ネコソギシリーズは、レインボー薬品が開発、販売する除草剤ブランドで、粒状タイプのネコソギトップW、ネコソギ、また液状タイプのネコソギロングシャワーV8、ネコソギロングシャワーと様々な種類があります。
ここでは、そもそも除草剤はどういうタイプがあって、どんな効果があるのか、そしてタイプ毎のネコソギシリーズの特徴と使い方、購入方法を解説します。
除草剤ネコソギシリーズとは
ネコソギシリーズは、レインボー薬品が開発、販売する除草剤ブランドで、多くの商品がありホームセンターなどでもよく見かけます。ネコソギトップWなどの顆粒タイプと、ネコソギシャワーALのような液体タイプがあります。
ネコソギの撒き方
ネコソギシリーズの顆粒タイプは、土壌に撒いて使用します。雑草の発生前に土にばら撒くことで、土壌に処理層を形成して、その処理層に雑草の発芽が触れると発芽できずに、雑草の成長を阻害します。
このため、顆粒タイプを撒くときは、雑草がまだ小さいとき、もしくは雑草発生前が効果的です。
ネコソギシリーズの粒剤は、手袋や簡易的な散布機がついていたり、容器のまま散布できるのですぐ使えます。均等に撒くのがポイントです。
ネコソギの使い方
ネコソギシリーズの液体タイプは、ある程度成長した雑草の葉や茎に散布して、雑草を枯死させます。葉や茎に薬液を散布するだけで、根まで枯らすことができる吸収移行性を持ったグリホサートを成分としています。
それぞれの除草剤ごとに、農耕地で使えるのかどうか、といった場所の規制、また、どの作物に使えるのかが異なります。下記の種類別の分類を参考に、使いたい場所で使えるかどうか、使用前に確認するようにしましょう。
除草王とネコソギシリーズの比較
ホームセンターに行くと、ネコソギシリーズの近くに、カダン除草王シリーズが置かれていることもあります。その違いは、例えば、ザッソージエースは、グリホサートカリウム塩が成分なので、ネコソギよりも散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい特性があります。
また、除草王の中には、とうもろこしやお茶などに含まれるベラルゴン酸や、醸造酢といった安全な植物成分を使っているものもあり、トラロメトリンという虫を寄せ付けない成分で、虫を寄ってこないようにするものもあります。用途に合わせてどちらを使うか判断するようにしましょう。
ネコソギシリーズを種類別に分類
「非選択性」かつ「茎葉処理剤」
ネコソギシリーズの葉茎処理剤は全てグリホサートイソプロピルアミン塩が含有しているため、グリホサート系の除草剤と言えます。
グリホサートは、イネ科、広葉の一年生雑草、多年生雑草、ササ類、雑灌木などほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は遅効性で効果の発現に3 ~ 7日、そして完全 な効果に10日~ 2カ月ほどを要します。グリホサートは、(茎葉)吸収移行型のため、葉だけでなく、接触した植物の地下茎、根も含めて全体を枯らす効果があるため、地下茎を生やすスギナやドクダミ、ヨモギなどの多年生雑草に効果テキメンです。逆に根を残したい田んぼの畔や傾斜地には向きません。非選択性のため、商品説明の適用作物名、適用場所をよく確認してください。
ネコソギクイックプロFL (レインボー薬品(株))
成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩で、効果は、グリホサートイソプロピルアミン塩の他の製品(ラウンドアップ 、アースカマライズなど)と同様です。また、ピラフルフェンエチルも配合しているため速効性があり、雑草にすぐ効きます。希釈して使用するタイプなので、経済的に使えます。グリホサート にピラフルフェンエチルの組み合わせは、「サンダーボルト007」という商品もあります。
また、適用作物が「樹木類」だけではなく数多くの作物に対応しているので、用途を確認し農耕地でも使用することができるのが他のネコソギシリーズ商品にはない特徴です。
ネコソギシャワーAL (レインボー薬品(株))
成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩のみで、効果は、グリホサートイソプロピルアミン塩の他の製品(ラウンドアップ 、サンフーロン、アースカマライズなど)と同様です。希釈せずにそのままシャワーヘッド(ジョウロヘッド)等が付属し、噴霧器などを使わずとも、すぐに使用できます。使用できる場所は、適用作物が「樹木等」なので「周りに守るべき作物がない場所」(例えば空地や駐車場、植栽が周りにない自宅の庭など)に限定されます。
ネコソギWクイック微粒剤 (レインボー薬品(株))
