サッカー場などの競技場から公園、ご家庭の庭まで、芝生はさまざまなところに植えられています。芝生の緑色は、心安らぐ空間を与えてくれます。
芝生を美しく仕上げるためには芝刈りやサッチングなどの作業も重要ですが、「際(キワ)」を綺麗に仕上げられるかも重要なポイントです。芝生の際がビシッと刈り揃えられているだけでも、管理が行き届いて綺麗な芝生であると印象づけすることができます。
どのように際刈り(キワ刈り)をすると綺麗に仕上げられるのでしょうか?また、際刈りをラクにするための工夫はないのでしょうか?この記事では、際刈り・エッジカットのやり方や道具、際刈りをできるだけラクにするための工夫を簡単に紹介します。
芝生の際刈り(キワ刈り)とは
際刈り(キワ刈り)とは、文字通り芝生の際(キワ)を刈り上げることを指します。なぜ、際刈りという言葉が定着しているかというと、「芝生の際(キワ)は芝刈り機では刈りづらく刈り残しが発生するため、わざわざ違う方法で刈り取る必要が出てくることが多い」ためです。
際刈りには、大きく2つのやり方があります。
- 際の刈り残しを刈るバリカン式芝刈り機や芝生ハサミなどで刈る「際刈り(キワ刈り)」
- 際を土ごとカットして整える「エッジカット(エッジ切り、エッジング)」
それぞれ、使用する道具ややり方が異なりますので、以下に詳しく解説していきます。
そもそも際刈りをしなくても、「芝の際の高さと周囲の高さを合わせる」ことをすれば芝刈りだけで済ませることもできます。
際刈りに使える道具とやり方
際刈りに使える道具
際の刈り残しを刈るために使える道具はいくつかあります。
- 芝生ハサミ
- バリカン式芝刈り機(芝生用バリカン、グラスバリカン)
- ロータリー刃式芝刈り機
最も安価で簡単に使える道具は、芝生ハサミでしょう。刃を90℃回転できるハサミもあるので際刈りには便利です。しかし、ハサミで芝刈りをするのは思っている以上に大変で、際刈りであれば数mやるだけでもかなり疲れます。経験上、芝生ハサミでの広い芝生管理は長続きしないのでおすすめしません。
そのため、ご家庭の庭などある程度面積のある芝生については、電動式のバリカン式芝刈り機、もしくは隅まで刈ることができるロータリー刃式芝刈り機を使用することをおすすめします。際には、さまざまな雑草も生えやすいので、雑草も芝生と一緒に刈り取ってしまいましょう。
特におすすめのものは、充電式の芝生用バリカンです。コードレスでコードの取り回しを気にする費用もありません。際刈りだけなら1回分の作業量をまかなえるくらいバッテリーが持ちます。
際刈りのやり方
際刈りは、芝生ハサミやバリカン式芝刈り機、ロータリー刃式芝刈り機などを使って行います。やり方は芝刈りと同様で、可能な限り境目ギリギリのところまで刈りましょう。また、刈高も揃えることでより綺麗に仕上げることができます。
際刈りで最も使いやすく効率の良い道具は、バリカン式芝刈り機でしょう。バリカン式芝刈り機を使用する際の注意点ですが、刈高を設定できないタイプの商品が多いため、低く刈りすぎて軸刈りにならないようにすることです。刈りすぎは禁物なので、周りの芝高を見ながら少しずつ刈っていってください。
際刈りをするときは、刃を芝生以外の地面や壁にぶつけないように注意する必要があります。
芝刈り機によっては、際刈りをする際のガイドが付いているものもあります。
際刈りも重労働です。ある程度の広さになると体が辛くなってきます。可能な限り、ラクな方法で実施することをおすすめします。
エッジカット(エッジ切り、エッジング)に使える道具とやり方
エッジカットに使える道具
- ターフカッター
- エッジナイフ(エッジングナイフ)
呼ばれ方はいろいろありますが、基本的には同じような構造をしていて芝を切るための刃が付いています。丸い刃が付いているもの、長い柄が付いていて立ったままエッジカットできるものなど、いろいろな種類がありますので、ご自身に合ったものを選択してください。
エッジカットのやり方
エッジカットのやり方は至ってシンプルです。芝生と地面の境目からはみ出ている部分を、土ごとカットしていきます。境目に沿ってやることで、仕上がりが美しくなります。
