ハサミやバリカンでの真夏の芝刈り作業は、大変疲れる作業です。これを解消するために、より大規模な芝刈りが効率的にできる、手押し自走式芝刈機や乗用芝刈機があります。
この記事では、特に手押し自走式芝刈機の中でも、電動式、ガソリン式ではなく、より手軽な手動式の芝刈り機のおすすめの機種を、また使い方やメンテナンス方法、また中古の入手方法も合わせてご紹介します。
電動式、ガソリン式の芝刈り機に興味ある方は、下記をご参照ください。マキタ(makita)やリョービ(RYOBI)などの電動式、ガソリン式の草刈り機を紹介しています。
手動芝刈機(手動芝刈り機)とは?
手動芝刈機の特徴
手動芝刈り機とは、ハンドルを握って、前に押し出して芝を刈り込む機械です。ハサミやバリカンでの芝刈作業に比べて、立ったまま作業ができ、広範囲の芝刈作業を可能にします。
特徴としては、なんといっても軽量で静かなこと、住宅街などで使用する場合は、大変重要なポイントです。また、電動式やガソリン式のものと比べてリーズナブルで、充電したり、ガソリンを入れたりする手間がかかりません。
イメージとしてはミニ耕運機、自走式草刈機の動力がないバージョンです。
手動芝刈機の刃(ブレード)はどんな種類があるの?
芝刈機の刃(ブレード)は以下のような種類があります。
- リール式 ・・・螺旋状の刃とベッドナイフ(固定刃)ですり合わせ、はさみ切るタイプです
- ロータリー式・・バーナイフや金属刃が水平に回転して芝を切るタイプです
- バリカン式・・・2枚の重なり合う櫛状の刃物が水平に動いてはさみ切るタイプです
この中でも、手動式芝刈り機は、そのほとんどが「リール式」のタイプです。
手動芝刈機に合う環境、用途とデメリット
手動芝刈機はコードレスで広範囲に静かに芝刈りを行うことができますが、リール式を採用しているため、長く成長した芝を刈るのは苦手です。このため、こまめな芝刈りが必要になります。
また、手動のため、どうしても押すのにパワーは要ります。芝が成長していればしている程、強いパワーは必要です。
このため、目安としては、芝生の広さが50坪程度までなら手動式、それ以上の広さであれば、電動式かエンジン式を選択する事をおすすめします。また、騒音が出せない場所では手動式を選択すると良いでしょう。
おすすめ手動芝刈機 4選!
ハスクバーナ 手押し式芝刈り機 54ノヴォレット
ハスクバーナの54ノヴォレットは、非常にスタンダードな万人におすすめできる手動芝刈り機です。リール式5枚刃で、リール刃、受け刃、タイヤの耐久性も高く、頑丈です。刈幅は40cmと広く、刈高は、12-38mmの4段階に調整することができます。
また、別売のグラスキャッチャー(集草カゴ)を取り付けると、刈り取った丈の長い草を収集することができます。
キンボシ(kinboshi) ハイカットモアーグラン GSH-2500G
キンボシ ハイカットモアーグランは人気商品ゴールデンスターの後継機種です。刈幅は25cmとハスクバーナと比べてやや狭くコンパクトなので、庭木や生垣などの障害物の多い庭などで使い勝手が良い製品です。こちらの製品も刈り高さが、12.5,20,27.5,35,42.5,50mmと6段階にも調節でき、同じく50mmと高刈りができる点が特徴です。
他、派生商品として、より安価なナイスバーディーモアーDXや、刃調整の手間がない、刃調整不要のタイプのプレシャスモアー、ブリティッシュモアーDX、ナイスイーグルモアー、ナイスファインモアーがあります。
山善(yamazen) ラクモア
山善(yamazen)のラクモアは刈幅は20cmと狭いですが、10,000円を切る非常に安価でコストパフォーマンスに優れた手動芝刈り機です。刈り高さが、10,20,30,40mmと4段階に調節でき、スプリングによって刃が自動で上がる自動調節機能を備えています。刈り取った芝草を収納する前キャッチャーが付いています。
他、派生商品として、刈る刈るモアがあります。ラクモアとの違いは刈幅が、200mmと300mmの2種類から選べる事ができる点、また刈り高さが6段階に調節できる点です。但し、デメリットとして自動調整機能がなく、手動で刃研ぎ調整が必要になります。
バロネス 手動式芝刈り機 LM4D
共栄社が運営している芝生専門店「バロネス」が販売する、高規格のパワフルな手動芝刈り機です。研磨機能が付いた、ゴルフ場で使用されている鋭い刃物を採用したモデルで、その切れ味は抜群です。値段は少し高いですが、ゴルフ場レベルの美しさ、切れ味を求める方は、検討してみたい製品です。
手動芝刈機の使い方、メンテナンスについて
手動式芝刈り機の使い方は簡単です。刈高を設定したら、前に押して芝をサクサク刈っていきましょう。
しかし、手動芝刈り機は刃がほぼリール式です。リール式は刃の切れ味が落ちてくると、びっくりするくらい芝が切れなくなってしまうため、定期的な刃の手入れ、メンテナンスが必要です。刃のメンテナンスには、下記のような研磨剤を使用します。
刃の研磨方法
- 固定刃とリール刃の間、左端、中央、右端の3箇所に新聞を2、3枚重ねたもの、またはハガキ、同様の厚みのある紙を固定刃に対して垂直に差し込み、手でリール刃を回転させて下さい。
- ハガキなど紙がよく切れた刃の部分に研磨剤を少しずつ塗付して下さい。リール刃は回転させながら刃に塗って下さい。
- 研磨剤を塗り終わったらリール刃を回転させることで研磨します。回転させたら、また左端、中央、右端の3箇所に紙を差し込み、ムラなく3箇所が切れるかテストして下さい。ムラが無くなれば、リール刃全体に塗って回転させて研磨します。
- 最後に研磨剤を布巾や紙で拭き取って綺麗に手入れして下さい。
研磨剤を塗るのは、切れる箇所です。くれぐれも逆の場所に塗らないようにしましょう!
