ラベンダー栽培ではいつ、どのような肥料を与えるのがよいのでしょうか。ここではラベンダーに適した肥料や庭植え、鉢植え別に肥料の与え方と栽培のポイントについて説明します。
ラベンダー栽培に適した肥料とは
ハーブの一種であるラベンダーは、肥料を多く必要としないので与えすぎに注意が必要です。
元肥や追肥には、ゆっくり効果が続く緩効性肥料が適しています。肥料の三要素(チッソ、リン酸、カリ)がバランスよく含まれた肥料や、草花用のリン酸が少し多く配分された肥料がよいでしょう。
おすすめの肥料の種類や特徴、商品についてはこちらで詳しく説明しています。
ラベンダーの肥料の与え方
肥料時期
ラベンダーの肥料時期は、春(3月下旬)と秋(9月頃)です。ラベンダーは暑さに弱いので、夏に肥料分が残ると株が傷むので、夏と休眠期の冬は肥料は与えません。
肥料の与え方
元肥
元肥(もとごえ)とは、種まきや苗の植え付け時や植え替えの時に、あらかじめ土に施しておく肥料のことを指します。
ラベンダーは苗を購入して植え付けるのが一般的で、植えつけ時期は春か秋です。鉢植えの場合は、元肥入りの草花の培養土かハーブの培養土が便利です。庭植えの場合は、弱アルカリ性の土を好むので、苦土石灰を植え付けの2週間前に散布しておいてから、掘り起こした土と腐葉土、緩効性肥料をまぜて植えつけます。
追肥
庭植えの場合は、春の芽吹きの前に緩効性肥料を株の周りにばら撒いて、土と軽く混ぜておきます。
鉢植えは、春と秋に1回ずつ緩効性肥料をばらまいて、土を軽く被せるか、錠剤肥料を置き肥しましょう。
ラベンダー栽培のポイント
ラベンダーの種類
ラベンダーには多くの原種と品種があります。ここではよく見かける品種について記載します。
種類 | 特徴 |
---|---|
イングリッシュラベンダー (コモンラベンダー) | ラベンダー色と呼ばれる紫色の花を咲かせます。北海道富良野のラベンダー畑の品種がこの系統です。耐寒性がありますが、高温多湿には弱いです。 |
ランバディン | 暑さ寒さに比較的強い品種で、育てやすく初心者におすすめです。 |
フレンチラベンダー (ストエカスラベンダー) | 耐暑性がラベンダーの中では強く、夏越がしやすい品種です。ウサギの耳のような形をした花を咲かせることも特徴です。 |
デンタータラベンダー (フレンジラベンダー) | デンタータ(歯のような)ギザギザした形の切込みのはいった葉が特徴的で、四季咲きです。寒さに弱く、高温多湿を嫌います。 |
レースラベンダー | レースのように切込みが入った葉が特徴です。香りはあまりなく花や葉を楽しむ品種です。寒さに弱く、高温多湿を嫌います。 |
栽培環境
日当たりのよい風通しの良い場所で育てましょう。夏は高温多湿になるため水のやりすぎにも注意が必要です。地植えの場合には西日がなるべく当たらない場所を選んであげましょう。
挿し木(挿木)
ラベンダーは春と秋に挿し木で増やすことができます。若い枝先を8cm~10㎝ほど切って、新しい鉢にさしましょう。
植付け、植え替え
春と秋が植え付け、植え替えの時期です。鉢に植え替えするときは5~6号程度の大きさの鉢を選んで植え替えましょう。大きすぎる鉢は過湿になる可能性があります。
収穫と剪定
花の収穫は、早めがおすすめです。株の消耗を避けることもできますし、開花が進むと香りが弱くなります。満開の前には収穫し、ドライフラワーなどにするのもおすすめです。
花を収穫しない場合でも、花の切り取りは行いましょう。
花の収穫時に、葉のついている茎の部分を残して、刈り取りをしましょう。枝が込んできたら風通しをよくするために、中の枝を間引きましょう。
害虫に気をつけましょう
ラベンダーに限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ、カイガラムシ、ハマキムシ、幼虫が発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除するようにしましょう。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
まとめ
魅力的な美しい花と、リラックス効果の高い香りのラベンダー。花をドライフラワーにして楽しんだり、ポプリやアロマなどで癒しを与えてくれます。
一面のラベンダー畑は難しいですが、ベランダの鉢植えや花壇の植え込みでも、その美しさと香りは楽しむことができます。
育てる環境にあった系列の品種を選んで、ぜひ美しい花を咲かせてみてください。