と遠くまで張っています)