サボテンのような多肉植物や観葉植物を趣味とする人が増えてきています。同じように植物を楽しむ目的で、庭木や植木にも目を向けると、ガーデニングライフの幅がぐっと広がります。
この記事では、ミモザ(アカシア)の育て方と照らし合わせながら、代表的なミモザの肥料などを紹介します。
ミモザとは?
ミモザは、マメ科のオジギソウ属の植物を指す場合、またギンヨウアカシア、フサアカシアなどのマメ科アカシア属を指す場合があります。大抵は黄色い花のアカシア属の、ギンヨウアカシア(学名:Acacia baileyana F. Muell.)のことをを指すのが一般的です。
原産地はオーストラリアと言われ、もともとイギリスで輸入されるフサアカシアの切花をミモザと呼んだことから、この名称が広まったと言われています。黄色は西洋では春を象徴する色であり、ミモザは春に咲く幸せの花木として、花束などに欠かせないアイテムと言えるでしょう。
暖地を好みますが、耐寒性もそこそこあるので、風よけをすることである程度は地植えでの越冬もできる品種と言えます。
成長も早いことから、シンボルツリーや記念樹になるような樹高がある高木としても親しまれています。アカシア(ミモザ)の他に、代表的な高木には、サクラ(桜)、イチョウ(銀杏)、メグスリノキ、ハナミズキ、ヒメシャラ、サルスベリ、シラカシなどがあります。
ミモザ(アカシア)の育て方と肥料を与えるタイミング
ミモザは、庭植え(露地への植え付け)のほか、鉢植えでも育てることができます。庭植えの場合は、潅水や植え替えの手間が少ないというメリットがある反面、移動させにくいというデメリットがあります。日陰を避け、なるべく日当たりのよい場所に植え付けるようにしましょう(畑地であれば基本的に問題ありませんが、水はけのよい土壌が好ましいです)。鉢植えの場合は、根が伸長することを考えて、苗木に対して少し大きめの鉢を用意し、しっかり覆土するとよいでしょう(野菜などの作物と異なり、ミモザは永年性の植物であることに留意しましょう)。赤玉土と腐葉土を半量ずつ混合し、用土にすると簡単でよいです。
ミモザ栽培の流れは、以下の通りです。その他にも、病害虫防除や水やりなどを行うこともありますが、ここでは共通して行う代表的な作業を記載しています。接ぎ木、挿し木、種まきなどの繁殖作業を行う場合は、3月頃が適期です。
肥料は、「寒肥」と「追肥」のタイミングで与えます。ただし、ミモザは肥料が少なくても丈夫に育つ植物です。施肥量が多すぎると、ひどい場合には枯れてしまうこともあるので注意しましょう。
なお、イメージしやすいように、作業実施月の例を記載しています。実際には、栽培地域や栽培品種によっても異なりますので、目安としてとらえてください。
- 春
ミモザは花が咲いた花後に翌年の花芽を付けます。このため、花後の5〜6月頃に枝の剪定、切り戻しを行うようにしましょう。混み合っている部分は思い切って枝元から剪定してください。
また、苗を植え付ける場合は春の暖かい日がおすすめです。
- 夏
肥料をやる必要はありません。地植えは水やりを基本気にする必要はありませんが、夏場の高温乾燥が数日連続したときは水やりしてください。
鉢植えでは、表土が乾ききったら水やりをしましょう。水やりの際は、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えるようにしましょう。
- 秋
特に何かする必要はありません。
- 冬
上記の「ミモザ(アカシア)栽培の流れ」では割愛していますが、状況によっては、病害虫防除の作業もしなくてはいけません。病害虫防除には、落ち葉の処理、農薬散布などがあります。防除および駆除の対象となる主な病気や害虫には、次のようなものがあります。
こうした病気や害虫が大量発生すると、農薬として殺菌剤や殺虫剤といった薬剤を施用しなくてはいけません。鉢植えであったり、庭植えでも小規模であったりする場合には、目視によって病斑部や食害部を見つけることができます。当該部分を取り除くだけでも改善できる可能性がありますので、継続的に観察をするようにしましょう。
特にミモザはカイガラムシが付きやすいので要注意です。カイガラムシ対策は、下記を参考にしてみてください。
また、庭植えの場合、春先になると草花などの雑草が発生し始めます。雑草は、病気や害虫の発生源になるだけでなく、庭木に注がれるべき土壌中の養分を奪ってしまうという悪影響があるので、しっかり除草する必要があります。除草には、除草剤を用いる方法、刈払機を用いて下草を刈る方法などがあります。
ミモザ(アカシア)に与える代表的な肥料
代表的なミモザ(アカシア)の肥料は、次の通りです。施肥については、肥料成分やタイミングによって、花芽形成、開花、結実、落果などの生育や生理状態に影響を及ぼしますので、重要な作業といえます。しかしながら、ミモザは他の作物に比べるとはるかに丈夫なので、あまり考えすぎることなく積極的に挑戦してみるとよいでしょう。ただし、ミモザは施肥量が多すぎると、ひどい場合には枯れてしまうこともあるので与えすぎには注意しましょう。
油かす
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機肥料です。油かす肥料が分解される過程で、臭いがしたり虫が発生したりすることがあります。このデメリットを抑えた発酵(醗酵)油かすというものもあります。事前に発酵(醗酵)させてあるので、臭いや虫の発生をある程度抑えられます。
お礼肥 寒肥
お礼肥 寒肥は、JOYアグリスが販売する肥料です。米ぬかを主体にした有機質肥料なので、安心してして使うことができます。有機質肥料は、腐葉土や堆肥と同じくゆっくり長く効く肥料なので寒肥(元肥)としてぴったりですが、この製品はお礼肥や追肥としても利用することができます。庭植えの場合には、樹冠に沿うように根元から離して穴や溝を掘り、1株あたり1kgを目安に施肥します。
グリーンパイル
グリーンパイルは、ジェイカムアグリが販売する肥料です。公園・街路・庭などの樹木に対しても用いられる、棒状の打ち込むタイプの肥料で、造園の施工で樹勢を回復させる目的でよく使われる資材でもあります。グリーンパイルには、樹木の生育にとって理想的なバランスで窒素・リン酸・カリウムが配合されており、樹木の根元から少し離れた位置に打ち込むことで、成分が土壌の深層までしっかりと浸透し長持ちします。とにかく処理が簡単な点が魅力です。
ミモザ(アカシア)の肥料を購入
ホームセンターなど店舗で購入する
上記で紹介した肥料は、コメリなどのホームセンターでも販売されています。また、ダイソーなどの100円均一でも販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。
通販で購入する
店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場など様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。
まとめ
丸く平たい特徴的な常緑の葉のシルバーリーフ、また黄色いポンポン状の可愛い花色の花を咲かせるので、切り花やリース、スワッグ、ドライフラワーとしても人気のミモザ(アカシア)。ミモザはオーストラリア原産の樹木(オージープランツ)で、少ない肥料でしっかり育つことから、初めての庭木にもぴったりです。
花言葉もさまざまあり、「秘密の恋」や「感受性」「思いやり」など。
若木を購入する場合は、ミモザ(アカシア)は樹木が若いうちは幹が細く不安定なので、出来るだけ太い幹のものを選ぶ、また添え木、支柱をするなどして強風で折れるのを防ぐようにしましょう。