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球根の肥料

水仙(スイセン) 肥料の与え方の基本とおすすめの肥料

球根の肥料

早春から春に咲く水仙(スイセン)は、甘い香りとかわいらしい花が人気の球根植物です。日本の気候に適しており、非常に丈夫なので、鉢植えだけでなく水耕栽培でも栽培できます。

水仙を上手に咲かせるには肥料はいつ、どのようなものを与えたらよいのでしょうか。ここでは水仙(スイセン)の肥料の与え方の基本とおすすめの肥料についてわかりやすく説明します。

水仙(スイセン)の基礎知識と肥料を与える時期

水仙(スイセン)の基礎知識

植物の栽培をするうえで、その植物の特徴を知っておくことは大切です。自生地や生育期などを知ればその植物がどのような環境で育てると枯れずに育つのかわかってきます。

水仙(スイセン)は秋植え(春咲き)球根。古くから世界中の人に愛され、品種改良がおこなわれており1万種類以上の種類があるといわれています。日本でなじみの深いのはニホンズイセンで、外側の花びらは白く、花の中央にオレンジ色の筒形の副花冠があります。茎にいくつもの花を咲かせる房咲きスイセンの一種です。

地植え、鉢植え、水栽培での栽培が可能です。耐寒性が強く、雪の降る場所でも地植えも可能です。球根の内部にたっぷりと養分を蓄えているので、肥料がなくとも花が咲き、八重咲きスイセン系やラッパスイセン系は特に丈夫なので、水耕栽培に向いています。

スイセン
学名 Narcissus
属名 ヒガンバナ科  スイセン属
原産地地中海沿岸、西アジア
草丈10㎝~50㎝
耐寒性等耐寒性 強い 耐暑性 普通 
花言葉「うぬぼれ」「自己愛」

肥料を与える時期

球根は育つのに必要な栄養分を蓄えていて、花芽がすでに準備できているものもあるため、植えつけ1年目は肥料がなくても花を咲かせることができますが、少量の肥料を与えることで株を充実させ多くの花を咲かせることができます。

水仙(スイセン)は、一度植え付けすれば3年~4年は同じ場所で栽培することが可能なため、植えつけ時には元肥を施し、開花が終わったら翌年のために速効性の肥料を与えて育てます。

また植え付け時期の芽出しを助けるために、活力剤を活用するのもおすすめです。水耕栽培では、球根が持っている養分が少ない場合には開花しないので、少量の液肥を与えると充実した花が咲きます。

水仙の肥料の与え方

地植え

地植えの場合は3~4年植え替えが不要なので、日当たりの良い風通しの良い場所を選びましょう。

元肥

苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。地植えの場合は、土づくりと同時の行いましょう。

  1. 栽培するスペースを決め、土壌phの調整が必要な場合は苦土石灰1㎡あたり100gまいて、深く耕しておきます。
  2. 1から一週間ほどたってから、植えつける場所に完熟堆肥や腐葉土を混ぜ込みます。
  3. 2から10日ほどたってから、球根を植えつけます。球根を深さは球根3個分の土がかかるように、深めに植え付けます。
土壌について

水仙(スイセン)に適した土壌酸度(pH)は、6.0〜7.0です。日本の土壌は雨などの影響で酸度が高くなりがちなので、苦土石灰を施して調整します。

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堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。球根には不牛ふん堆肥がおすすめです。植物性の堆肥を使いたいのであれば腐葉土を使いましょう。

未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。

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追肥

植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。

水仙の場合は、元肥をしっかりしておけば、花が咲き終わるまで追肥は不要です。花が咲き終わってから葉が茶色くなるまで、翌年のために球根を太らせるための追肥を行います。速効性の化成肥料を土にばらまくか、液体肥料を月に2~3回与えます。

鉢植え

鉢植えやコンテナで育てる場合は、元肥入りの草花用培養土が便利です。肥料が入っていない場合は、草花用の緩効性肥料をまぜてから植えつけしましょう。球根の植えつけは庭植えとはことなり、地面すれすれでOKです。

追肥は、花が咲き終わって葉が茶色くなるまで、速効性の化成肥料を月に1回ほど与えるか、液体肥料を月に2~3回与えます。

水耕栽培

スイセンの水栽培

秋植えの水仙は水耕栽培しやすい球根です。充実した良い球根であれば、基本的に肥料がなくとも花が咲きます。球根の持っている養分が少ない場合は、少量の液体肥料を与えるとよいでしょう。水耕栽培用の肥料がおすすめです。

水仙におすすめの肥料

球根は、窒素分が多いと球根が腐りやすくなるため、窒素はすくなく花をさかせるリン酸と球根を太らせるカリが多い肥料がおすすめです。

球根の肥料

球根には専用の肥料があります。専用肥料であれば肥料成分が球根の生育に合わせた配合になっており、肥料量も記載されていることが多いので、誰でも簡単に使えます。基本的には窒素(N)が少なく、リン(P)やカリ(K)が多く配合されています。元肥にも追肥にも使えるものが多く、地植えでは有機配合肥料がよいでしょう。

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鉢植えの元肥には化成肥料のハイポネックスの定番肥料の粒状肥料のマグァンプKがおすすめ。ゆっくり効果がつづく緩効性肥料で、リンの配合量が多く様々な草花に使える肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていています。植えつけ時の元肥には中粒がおすすめです。

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液体肥料(追肥用)

追肥には液体肥料がおすすめです。草花用の肥料であればどれでも使えますが、窒素分がすくないハイポネックス原液や、住友園芸化学の花工場原液などがおすすめです。

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水耕栽培用肥料

水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。

家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。

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その他水仙(スイセン)の栽培で気をつけること

栽培環境

水仙は日当たりのよい風通しの良い場所を好みます。生育期の秋から春にかけて日が当たる場所で管理しましょう。粘土質な土よりも砂地を好みます。庭などで水はけの悪い場所で育てる場合は軽石などを敷いて水はけを良くしましょう。

水やり

庭植えの場合、水やりは特に必要ありません。乾燥が続くときには水やりをしましょう。

鉢植えの場合は、鉢の中の水が完全に乾いてから鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。メリハリが大切です。鉢の中の水が完全に乾かないうちに水を与えると、球根が腐ってしまうことがあるので注意しましょう。冬の間も成長するので、暖かい午前中に与えましょう。

開花後の管理

来年花をたくさん咲かせるためには、開花後の管理が重要です。花が終わったら花がら摘みをします。花茎から切り取ります。葉っぱは切ってはいけません。球根の栄養を与えるため光合成をするために葉は必要です。完全に枯れるたら切り取ります。

庭植えの場合は、3年~4年ほど同じ場所で植えたままで育てることができます。鉢植えなどで間隔を空けずに育てた場合は、球根が大きくなったり分球ができない場合があります。その場合は球根を堀り上げる必要があります。

葉が黄色く枯れたころに、土から堀り上げます。陰干しした後に、ネットなどにいれて風通しの良い日陰で保管しましょう。

まとめ

水仙(スイセン)は、品種も多く丈夫なので初心者でも育てやすい球根です。スイセンは1年目は土に植えれば花は咲くといわれるほど、栽培が簡単ですが長く花を咲かせるには、肥料をしっかり与えて管理してあげましょう。

1年限りでよいというのであれば、ヒヤシンスのように水だけで育てる水耕栽培もおすすめです。ハイドロカルチャーや水など土の変わりとなるものでも育てることができます。香りが良いのも水仙の特徴です。ぜひお気に入りの品種をみつけて水仙の栽培にチャレンジしてみてください。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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