芝刈りは芝生を美しく保つために、必須です。このため、様々な芝刈り機、道具があります。ここでは、手動で芝刈りを行う、おすすめの芝刈りバリカンの紹介と、芝刈りバリカンでの刈り方、使い方、注意点も合わせて解説していきます。
芝刈りが必要な理由
芝刈りは、刈り込むことによって上への成長を止め、通気を良くして芽吹きを促進させ新芽を増やし、密度を高める働きがあるので、欠かせない手入れの一つです。
葉が短くなる分、分けつし葉の枚数を増やして光合成を活発化させ、濃い緑になります。
また、芝刈しないと、芝が伸びっぱなしで病害虫のすみかになってしまい、コガネムシなどの害虫のせいでラージパッチ(葉腐病)などの病気になりやすくなります。このため、芝刈りは必須の作業なのです。
どんな時期に、どれくらいの頻度で芝刈りすればいいの?
日本の芝は大半が暖地型の為、ここでは暖地型の季節ごとの芝刈りスケジュールを説明します。
- 春
4月に1度芝刈りできるとベストです。
5月になったら、隔週で芝刈りを行ってください。
- 夏
夏は最も芝刈りが必要な時期です。6月は隔週で行い、梅雨明けの7月以降は出来れば毎週行えると良いでしょう。
- 秋
9月以降は隔週で芝刈りを行ってください。11月に入ったら、行わなくても大丈夫です。
- 冬
冬は芝刈りを行う必要はありません。
芝刈り機バリカン(芝刈りバリカン)とは?
芝刈り機バリカン(芝刈りバリカン)とは、電気の力で芝刈り機エンジンを起動させ、芝を刈る機械です。コンセントの電源を使用するタイプと、リチウムイオンバッテリーを使用した充電式のコードレスタイプのものがあります。
また、片手で持てるハンディタイプや、刈払機のような、長いポールについたグリップを持つタイプのものもあります。
芝刈りバリカンは電動なので、静かに作業することができます。周りに住宅がある場合は特に重要な点です。庭など、10坪未満の範囲にベストな芝刈り機といえます。
芝刈りバリカンのタイプ
芝刈りバリカンは、片手で持てるハンディタイプと、刈払機のような、長いポールについたグリップを持つタイプに分かれます。また、ハンディタイプにポールアタッチメントをつけることもできます。
電源供給方法としては、電源コード付きのタイプと、リチウムイオンバッテリーを使うコードレスタイプがあります。
どのタイプを選んだら良いのかは、下の表を参考にしてみてください。
芝の広さが5坪未満 | 芝の広さが5坪以上10坪未満 | |
芝の近くにコンセントがある | 電源コード付き ハンディタイプ | 電源コード付き ポールタイプ |
芝の近くにコンセントがない | コードレス ハンディタイプ | コードレス ポールタイプ |
ここでは、それぞれのカテゴリーごとに、おすすめ芝刈りバリカンをご紹介いたします。
電源コード付き ハンディタイプ
リョービ(RYOBI) AB-1120
リョービ株式会社は、世界トップクラスのダイカスト(ダイキャスト)メーカーです。電動工具、ガーデン機器、清掃機器などDIY機械を豊富に展開しています。
実は、電動工具、ガーデン機器、清掃機器などを手掛けていたパワーツール事業部門は、2018年に京セラグループの京セラインダストリアルツールズ株式会社へと事業譲渡されています。しかしながら、京セラインダストリアルツールズは、認知度の高いRYOBIブランドをそのまま継続して使用しているため、現在でも「RYOBI」のロゴをホームセンターなどでその製品を見かけることができます。
AB-1120本体は刈込幅110mmと小型軽量で、錆びにくく切れ味長持ちの両刃のニッケルコーティングブレードを採用しています。キワ刈りが綺麗にできるコストパフォーマンスに優れた商品です。刈込み高さを15・20・25mmにワンタッチ調節できます。
また、アクセサリーのポール&スライダセットを装着すれば、立ったまま芝刈り作業ができます。
刈込幅が160mmになったAB-1620もあります。刈込幅110mmでは心許ない方は、こちらを検討してみてください。
コードレス ハンディタイプ
庭にコンセントがある場合はコード付きのもので大丈夫ですが、コンセントがない場合は、コードレスのものを選ぶ必要があります。ここでは、電動バッテリー商品に定評があるマキタ(makita)と、リョービの製品をご紹介します。
マキタ(makita) MUM604DRF
マキタ(makita)は世界有数の電動式工具メーカです。充電式バッテリーを軸にたくさんの電動工具を展開しています。マキタのリチウムイオンバッテリーは、マキタの電動草刈機(刈払機)やチェーンソーのものとも互換性があり便利です。
MUM604DRFは、マキタの芝刈りバリカンの中でもスタンダードなもので、刈込幅は160mmです。刈り込みの高さが調節できるのはもちろん、キワ刈りがやりやすいように、キワ刈りガードが付いていて、刃物を壁や垣根に当てずに刈ることが出来ます。また、刃は特殊コーティングされていて、切れ味、耐久性が高くなっています。
こちらの商品も、アクセサリーのポール&スライダセットを装着すれば、立ったまま芝刈り作業ができます。この商品のほか、14.4VのMUM602DRF、10.8VのMUM600DSH、バッテリーが軽くなったMUM601DSHが展開されています。
さらにこちらの商品は生垣用の替刃に取り替えることで、生垣バリカン(ヘッジトリマー)へ簡単にチェンジすることが出来ます(2wayチェンジシステム)。庭に生垣、植木、庭木がある方にとっては、大変役立つでしょう。
