草刈機は便利ですが、間違った使い方をするとケガなどのリスクもあります。ここでは初心者の人でも使いやすい草刈機(刈払機)について、おすすめの製品や選び方のポイントをわかりやすく説明します。
草刈機の種類と選び方
草刈機(刈払機)には多くの種類があります。ご自身の刈りたい場所がどれぐらいの広さで、どのような草が生えているのか、まずは調べてみましょう。それによっておすすめの草刈機は変わります。
家の庭など、狭い場所で使う場合
家の庭や駐車場などで使いたい初心者の人には、動力は「電源式」で刈刃は「ナイロンコード」の草刈機(刈払機)をおすすめします。
電源式とは
電源式とは、コンセントにつないで使うタイプの草刈機や、リチウムイオンバッテリーに充電して使う、コードレスの草刈機(刈払機)のことをいいます。動力には電動式とエンジン式がありますが、電動式は電源を入れて、スイッチをいれればすぐに草刈りできますし、音も静かです。住宅街では草刈機の音は騒音になり回りにも迷惑がかかりますので、電源式がおすすめです。
コンセントにつないで使うタイプは、充電式より経済的でパワーもあり、充電切れがないため長時間作業ができます。充電式は、コンセントのない場所でも使えコードがないので、取り回しやすいです。広い場所では、予備のバッテリーがあれば長時間作業することも可能です。
ナイロンコードについて
ナイロンコードとは、草刈機の刈刃(ブレード)の種類で、ナイロン状の紐が高速回転することにより草をカットします。
初心者の方にナイロンコードをおすすめするのは、安全性が高い刈刃だからです。草刈機は棹の先端の刈刃を左右に振ることにより草をカットするため、使い方を間違えば大きなケガにつながります。
特に大きなケガにつながる、「キックバック」という現象があります。これは刈刃が、石や壁、木などにあたり刃の跳ね返りが起きてしまう現象で、自分だけでなく周りの人にけがを負わせる危険性もあります。キックバックは、刈刃が固い、チップソーや金属刃で起きナイロンコードではおきません。また金属刃が障害物に当たって刃が欠けて飛ぶというリスクも、ナイロンコードの場合は起きず安全性が高い刃といえます。
草刈機に慣れるまでは、安全性を一番に考えたナイロンコードが使えるものをおすすめします。しかしナイロンコードは、硬い草が苦手です。硬い草がある場合には、「樹脂刃(樹脂ブレード)」もおすすめ。ナイロンコードより切れ味がよく、障害物に当たると刃が引っ込むようになっているものもあり安全性が高くおすすめです。
農家などで広い場所や、山林などで使う場合
農家の方や、山林などで使う場合には、パワーのある草刈機(刈払機)がおすすめ。
草刈機のパワーについて
草刈機(刈払機)はパワーがあるほうが、硬く生い茂った草をバンバン刈り取ることができます。プロの農家の方や造園業の方などはパワーがあり、燃料を追加すれば長時間作業できることからエンジン式草刈機(刈払機)を使う方が多いです。
エンジン式の草刈機(刈払機)は、排気量が20ml~23ml、26ml前後、30ml以上のもの大きく分けられます。自分の使いたい用途に合わせた排気量の草刈機を選ぶことが重要です。
- 23ml以下のものは、家の周りの草刈りや、家庭菜園、畔刈りなどに使えます。このクラスの草刈機は軽いものが多いので、女性や体力に自信のない方でも手軽につかうことができます。
- 26ml前後の草刈機は農業用地の草刈りや、公園などの整備など緑地管理にもよく使われます。パワーもあるのでナイロンコードも使うことができます。
- 30ml以上の排気量の草刈機は、山林の下草などにも使えます。硬い草でも刈り取ることができ、広い場所に草が生い茂ってしまっている場所などでも、効率よく草を刈ることができます。
最近は充電式草刈機もパワーのあるものが増えてきています。例えばマキタの充電式草刈機は18Vの場合はエンジン式草刈機の22ml相当、18V+18V=36Vの製品ではエンジン式草刈機の30ml相当のパワーがあるものもあります。
刈刃について
初心者の人には、やはり安全性を考えて「ナイロンコード」をおすすめします。しかしナイロンコードでは硬い草は切れないという難点があります。そこで、キワ刈りといわれる障害物がある回りはナイロンコードを使い、障害物がない場所ではチップソーを使うなど使い分けするのもよいでしょう。
草刈機は刈刃が2種類付属していたり、付属品を購入できる草刈機(刈払機)があるので、ナイロンコードを使って慣れたらチップソーを使うなどもできるため、長い期間使う予定の人にはそのような製品がおすすめです。