こちらの商品は液剤ではなく、細粒状です。成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩にフルミオキサジンを配合してあり、フルミオキサジンは1日で殺草効果が出る速効性の接触性除草剤のため、グリホサートの遅行を補った強力な除草剤です。そのまま散布できる「らくらく散粒ヘッド」が付属し、すぐに散布できます。使用できる場所は、適用作物が「樹木等」「つつじ類」「つばき類」なのでつつじ、つばき以外の「周りに守るべき作物がない場所」に限定されます。
商品名 | ネコソギクイックプロFL | ネコソギシャワーAL | ネコソギWクイック微粒剤 |
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概要 | |||
有効成分 | グリホサートイソプロピルアミン塩 ピラフルフェンエチル | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 フルミオキサジン |
農耕地使用 | ○ | ✖️ | ✖️ |
希釈する必要 | 有 | 無 | 無 |
尿素を混ぜると(尿素混用)除草剤の効果が高まります
尿素は代表的なチッソ肥料ですが、農薬に少量を混ぜ込ませると、農薬の効果を高めると言われています。理由は、尿素が植物の葉の表面のワックス層やクチクラ層の細胞をゆるめ、農薬を浸達しやすくするためと言われています。混ぜ込ませる量は、20Lに一掴み程度の少量が目安です。
尿素を入れることで、除草剤(液剤)に速効性が出て枯れ始めが迅速になり、また希釈濃度を薄くしてもしっかり効果が出る強力除草剤に変身するので、効果にムラが出にくくなります。結果、使用する除草剤の原液量が減るため減農薬となり、コストも少なくなります。大量の除草剤を撒く必要がある農家の方には、おすすめの方法と言えます。
「非選択的」かつ「土壌処理剤」
「土壌処理剤」は効果を最大限発揮させるため、使用する時期は、雑草があまり発生していない、また発生している場合はしっかり草刈り、草取りした後に散布すると良いでしょう。
ネコソギトップW (レインボー薬品(株))
成分はアミカルバゾン、ブロマシルで、粒のまま地面にパラパラ撒くタイプの粒状の除草剤です。除草効果が半年以上という非常に長期間持続するのが特徴です。1~2週間で枯れ始め、30日前後でほとんど枯らすことができ、成分が土壌に一定期間とどまるので、新しい雑草の発生を予防できます。使用できる場所は、適用作物が「樹木等」なので「周りに守るべき作物がない場所」に限定されます。
ネコソギエースV粒剤 (レインボー薬品(株))
成分はヘキサジノン、DBN、DCMUで、粒のまま地面にパラパラ撒くタイプの顆粒除草剤です。除草効果が約4~6ヶ月持続します。1~2週間で枯れ始め、30日前後でほとんど枯らすことができ、成分が土壌に一定期間とどまるので、新しい雑草の発生を予防できます。使用できる場所は、適用作物が「樹木等」なので「周りに守るべき作物がない場所」に限定されます。
ネコソギトップRX粒剤 (レインボー薬品(株))
成分は、ブロマシル、DCMU、MCPPで、特にスギナに効果があるMCPPが配合されているのが特徴です。こちらも除草効果が約4~6ヶ月持続します。そのまま散布できる「らくらく散粒ヘッド」が付属し、すぐに散布できます。使用できる場所は、適用作物が「樹木等」なので「周りに守るべき作物がない場所」に限定されます。
商品名 | ネコソギトップW | ネコソギエースV(粒状) | ネコソギトップRX粒剤 |
---|---|---|---|
概要 | |||
有効成分 | アミカルバゾン ブロマシル | ヘキサジノン DBN DCMU | ブロマシル DCMU MCPP |
農耕地使用 | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
「非選択的」かつ「葉茎処理剤」+「土壌処理剤」 (ハイブリッド型)
ハイブリッド型は「葉茎処理剤」の既に生えた雑草を枯らす力と、「土壌処理剤」の雑草の発芽、繁殖を抑える力の二つの要素を併せ持つタイプです。
ネコソギロングシャワーV9 (レインボー薬品(株))
成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩とブロマシル、メコプロップPカリウム塩液剤になります。グリホサート、メコプロップPカリウム塩の根、地下茎まで枯らす非選択性葉茎処理力を有しつつ、土壌処理剤としてブロマシルの力を合わせ持ちます。ロングシャワーという名称が示す通り、ネコソギシリーズ史上、最長9ヶ月と最も除草効果が持続する商品になります。希釈せずにそのままシャワーヘッド(ジョウロヘッド)等が付属し、噴霧器などを使わずとも、すぐに使用できる液剤があります。なお、使用できる場所は適用作物が「樹木等」なので、「周りに守るべき作物がない場所」に限定されます。