ミントは、丈夫で日陰でも耐えられるので、室内で育てられる水耕栽培にぴったりのハーブです。ここでは種や挿し木から始めるミントの水耕栽培について、ペットボトルとスポンジで育てる方法についてわかりやすく説明します。
ミントの水耕栽培について
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
葉物の野菜は水耕栽培向きで、ミントや大葉、バジルなどは生育がおう盛で丈夫なため、初心者の方でも育てやすいハーブでキッチンハーブとして人気です。少量ずつ収穫して、いつでもフレッシュな香りを楽しめるためハーブの水耕栽培は人気があります。
ミントの水耕栽培は、播種(タネまき)、挿し穂、苗から始められます。おすすめはホームセンターなどで販売されているポットの苗か挿し木です。スーパーに売っている食用のミントでも挿し木で増やすことができます。
挿し木から育てるミントの水耕栽培
挿し木の準備
ミントの苗から挿し木をする場合は、元気の良い若い芽を選んで先端から10㎝~15㎝にカットします。スーパーなどのミントもなるべく新鮮なうちに、挿し木にしましょう。
一番上の葉だけ残し、下葉は切り落とします。一番上の葉が大きいようなら蒸散を防ぐために切り取ります。切り口は斜めにスパッときって断面を広げます。断面を広げることで、水を吸い上げやすくします。
準備するもの
- ミントの挿し木(挿し穂)
- スポンジ
- ペットボトル500ml
- メネデール(発根促進剤なくても可)
- 水耕栽培用肥料
- 水
発芽促進剤のメネデールは、あると発芽の確立がUPします。小さなものがホームセンターでも売られています。活力剤ですので、植物が弱った時にも使えます。
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を飲み口から7センチ程度のところをカッターやハサミなどで切り取ります。
上部を逆さにして下部にセットして使います。
- 手順2スポンジに枝をセットする
スポンジを3㎝角に切り、中央に十字の切り目をカッターでいれ、水を吸わせます。十字に切ったスポンジの間に大葉の茎を入れます。
- 手順3ペットボトルに設置
ペットボトルの下の部分に水をいれ、手順2で作った苗とスポンジを上部にセットします。口の部分から水を吸い込みます。
- 手順4水の交換
明るい日陰に置いて、2~3日に1度水を換えましょう。スポンジが乾かないようにします。水替えはメネデール100倍液を使います。ペットボトルの下の部分が汚れていたら、洗って清潔にしておきます。
- 手順5発根後
発根には、2週間から1か月ほどかかります。根がスポンジの下からでてきたら水の量を変えます。根の半分が根につかるぐらいにして根の上部は空気が当たるようにして育てましょう。
ここからは水耕栽培用の肥料を与えて育てます。培養液(肥料を入れた水)は3日に1度は替えましょう。
苗から始めるミントの水耕栽培
水耕栽培には挿し木で、水栽培用の根を発芽させるほうが成功率は高いですが、苗からそのまま植え替える方法もあります。
苗の植え替え時期
ミントの苗は、園芸店やホームセンターなどで春か秋に出回ります。寒いと生育がよくないので4月以降に購入したほうが、栽培が簡単です。
準備するもの
- ミントの苗
- スポンジ
- ペットボトル (苗の大きさに合わせたもの)
- 水耕栽培用肥料
- 水
手順
- 手順1根を洗う
ポットから苗を取り出し、土をほぐして落とします。その後、水でよく洗い流します。シャワータイプやキリなどを使って、根をほぐしながら土をよく落としましょう。
- 手順2ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは不要です。ペットボトルの下部に水をいれておきます。
- 手順3ペットボトルにセットする
切り取ったペットボトルの上部を飲み口を下にして、飲み口から根がでるように苗をセットします。
苗が大きく根が全部出ない場合は、飲み口の部分をカットして、根が傷つかないようにして下にだします。この時、苗の根元に中央に切り目を入れたスポンジを挟んで調整することができます。
- 手順4肥料を与えて育てる
水耕栽培用の肥料を水にいれて、育てます。明るい日陰もしくは夏以外は、カーテン越しの光が当たる場所で管理しましょう。日光に当たると藻が発生するのでアルミホイルなどで、ペットボトルをカバーするよよいでしょう。
培養液(肥料を入れた水)は、3日に1度は替えましょう。この時、ペットボトルが汚れていたら洗い流します。
- 手順5収穫
草丈が伸びてきたら必要な分だけ切り取って収穫しましょう。
タネまきから始めるミントの水耕栽培
種まきの時期
ミントの発芽温度は、20℃前後です。タネまきの時期は、3月~6月、9月~10月が適期です。室内で発芽温度が保てるのであれば、この時期以外でも発芽させることもできます。発芽率がよくないため、タネは多めに撒きましょう。
準備するもの
- スポンジ(キッチン用のスポンジでOK 。メラニンスポンジは不可。やわらかめがおすすめ)
- 水
- ラップもしくはティッシュペーパー
- 竹串(爪楊枝でも可)
- 500mlのペットボトル
- 水耕栽培用の肥料
- カッターもしくはハサミ
- ミントの種子
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします
スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を6~7粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。上からラップをして、爪楊枝で数か所穴を空けます。
直射日光のあたらない、暖かい場所で管理します。スポンジが乾かないように、水を足して発芽を待ちましょう。7日~15日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、明るい日陰やカーテン越しの光が当たる場所などへ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
1つのスポンジから複数の芽が出て場合は、一番大きな苗を残して間引きしましょう。もったいなからといって残しておくと大きく生長しません。
- 手順6肥料を与える
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、肥料を与えて育てます。濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)は3日1度は交換しましょう。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順7収穫する
草丈が伸びてきたら必要な分だけ切り取って収穫しましょう。
水耕栽培の肥料について
水耕栽培でミントを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
収穫について
草丈が20㎝にぐらいに伸びてきたら、柔らかい茎葉をハサミで切って収穫しましょう。生育期間中は随時行います。花が咲く前に多く切り戻して収穫したミントは、使いきれない時は、ポプリやドライハーブなどにして保存するとよいでしょう。モヒートや、ハーブバスなどもおすすめです。
まとめ
ミントは多年草なのでペットボトルで育てていると容器が汚れたり、苗が大きくなりすぎることもあります。挿し木で株を更新させたり、ハイドロカルチャーでの栽培もおすすめです。植え替えの手間が少なく肥料もあまりいらないプランターでの栽培もおすすめです。
その他の水耕栽培のコンテンツ
ハーブの水耕栽培はミントの他に、アロマティカス、イタリアンパセリ、大葉(しそ)、クレソン、ディル、パクチー、バジル、三つ葉、大葉、ラベンダー、ルッコラ、ローズマリーの育て方の記事があります。下記の記事から、それぞれのコンテンツにアクセスすることができます。
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