背負い式と肩掛け式
草刈機(刈払機)には、エンジン部分を肩掛けするのか、背負うのかでタイプが分かれます。背負い式は重たいエンジン部分が背中にくるため、腕や腰などの負担を軽くし、棹を上下に上げやすくなるため段差のある場所におすすめです。
しかし初心者の人には、おすすめしません。背負い式の草刈機は、刃が足元に近くなります。プロの方たちはそれが動かしやすい利点にもなりますが、やはり使い慣れていない人にはケガのリスクがあがります。まずは肩掛け式の草刈機(刈払機)から始めるのをおすすめします。
草刈機(刈払機)のハンドルの選び方
草刈機は主に下記のような、両手ハンドル、ループハンドル、ツーグリップハンドルの3種類があります。平地であれば初心者の人には両手ハンドルがおすすめ。種類も多く安定しています。
草刈りをする場所が、空き地や庭のように平坦なところなのか、また畦畔や畦道、山林の下刈りといった傾斜地なのかでグリップを変えるのは、草刈りを安全かつ効率的に行うために非常に重要なポイントです。
初心者におすすめの充電式草刈機(刈払機)
マキタ MUR193DSF
充電式草刈機といえばマキタ製品が安心という人も多くいます。マキタには多くの充電式草刈機がありますが、「MUR193DSF」は価格も手ごろで、初心者に安心のナイロンコードが使えるタイプです。
ループハンドルで、ワンタッチで長さ調整可能。さらにヘッド部の角度5段階調整可能で先端部が180度回転するので、キワ刈りにもぴったりです。1バッテリーで、37坪程度の広さに対応できます。パワー18V、本体質量2.4kgで市場価格は約20,000円です。
家庭の庭だけで使うのでしたら、「MUR100DSH」はパワーは10.8Vですが1.8kgと軽量で、ナイロンコードもしくは樹脂刃が使えるのでそちらもおすすめです。その他マキタには刈刃が交換できるものや、高機能の製品もあります。詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
工進 充電式草刈機 SGR-1820
工進(koshin)はエンジンポンプ部門で世界1位を誇る、京都に本社を置く非常に優れたメーカーです。SGR-1802は、その工進が女性やシニアのために作った充電式草刈機です。
刈刃は、チップソーと樹脂ブレード(樹脂刃)の両方がついています。広い場所での硬い草などは、チップソーを使い、芝生や狭い場所でのキワ刈りには樹脂刃を使うと安全に効率的に草刈りができます。平均的な身長の女性が手を伸ばして使える角度とパイプの長さで、腕を曲げずに使えるため作業が楽です。グリップを握るだけでスタートできるので操作も簡単です。18Vで業界最軽量クラス 1.8kg、ループハンドル、市場価格は約20,000円です。
ボッシュ EGC218
ドイツの電動工具メーカー「ボッシュ」の草刈り機は、DIY製品として家庭用の草刈りとして人気が高く、手軽で使いやすいのが魅力です。EGC26は、刈刃はナイロンコードで、バランスの良い軽量(2.1kg)設計で操作がしやすいので、女性や力の弱い人にもおすすめ。ナイロンカッターは、セミオートスプール付きです。手元のスイッチ操作で、ナイロンコードを自動切断することができるので手動での操作は不要です。
手元のボタンでハンドルを回転させることでキワ刈りへの切り替えも簡単です。一度の充電(充電時間60分)でテニスコート6面分のキワ刈りができます。雑草の刈り取りだけでなく芝生の刈り込みにも使えます。バッテリーは18V、本体質量2.1kg、市場価格は約23,000円です。
初心者におすすめのAC電源草刈機(刈払機)
電源が確保できるのであれば、電源コード式の草刈機はリーズナブルです。コードに気をつけて草刈りしましょう。
京セラ(旧リョービ)AK-3710
旧リョービ株式会社のパワーツール事業(電動工具・ガーデン機器・清掃機器等)は、2018年に京セラグループの京セラインダストリアルツールズ株式会社へ、事業譲渡されています。マキタと並んで人気のRYOBIブランドの製品です。
刈刃は、安全なナイロンコードで回転数は11000min-1とパワーもあります。ワンタッチで長さ調節が「できる伸縮機能付」で、ヘッド部が180°回転してキワ切りにも便利です。本体質量2.1kgで市場価格は7,000円。最初の草刈機には信頼度、コスパとも良い製品です。
