芝生の肥料焼けは肥料の濃度が高くなると起こりやすく、適量を均一に与えることが防止の基本です。また季節や肥料の種類によって起こりやすくなります。肥料焼けを防ぐ方法、肥料焼けが起こりにくいおすすめの肥料を紹介します。
肥料焼け(肥料やけ)とは?
肥料をたくさん与えることで土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなってしおれたり、植物に生育障害が発生したり、枯れてしまったりすることがあります。この肥料濃度障害を「肥料焼け」と呼びます。また、葉に直接肥料が付着している場合、「葉焼け」といって枯れてしまう現象もあり、これも肥料焼けです。
肥料焼け(肥料やけ)が起こる原因
では、どうして肥料の濃度が高くなると肥料焼けが起こるのでしょうか?肥料焼けが起こる原因は以下のことが考えられています。
植物の周りの土壌の肥料濃度が一定以上高くなると、濃度を均一にしようとする浸透圧の仕組み上、植物から土壌に対して水が流れるようになってしまいます。このため、植物の根は水分を失ってしまい、萎れて枯れてしまうのです。
また、窒素(チッソ)肥料が分解されることによって発生するアンモニアは大量に発生すると植物の葉の葉緑素を破壊して葉を変色したり枯らしたりしてしまいます。分解が活性化する夏場や、尿素、硫安、塩安、硝安といったアンモニアを含む費用を施肥したときによく起こります。
根が細く強くない作物の場合は、より肥料やけが起こりやすく、また速効性のある肥料、特に化成肥料での追肥を行った後にこの現象は起こりやすいので、追肥後は特に注意して観察してください。
芝生の肥料焼け(肥料やけ)の防ぎ方
適量の肥料を均一に与える
各肥料の説明書、ラベルに記載されている適量を守って肥料を施肥することが、肥料焼けを防ぐ大前提になります。また、1箇所に肥料が集まってしまうなど、散布場所にムラがあると肥料やけが起こる原因になるので、均等に肥料を撒くようにするのも肥料焼けを防ぐのに大事なことです。
肥料を均一に撒くのに便利な散布機などがあります。活用してみるのも手です。
固形肥料の散布後は水を撒く
粒状の固形肥料を散布したとき、一部の粒状肥料が葉に付着したままになり、肥料焼けを起こすことがあります。散布後しっかり散水することで葉から肥料を流し落とすようにしましょう。
夏場の追肥は控えめに
夏場は窒素肥料の分解が活発になるためアンモニアの発生が他の時期に比べ盛んです。このため、特に真夏のアンモニア系肥料(尿素、硫安)などの施肥は控えめにするようにしましょう。
この他
この他、作物全般の予防法として、株元に施肥せず、株元から離した場所に肥料を置くことで根の肥料焼けを減らすことができます。
また肥料や毛の減少が見られた場合は、土中の肥料濃度を下げるため、いつもよりも多めに散水するようにしましょう。多くの水を散布することで肥料を拡散させ、濃度を下げることができます。
肥料焼けが起こりにくいおすすめの肥料
肥料焼けは特に速攻性のある化成肥料(固形、液体肥料(液肥))の追肥によって起こりやすいと言えます。このため、下記にような緩行性の有機肥料などを元肥で利用することがおすすめです。
日清 100%有機 芝生の肥料(固形)
有機100%、木酢入りですので、植物と土と環境にやさしく、元肥や追肥として安心して使える肥料です。有機肥料でおだやかに効くため、肥料のあげすぎによる失敗を防ぎます。芝のみでなく、土をふかふかにする効果もあります。
スーパーグリーンフード
コーヒーかすや食品かす、魚粉、卵の殻などを高温発酵させて作られた微生物発酵有機肥料です。ラージパッチやブラウンパッチといった殺菌病の予防効果があり、サッチの分解促進も期待できます。有機肥料は継続的に使用すると、徐々に土壌が良質な団粒になり、保肥力、通気性が高まって芝の生長を安定させます。
バイオゴールド セレクション芝生
有機肥料といえばバイオゴールド。そんなバイオゴールドから芝生専用オーガニック肥料として、日本で唯一OMJ取得した芝生用の有機肥料です。
バイオゴールドを使えば、芝草の葉茎部分だけでなく、根(地下部)の張りを良くして障害・悪環境に強い、鮮やかな緑色の芝への生長を促進させます。元肥、追肥用とあります。