手動芝刈機を中古で買いたいとき
中古でもいいからもっと安く入手したい場合におすすめなのが、大手オークションサイトである「ヤフオク!」を利用する方法です。
オークションというと価格を随時確認しなくてはいけないなど煩わしいイメージがあるかもしれませんが、実は現在の「ヤフオク!」には「定額」で出品されている商品が多くあります。「定額」で出品されている商品は、オークション形式とは異なり、表示されている価格に対し購入ボタンを押すだけで即時取引完了となります。このように煩わしさもなくなっているばかりか、農機(農機具、部品)の取扱い数も急拡大しており、非常に使い勝手のよいサービスに進化しています。
以下にリンクを用意しましたので、ぜひ一度のぞいてみるとよいでしょう。
=>ヤフオク!で検索してみる手動芝刈機をレンタルしたいとき
また、最近では、農機具のレンタル業者も増えてきています。その中でも、特に下記の会社はメンテナンスもしっかりしていて情報も豊富でおすすめです。
まとめ
芝刈機は劇的に芝刈作業の効率を高める機械です。効率化される人件費を考えると、投資効果は充分に期待できる機械です。是非、チャレンジしてみてください。
また、これらを展開しているメーカーは、その他、ヘッジトリマー、動力噴霧器、チェンソー(チェーンソー)、ブロア、散布機なども展開しています。ご興味ある方は確認してみてください。
(補足)芝生の育成、肥料あれこれ
日当たり・水はけ
植物は光合成によってエネルギーを作ります。特に、芝は日光が大好きで日当たりが良い場所を好みます。また、野外で育てるため、水はけが良い土地が望ましいです。日陰が多い場所の場合は、日照時間が比較的少なくても問題ない品種を選ぶと良いでしょう。刈高を上げてできるだけ葉の面積を多くし、光合成を促進させるなどの工夫も有効です。
肥料・水やり
芝は、生育期に比較的多くの水やりが必要な植物です。生育期、土が乾いたら、なるべく水をやるようにしてください。特に猛暑の時期は水やりを毎日してあげましょう。一部の葉が徐々に巻いて丸まっている状態だとすると、明らかに水不足のサインが出ていますので、ホースやジョウロで水やりをしてあげましょう。
基本的な水やりの頻度の目安は週に1〜2度で、夏はできるだけそれ以上に散水するといいでしょう。休眠期の冬場は特に散水する必要はありません。
芝生のおすすめ肥料、手入れに関する記事は下記を参考にしてください。
エアレーション
エアレーションとは、芝生に専用の穴あけ機で穴を開けることで、土壌中の酸素を増やし、透水性を高め、土壌表層に溜まる老廃物であるサッチの分解を促進させ、サッチの蓄積を防ぐために行います。
芝生は、畑と違って一度植えてしまうと、耕耘ができません。このため用土が固くなり、サッチが蓄積し、芝の育成を阻害してしまうのです。
エアレーションを行う適期は、芝生の生長がよい時期です。具体的には暖地型は初夏や梅雨明け、寒地型は春と秋が適期となります。また、エアレーションに合わせて、レーキや熊手で蓄積したサッチを取り除く、またサッチ分解剤を使ってサッチを除去するサッチングも行ってください。
目土
目土は、芝生の管理特有の言葉で、「めつち」と読みます。目土は、芝生の上に川砂などをかぶせ、覆うことで、サッチの抑制や表面のデコボコを平にしたり、新芽を保護したり地温を保つ効果があったりと、非常に重要です。具体的には年間に1〜2回、4〜5月、10月に行うのがベストです。
普通の土(そこらのへんにあるような土)を使うのは駄目ですよ!
芝生の目土用の土も販売されていますので、ご自身で目土作業を実施することも可能です。
広い敷地の芝生をお持ちの方は、造園業者などに目土を頼むと良いと思います。ご自身でやるより安く綺麗に仕上がります。
⇒草刈り・芝刈りなど造園を頼みたいときには芝生に生えてくる雑草の除草、防除
芝生には、カタバミ、スギナやススキ、メヒシバ、ヤブガラシ、オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、チガヤなど、広葉雑草やイネ科雑草、さまざまな雑草が生えてきます。下記は芝生で使える、おすすめの選択性除草剤、また芝生に生える雑草を紹介していますので、参考にしてみてください。
また、除草剤を撒くのにベストな時期、草抜き道具、除草時に気をつけたい服装などを知りたい方は下記を参考にしてください。
また、除草のための草刈機(刈払機)、資材については、こちらをご参考ください。
雑草の様々な防除、駆除方法は下の記事がおすすめです。
また、特に防草シート(除草シート)での防除に興味ある方は下の記事をご参考ください。