リョービ(RYOBI) BB-1800
18Vリチウムイオン電池を搭載した、刈込幅160mmのコードレスタイプの電動芝刈りバリカンです。錆びにくく切れ味長持ちの両刃ニッケルコーティングブレードを採用しています。
電源コード付き ポールタイプ
リョービ(RYOBI) PAB-1620
こちらの製品は、刈込幅が160mmになったAB-1620をベースにポールがついたものになります。
リョービ(RYOBI) BAP-1800
こちらの製品は、BB−1800をベースにポールがついたものになります。
また、ハンディタイプのものも、別売のポールを装着すればポールタイプに変身します。ハンディタイプのものをお使いの方は、別売のポールを買うことも検討してみてください。
このほか海外製品でボッシュ(BOSCH)のISIOというコードレスバリカンセットもあります。こちらは芝生バリカン、生垣バリカン(ヘッジトリマー)に加えて、噴霧器やスプレッダーもアクセサリーとして装着することが出来ます。散水や種まき、肥料の散布の必要性がある場合は、こちらも検討してみてください。
芝生バリカンの使い方と注意点
こちらで紹介した商品は、全て高さ調節機能がついていますので、基本的には地面に沿ってバリカンを走らせれば、高さを揃えて刈ることが出来ます。
バリカンブレードの刃(ブレード)の部分は、コーティングされるなどハサミとは異なるため、研ぐ必要はありませんが、使用後に水洗いして拭くなど、こまめなメンテナンスが製品の寿命を伸ばします。面倒だとは思いますが、使用後はきちんとメンテナンスしましょう。
まとめ
ここでは、最も普及しているリョービ、マキタの製品を紹介しました。この他の商品が気になる方は、ホームセンターなどで、是非実物を手に取ってみてください。芝刈り機は、キンボシや山善(YAMAZEN)、ムサシ、fieldwoods、アイリスオーヤマ、ブラックアンドデッカー、BOSCHなど、さまざまな会社があります。その他、ガーデントリマーが取り付けれるものだったり、刈払機やチェーンソー、また枝を剪定(せん定)する電動の剪定バサミもあったります。あなたに合う最高の電動工具を見つけてみてください。
芝生の育成、肥料あれこれ
日当たり・水はけ
植物は光合成によってエネルギーを作ります。特に、芝は日光が大好きで日当たりが良い場所を好みます。また、野外で育てるため、水はけが良い土地が望ましいです。日陰が多い場所の場合は、日照時間が比較的少なくても問題ない品種を選ぶと良いでしょう。刈高を上げてできるだけ葉の面積を多くし、光合成を促進させるなどの工夫も有効です。
肥料・水やり
芝は、生育期に比較的多くの水やりが必要な植物です。生育期、土が乾いたら、なるべく水をやるようにしてください。特に猛暑の時期は水やりを毎日してあげましょう。一部の葉が徐々に巻いて丸まっている状態だとすると、明らかに水不足のサインが出ていますので、ホースやジョウロで水やりをしてあげましょう。
基本的な水やりの頻度の目安は週に1〜2度で、夏はできるだけそれ以上に散水するといいでしょう。休眠期の冬場は特に散水する必要はありません。
芝生のおすすめ肥料、手入れに関する記事は下記を参考にしてください。
エアレーション
エアレーションとは、芝生に専用の穴あけ機で穴を開けることで、土壌中の酸素を増やし、透水性を高め、土壌表層に溜まる老廃物であるサッチの分解を促進させ、サッチの蓄積を防ぐために行います。
芝生は、畑と違って一度植えてしまうと、耕耘ができません。このため用土が固くなり、サッチが蓄積し、芝の育成を阻害してしまうのです。
エアレーションを行う適期は、芝生の生長がよい時期です。具体的には暖地型は初夏や梅雨明け、寒地型は春と秋が適期となります。また、エアレーションに合わせて、レーキや熊手で蓄積したサッチを取り除く、またサッチ分解剤を使ってサッチを除去するサッチングも行ってください。
目土
目土は、芝生の管理特有の言葉で、「めつち」と読みます。目土は、芝生の上に川砂などをかぶせ、覆うことで、サッチの抑制や表面のデコボコを平にしたり、新芽を保護したり地温を保つ効果があったりと、非常に重要です。具体的には年間に1〜2回、4〜5月、10月に行うのがベストです。
普通の土(そこらのへんにあるような土)を使うのは駄目ですよ!
芝生の目土用の土も販売されていますので、ご自身で目土作業を実施することも可能です。
広い敷地の芝生をお持ちの方は、造園業者などに目土を頼むと良いと思います。ご自身でやるより安く綺麗に仕上がります。
⇒草刈り・芝刈りなど造園を頼みたいときには芝生に生えてくる雑草の除草、防除
芝生には、カタバミ、スギナやススキ、メヒシバ、ヤブガラシ、オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、チガヤなど、広葉雑草やイネ科雑草、さまざまな雑草が生えてきます。下記は芝生で使える、おすすめの選択性除草剤、また芝生に生える雑草を紹介していますので、参考にしてみてください。
また、除草剤を撒くのにベストな時期、草抜き道具、除草時に気をつけたい服装などを知りたい方は下記を参考にしてください。
また、除草のための草刈機(刈払機)、資材については、こちらをご参考ください。
雑草の様々な防除、駆除方法は下の記事がおすすめです。
また、特に防草シート(除草シート)での防除に興味ある方は下の記事をご参考ください。