もちろん、地面との境目だけではなく、芝生に埋め込まれているタイルや石の周り、植木の周りもエッジカットするとより鮮明に美しく際立たせることができます。ただし、植木の周りは木の根なども張っていることから実施する際には十分注意しましょう。
際刈りをラクにするための工夫
際刈りは思っているよりも重労働です。できるだけラクに簡単に終わらせるための工夫をしましょう。考えられる工夫できる点を挙げてみました。ご自身の芝生管理と合わせて、省力化できる部分を探しましょう。
可能な限り電動のものを使って省力化する
「電動のものは高いから、手動でできる安価な道具を使いたい」という気持ちはよくわかります。しかし、実際に使ってみると手動でやるにはあまりにも大変だったということが多くあります。
初期コストは少しかかりますが、作業にかかる時間や体への負担などを考えると、やはり電動式のバリカン式芝刈り機などを購入したほうが良いと思います。
芝生の管理は、芝生栽培を続ける間はずっと定期的に行わなければなりません。無理な作業を続けると、体を痛めたり芝生が嫌いになりますので、そうなる前にラクな方法を選択してください。
腰などを痛めないように立って行える道具を使う
芝生は、土壌付近に生えて生長していますので、本来地面に近いところで作業を行わなければなりません。際刈りも同様で、芝生鋏やバリカンを使うと屈みながらの作業が多くなります。
最初の方は特に苦痛を感じることなく作業をできるかと思いますが、時間が経つに連れて疲労が蓄積され体の至るところが痛くなってきます(実際、屈むような作業を長時間やるとその後数日に渡って体に影響が残ります…)。
よって、少しでもラクな体勢でできる道具を使用することをおすすめします。立って作業が行えるように、柄の長い芝刈りハサミやバリカンも販売されています。後付けできるアタッチメントもありますので、すでに購入済みの方も探してみてください。
芝生が伸びる範囲を制限する
そもそも際の外側まで芝生が生えないようにするという考え方もあります。芝生に使われる芝草は、匍匐茎(ほふく茎)を伸ばすことによって生育の範囲を拡大するものもあります。その匍匐茎や根が芝生の外にまで伸びないように制限してあげるのです。
そのようなときに便利な資材として「ローンエッジ」というものがあります。土壌に埋め込むことで芝の根や匍匐茎が境目から出ていくことを防ぎます。芝生と花壇の境目や芝生と植木の境目などに使用すると良いでしょう。
際刈りは面倒。芝刈りだけで済ませる方法
ここまで際刈りのやり方について説明してきましたが、なかなか面倒な作業だと思われる方も多いと思います。事実、私も「芝刈りだけで済ませることはできないものかな」と考えたりしていました。
そのようなときは、「芝生の土壌と周囲の地面との境目の段差をなくす(高さを合わせる)」ことを検討してください。そうすると、芝刈り機1台だけで際(キワ)まで綺麗に刈込むことができます。
芝刈り機は、刃がタイヤよりも内側に取り付けられています。そのため、タイヤの下やその外側を刈込むことができません。芝生の際(キワ)が刈り残しになりやすいのはこの構造のためです。
芝生の土壌と周囲の地面との境目の段差をなくす(高さを合わせる)とどのようになるでしょう。車輪を芝生の外側に出して、芝生の際(キワ)まで刈込むことができます。上記イラストの例では、境目にレンガを敷設することで、芝生の土壌と同じ高さの地面を用意し刈り残しになる部分をなくしています。
境目の段差をなくす方法としては、主に以下の方法が考えられます。
- タイルやレンガを芝生の際(キワ)に敷き詰める。
- 砂利を芝生の際に敷き詰める
まとめ
芝生の際刈りは、やらなくても特に問題が出る作業ではありませんが、芝生を綺麗に仕上げたい方はぜひ実施しておきたいことです。下記に際刈りのポイントをまとめましたので、参考にしてください。
- 際刈り(キワ刈り)は芝生の見た目に大きく影響するので、綺麗に仕上げたい方は実施することをおすすめします。
- 無理は禁物です。電動化された道具や作業時に無理な姿勢にならないような工夫をしながら実施しましょう。
- 芝刈り機だけで枯れるようにするため、芝の周囲を芝と同じ高さにしておくと芝刈り機1台だけで際(キワ)も刈り取ることができます。