メロンは肥料を与えすぎるとつるボケになり着果不良が起こるため、注意が必要です。ここでは地植え、プランターで育てるメロン栽培に適した肥料や肥料の時期、与え方について説明します。
メロン栽培に適した肥料
メロン栽培には窒素分が少なく、リン酸が多く配合された肥料が適しています。
メロン栽培では、葉を茂らせる窒素(N)、実をつけるリン酸、根を育てるカリウムの3大要素が必要ですが、ウリ科キュウリ科のメロンは、つる性のため生育初期に肥料(チッソ)が効きすぎると、ツルや葉がのびすぎて花や実がつきにくくなる「つるボケ」がおきやすくなります。
また実を大きくするのに必要なリン酸(P)を多く吸収するため、リン酸は多く施肥する必要があります。
そのため、またメロンは浅根性で酸素を多く必要とします。そのため畑では、有機質の堆肥や有機肥料を使い、通気性と水はけを良くするとよいでしょう。また有機物は三大要素の他にもミネラル(微量要素)を含んでおり、果実の味を甘くするともいわれます。
メロン栽培の肥料のタイミング
メロンは畑などで育てる場合は、地面につるを這わせる「地這い栽培」で育てますが、支柱を立てて立体栽培にすれば小スペースでプランター栽培で育てることもできます。
メロンに肥料を与える時期は、植えつけ時に元肥を施し、着果して実が親指大ほどになったら追肥を行います。地植えでは元肥と追肥1回が基本ですが、プランターでは最初の追肥から10日~15日ごとに追肥を、収穫の1週間前まで行います。
メロン栽培の肥料の与え方
それでは実際のメロン栽培の肥料の与え方について地植え・プランター別に説明します。施肥量は肥料や土壌環境によっても変わるため目安としてください。
地植えの場合
本格的なネットメロンはハウスなどが必要です。露地栽培でも、メロンは高温性のためトンネル栽培やホットキャップを使って栽培するのが一般的です。マクワウリなら直まきも可能です、苗から始める場合は、できれば接ぎ木の苗を使いましょう。
元肥
苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
元肥は、土づくりと一緒に行いましょう。日本の土壌は雨や肥料などにより酸性に傾いていることが多いので、メロンが育ちやすい土壌ph6.0~6.5で、酸性に傾いている土壌は石灰などを使い酸度調整をする必要があります。
- 栽培するスペース(畝)を決め、土壌phの調整が必要な場合は苦土石灰1㎡あたり100gをまいておきます。
- 1から一週間後に完熟堆肥(牛糞など)1㎡あたり2kg~4kgを畝全体にまきます。
- クワで堆肥を土にすきこむようによく混ぜます
- さらに緩効性肥料80g、ようりん50gを畝全体に撒いて、クワでよく混ぜます。
- 畝幅150~200cm、高さ10㎝の畝を作ります。
- 肥料を施してから7日~10日ほどたってから苗を植えつけます。
土壌と肥料について
おいしいメロンをつくるには、土づくりは大切です。メロンは、有機質が多く通気性がよい土が適しています。連作するとつる割れ病になりやすいので、4年~5年の輪作にしましょう。
牛ふんなどの堆肥は、植え付け1か月前までには行いましょう。土壌酸度(pH)は、6.0〜6.5です。土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。土壌酸度は、市販の土壌酸度計や土壌酸度測定液をつかって図ります。家庭菜園をする人は一つもっているとよいでしょう。
堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。
未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。
追肥
開花の時期に肥料がききすぎると、つるボケをおこしやすいため追肥は、着果してから行います。つるの先端部分に、化成肥料を1㎡あたり30g程度を施します。
プランター栽培の場合
プランター栽培の場合、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
人工受粉後、実が親指大ほどになったら1回目の追肥を行います。化成肥料を株元は避け、プランターの縁に沿ってばらまきましょう。10日~15日ほどしたらさらに追肥をします。液体肥料を使うこともできます。実が親指大ぐらいになったら、7日~10日に1度、500倍に薄めた液肥を水やりがわりに与えます。収穫1週間前までには肥料が切れている状況にしましょう。
メロンにおすすめの肥料
メロン栽培には、元肥では緩効性肥料を追肥には速効性の肥料を施します。
元肥には土壌改良効果や、食味をよくする有機肥料や有機配合肥料がおすすめ。プランター栽培では有機配合肥料など臭いの少ないものを選ぶとよいでしょう。追肥には、化成肥料8-8-8などの速効性肥料や、液体肥料がおすすめです。メロン専用の肥料であれば、肥料成分が調整されているので誰でも使いやすい肥料です。
メロンにおすすめの肥料の種類や、商品についてはこちらで詳しく説明しています。
メロンの肥料について気を付けること
施肥量について
メロンの施肥量は、品種や土壌によっても変わります。施肥量は目安です。それぞれの圃場に合わせて施肥を行いましょう。園芸本などに記載されているのは化成肥料を基準になっています。有機肥料などは化成肥料に比べて肥料分は少ないので、窒素を基準にして施肥量を決めるとよいでしょう。メロンは前作に残った養分を積極的に吸収してしまうので、肥沃な土地では肥料は少なめにしましょう。
追肥は、草勢いが強ければ元肥だけでも育つこともあります。肥料は、上げれば上げるだけよいというものではありません。上げすぎると肥料やけして枯れてしまうこともありますので、生育を見ながら与えましょう。
メロンの肥料不足の症状について
メロンは肥料過多になると、つるぼけして実がつかないといいましたが肥料不足にはどんな症状があるのでしょうか。
まずは葉色です。肥料が多いと葉色は緑色が濃くなります。反対に不足すれば葉の色が薄くなります。また肥料不足になると、子づるの先端が持ち上がらなくなります。肥料不足の症状がみられた場合は、速効性の化成肥料か液体肥料を使いましょう。
まとめ
メロンの栽培はネットメロンは温室で管理されるので温室メロンとも呼ばれ、それに対し、網目のないノーネットメロンは露地メロンと呼ばれます。ネットメロンは栽培が特に難しいので、まずはプリンスメロンやマクワウリから始めてみましょう。ネットメロンを育ててみたい人には「ころたん」がおすすめ。手のひらサイズのメロンなので、ベランダなどのプランター栽培にもむいています。
水耕栽培の育て方yについては詳しい記事があります
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