マキタ MUR2500
マキタからも1台紹介します。刈刃がナイロンコードの「MUR2500」です。回転数:11,000min-1(回転/分)とパワーも十分です。
庭などは庭木や、縁石、石など障害物等に刃があたって、キックバックや刃が欠けて飛んでくるなどのリスクが多くなります。ナイロンコードであれば小石などが飛んでくるリスクは増えますが、大きな事故にはつながりにくく安心して使えます。
本体重量2.3kg、市場価格は10,000円とリーズナブルにマキタの草刈機が使えます。
山善(YAMAZEN) SBC-250JB
山善の「SBC-250JB」を紹介します。こちらは金属刃と樹脂刃の2WAYタイプ。ナイロンコードは安全性が高いのですが、硬い草が苦手です。硬い草を切りたい場合にはこちらもおすすめです。
金属刃は硬い草をバンバン刈り取ります。しかしキワ刈りはキックバックなどがおき危険なため、樹脂刃を使ってキワ刈りするのがおすすめです。また本体が2分割できるので収納や持ち運びにも便利です。本体質量は1.9kg市場価格は、10,000円程度です。
初心者におすすめのエンジン式草刈機
共立 SRE2230/SRE2430/SRE2730
共立のアルミ操作桿モデルは使いやすい軽量な肩掛け式草刈機(刈払機)です。エンジンの始動にコイルダンパー式iスタートを採用し、力がいらずエンジンが始動できる機能もついています。
その中でも一番軽量な草刈り機が、「SRE2330」です。細部まで軽量化にこだわり、通常の動排気量の草刈機は4kgを超えるものが多いのですが、こちらは本体質量3.2kg~3.5kg(ハンドルによる違い)を実現しています。
一般的な圃場の平地はもちろん、軽さを生かして、法面や傾斜地、田んぼの畔畦などに活躍します。ハンドルは、ツーグリップタイプ、U字ハンドル、ループハンドルから選ぶことができます。
SRE2230は、排気量20.9mlですがもう少しパワーがほしい人には、ナイロンコードも使える排気量が22.8mL(cc)のSRE2430シリーズ、25.4mL(cc)のSRE2730シリーズもあります。全て、軽量なのが最大の特徴です。
製品名 | 共立 SRE2230 | 共立 SRE2430 | 共立 SRE2730 |
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概要 | |||
パワー | 20.9 | 22.8 | 25.4 |
ブレード(刃) | チップソー 230mm | チップソー 255㎜ (ナイロンコード使用可) | チップソー 255㎜ (ナイロンコード使用可) |
質量(kg) | 2グリップ:3.2 Uハンドル:3.5 ループ :3.4 | 2グリップ:3.9 Uハンドル:4.3 ループ :4.1 | 2グリップ:4.2 Uハンドル:4.6 ループ :4.1 |
タンク容量(ℓ) | 0.45 | 0.58 | 0.7 |
目安市場価格 | 約43,000円 | 約50,000円 | 約60,000円 |
ゼノア BC222ST-EZ
ゼノアは草刈機(刈払機)は、農家の方に非常に人気のあるブランドで、クボタ(KUBOTA)やイセキといった、農業界を代表する会社のOEM製品に採用されていることからも、その性能の素晴らしさを証明していると言えます。
ゼノアで初心者におすすめの草刈機といえば、「BC222ST-EZ」シリーズです。ゼノアは草刈機を「農家向け」「造園・山林プロ向け」コストパフォーマンスに優れた「ジャストシリーズ」の3種類にカテゴライズしています。こちらは農家向けに向けられた製品。
排気量21.7ml、質量が3.6kg~4.0kg(ハンドルによる)で、共和の製品よりも重量はありますが、農家向けに作られた製品で安定したエンジンで、新型ギアケースは耐久性もあるため、非常にバランスの取れた製品です。排気量も少し大きめなので255㎜のチップソーも使えます。
ハンドルは、ツーグリップ、ループハンドル、両手ハンドルから選べます。
製品名 | ゼノア BC222ST |
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概要 | |
パワー | 21.7 |
ブレード(刃) | チップソー 230mm |
質量(kg) | 2グリップ:3.6 ループ :3.7 両手:4.0 |
タンク容量(ℓ) | 0.5 |
目安市場価格 | 約45,000円 |