ミントは収穫をたのしむのであれば、肥料を与えることで生育をよくし、香りのよい葉を収穫できます。ここではミントに肥料を与えるタイミングや頻度、おすすめの肥料について説明します。
そもそもミント栽培に肥料は必要?
ミントは地植えでは土の養分だけで肥料分はほぼ必要ありません。
プランターの場合もそれほど多くの肥料は必要ありませんが、土が限られているので土に養分が足りなくなったり、水やりなどで肥料分ながれでやすいため、肥料を与えて育てましょう。
土だけでなく水耕栽培でもミントは育てられますが、土からの栄養がとれないため水耕栽培では、肥料を含んだ水(養液)をつかって育てる必要があります。
ただし肥料を上げすぎると、ミントの香りを弱めることになるので注意しましょう。
ミント栽培におすすめの肥料とは
ミントの栽培には、肥料の三大要素(窒素、リン酸、カリウム)が必要です。これらがバランスよく含まれた肥料がよいでしょう。
植え付け、植え替え時や春の芽生えの頃に与える肥料は、ゆっくり効果の出る緩効性肥料がおすすめです。夏に多く葉を収穫した場合などの後に与える追肥には、液体肥料などの速効性の肥料がおすすめです。
水耕栽培やハイドロカルチャーでは、水耕栽培専用の肥料を使いましょう。
元肥におすすめの固形肥料 3選
固形肥料は、液体肥料(液肥)と比べ、緩効性・遅効性の肥料が多くなります。植え付け時、植え替え時の元肥として使用できます。また、観葉植物の生育が始まる春先から、用土の上に置けば2ヶ月以上効果が持続する追肥として使用できる肥料もあります。効果的な使い方ができる観葉植物におすすめの固形肥料をご紹介します。
ハイポネックス「いろいろな野菜用粒状肥料」
元肥には、ハイポネックスから販売されているアミノ酸入りの肥料がおすすめです。有機と化成(肥効機関の異なる4種類)の組合せで、すぐに効き始め安定した効果が約1〜2ヶ月間持続します。
花ごころ ハーブ・香草の肥料
花ごごろの「ハーブ・香草の肥料」は、N-P-K=6-5-5と三大要素をバランスよく含み、有機質を多く含んでいるので、ゆっくり育てることでミントの香りをよくする効果があります。
プロミック いろいろな植物用
プロミックいろいろな植物用は、土の上に置くだけの簡単な錠剤肥料です。早く効く成分とゆっくり効く成分を含み、肥料効果が約2ヵ月間持続します。植え替え時の元肥には粒状の固形肥料がおすすめですが、植え替えしない年の春の追肥におすすめの肥料です
ミントの追肥におすすめの液体肥料(液肥)2選
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。液体肥料は、用土に混ぜ込んで元肥として使用することはほとんどなく、追肥として使用することを主としています。液体肥料には
- そのまま希釈せずに使用するタイプ(ストレートタイプ)
- 定められた希釈率で液肥を薄めるタイプ
の2タイプがありますので、その製品の使い方をよく読みましょう。希釈した液体肥料は土壌に散布します。
また、液体肥料は速効性(効き目がすぐに出やすい)タイプのものが多いため、前述したとおり追肥としての使用がおすすめです。
ハイポネックス 専用液肥 観葉植物
ハイポネックスの液体肥料といえばハイポネックス原液ですが、もちろんハイポネックス原液でもよいですが、ミントなどの葉を収穫するハーブは、窒素分の多い肥料がおすすめ。ハイポネックスの観葉植物専用の肥料がおすすめです。
肥料成分はN-P-K=7-4-4と窒素(N)が多く、ビタミン・トレハロース配合しています。葉面からも吸収しやすい速効性の肥料なので追肥として使います。
住友化学園芸 ベジフル液肥
ベジフル液肥は、天然の有機質入りなので土壌改良効果も期待できる液体肥料です。有機配合肥料ですが臭いはないのでプランターでも安心して使えます。
肥料成分はN-P-K=6-6-7で、植物由来の天然豊富なミネラルやビタミン、アミノ酸などを含む有機質が配合されています。
水耕栽培におすすめの肥料 2選
微粉ハイポネックス
ハイポネックスの粉状肥料として最も有名なものは「微粉ハイポネックス」です。水に溶かして液肥として使用するタイプのものとなります。様々な植物に適用でき、鉢植、家庭菜園だけではなく、水耕栽培やペットボトル栽培にも使用することができます。特に植物の根を丈夫にするカリウム(加里)が多く含まれ、秋に与えると、花つきを良くしたい場合や耐寒性を高める効果が期待できます。
ハイポニカ液体肥料
ハイポネックスの他にハイポニカ液体肥料もおすすめです。ハイポニカ液体肥料は、協和株式会社が開発した水耕栽培だけでなく、土耕栽培や鉢栽培などにも利用いただける液体肥料です。花・野菜・樹木・果樹など、あらゆる植物に対応しており、苗から成木まで植物の生長段階を問わずに同じ希釈率でうすめて使用できる、養分満点の非常に便利な液体肥料になります。
ミントに対する肥料のやる時期と頻度
ミントの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。下記にミントの一般的な肥料をやる時期と頻度について、基本的な考え方を説明します。
- 春
春は植えつけ・植え替えの時期です。植えつけ・植え替えの時は元肥として緩効性化学肥料を用土に混ぜて施します。植え替えをしない場合には、追肥として緩効性化学肥料を置き肥します。
- 夏
春にしっかり元肥・追肥していれば肥料は必要ないでしょう。ミントの開花は夏です。蕾のころがミントの香りが強くなります。保存用などで多く収穫した場合は、液体肥料(液肥)を規定より薄めて、水代わりに与えます。
- 秋
秋も植えつけ・植え替えの時期です。植えつけ・植え替えの時は元肥として緩効性化学肥料を用土に混ぜて施します。植え替えをしない場合には、追肥は必要ありません。
- 冬
冬は生育が弱まります。肥料は不要です。収穫も行わないようにしましょう。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
ミントは、野菜栽培などとは異なり冬には休眠期になったりと、比較的植物の中でも肥料を必要としません。このため、家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい肥料焼けを起こします。
同じく、ハイドロカルチャーの場合は、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水が常に容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水分が切れてから水を与えるようにする
- 風通しの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。