リサール酵産が製造販売しているカルスNC-Rは微生物を用いた土壌改良資材です。この記事では、カルスNC-Rを使った追肥用の発酵ボカシ肥の作り方、土中ボカシの施用方法を簡単に解説します。
リサール酵産の発酵促進剤カルスNC-Rとは
カルスNC-Rは、リサール酵産株式会社が製造・販売している土壌改良資材、複合微生物資材です。
米ぬかや油かすなどをカルスNC-Rで発酵させるとボカシ肥料となります。また、有機物と一緒に土壌にすき込むことで基肥として使用することもできます(土中ボカシ)。
カルスNC-Rは、以下のような用途で使われます。
- 追肥用のボカシ肥料を作る:米ぬかや油かすなどとともに堆積発酵させることで、追肥用のボカシ肥料を作ることができます。
- 様々な有機物と一緒にすき込むことで基肥として使う:緑肥(ソルゴー)や作物残さ、生もみ殻、生堆肥などと一緒にすき込むことで基肥として使用できます。切り返し不要ながら、微生物の分解が進むことで地力の向上につなげることができます。土中ボカシと呼んだりもします
カルスNC-Rの商品情報等は、公式サイトをご確認ください。
カルスNC-Rの特徴
カルスNC-Rには、以下のような特徴があります。
- カルスNC-Rの施用により、土壌の微生物相が改善され、作物の生育に適した栽培環境が作られる。
- 生の有機物を利用した土作りにより、土壌の生物相が改善され通気性、保水性、排水性の向上が期待できる。
- カルスNC-Rに含まれる微生物の働きにより、根圏環境が改善され、連作障害に対する副次的な軽減効果が期待できる。
(出典:カルスNC-R パンフレット)
カルスNC-Rはどこで購入できるか
カルスNC-Rは、正規代理店のホームセンターや園芸資材店で購入することができます。他にもネット通販でも購入することが可能で、手軽に手に入れることができます。
カルスNC-Rを使ったぼかし肥料作り・土中ボカシ概要
カルスNC-Rを使ったぼかし肥料づくり
カルスNC-Rを使う場合も、追肥用のボカシ肥料の作り方は、基本的なぼかし肥料の作り方と同様となります。ぼかし肥料の作り方については、下記の記事をご覧ください。カルスNC-Rの量は、適宜調整してください。
土中ボカシ 基肥として使用する場合
土中ボカシ、いわゆる有機物と一緒に基肥として使用する場合の手順は以下のとおりです。会社の公式パンフレットにも詳しく使用手順、使用量が掲載されていますので、参考にするとよいでしょう。
- 有機物をまく
- カルスNC-Rをまく
- 速やかにロータリー(トラクター等)ですき込む
- 1〜3週間空けて作付けをする
カルスNC-R以外の発酵促進剤は?
もちろん、カルスNC-R以外にも発酵促進剤はあります。コンポスト用の生ゴミ発酵促進剤やEM-1、EM1号などEM菌が含まれた資材、コーランネオなどがあります。
それぞれ用途によって、使い分けると良いでしょう。
参考:ぼかし肥料とは
ぼかし肥料とは、油かすや米ぬか、籾殻(もみ殻)、鶏糞(鶏ふん)など複数の有機質資材を配合させたものに土(土着菌)や発酵促進剤などを加えて、発酵させた肥料のことを指します。昔は有機質を土などで肥料分を薄めて肥効を「ぼかす」としていたことから、ぼかし肥料という名前がついたと言われています。
ぼかし肥料は、昔の農家では自分たちで独自で作っていましたが、化学肥料が発明されて窒素、リン酸、カリウム(加里)などの養分が手軽に補えるようになったことから、製造、使用されることも少なくなりました。しかし、近年は可能な限り化学肥料を使わない栽培方法(特別栽培や有機栽培)が人気となり、再び「ぼかし肥料」に注目が集まっています。
発酵させることにより、有機肥料(有機質肥料)に比べて植物が吸収することができるアンモニア態窒素、硝酸態窒素に無機化されるため、施してからすぐに肥料が効き始める速効性が備わっています。緩効性、遅効性という有機肥料の特長に、速効性を併せ持つことによって、より使い方の幅が広がる肥料となっています。
また、自分でぼかし肥料を作ることもできます。正直、良質なぼかし肥料を作るのは結構難しく手間のかかる作業なので、家庭菜園や園芸などで有機栽培に挑戦されたいという方は購入されることをおすすめします。